名取佐和子「図書室のはこぶね」。


 高校の体育祭に絡んだミステリー小説でした。図書室がメイン舞台の、過去の出来事の謎を解く、素敵な青春小説です。


 主人公は、怪我で体育祭に出られないバレー部の女の子です。友人から図書委員の仕事の代打を頼まれて、初めて図書室に足を踏み入れます。掃除の際に隠れていた本を見つけると、同じ本がもう図書室にはあって・・・。


 図書室の謎と、ジェンダー問題、障害者福祉、イジメ問題など今の学校、社会の問題がどんどん畳み掛けてきます。主人公達が爽やかさ、若さで乗り越えていく様子が気持ちを明るくさせてくれます。


 「七日間戦争シリーズ」や「氷菓シリーズ」が好きな人は、ハマる作品だと感じました。

 これから、高校、中学校、小学校と新しい環境に進む学生におすすめします。