丸山正樹「デフ・ヴォイス 法廷の手話通訳士」。


 最近、映画化され草彅剛さんが主演されて気になっていた作品です。


 娘が手話に興味があり勉強している関係で、ろう者のイベントに参加したりしています。そんな中、障害者に関する本を読むことが増えました。

 同情を促す作品は好きでは無いのですが、この作品も含めて最近の作品は障害者も普通の人も、人間として対等に描く作品が多いです。ただ、重い作品が多く積み本になっていました。

 そんなか先日、ビブリオバトルの動画でこの本が紹介されていて、ミステリーだと知り早速読みました。


 ミステリー作品として面白いです。ろう者の社会に関しての話もあり、勉強にもなります。でも、この作品にあるのは人間としての尊厳と優しさです。また、聴者とろう者の間で揺れる「コーダ」の存在など、気持ちを伝え合うことの大切さと難しさを、強く感じました。(コーダ:ろう者家族の中で一人だけの聴者で、発音言語より手話言語を初めに覚える人)


 「法廷の〜」とありますが、法廷部分はほとんど無く、警察小説とミステリー小説の中間の様な作品です。

 虐待などの記述があるので、高校生ぐらいからがおすすめかなと思います。