夢枕獏「岩村賢治詩集 蒼黒いけもの」。


 本日、うちの塾のYouTube企画「はたらくおとな」の取材のときに、記憶についての話題があり思い出した作品です。


 夢枕獏さんの長編小説「キマイラ・吼シリーズ」の作品内作品です。


 主人公の少年と心通わせるホームレスの男性が、書いていた詩集ノートという設定の作品です。男性・岩村賢治は、宮沢賢治と中原中也が混ざったようなキャラクターで、作品もその通りです。

 その中の一編に「女郎花(おみなえし)」があり、私が塾の授業の指針にしている考え方が載っています。

 花の名前を忘れたのは、自分が忘れたからではない。花に自分が忘れられたからだ。とても悲しいことだ。

と、いうような内容が書かれています。


 「社会科や理科の用語が頭に入らない」という子たちに良くこの詩の話しをしています。

 暗記が苦手なときこそ、その物に好かれるために名前を声に出したり、綺麗に書いたりしてみてください。教科の自身に好かれて勉強がし易くなるかもしれません。


 ちなみに、この詩集は出版しているソノラマ文庫が現在は無いので古本屋さんで探すしか入手手段がないかもしれません。