夕方、野内の父さんの通夜だった。
2日前、ストーマの手術をした時同室だった方から、新聞に葬儀の案内が出ているとメールが来た。
1月の末に次女の成人式の写真を見せに行くと、目を細めて喜んでくれた母さん。
父さんは誤嚥性肺炎で入院して半年。
水も飲ませてもらえず、すっかりやせ細っていた。
三年前一緒に入院した時はガンの手術。
でも認知症が進んですっかり弱ってしまった。
こんなことならやらなければよかったと母さんは後悔していた。
私の知っている父さんは話も通じなく、ご飯はボロボロこぼすし、歩けなかった。
でも、通夜で流れたスライドショーの父さんは、いつも母さんと2人、楽しそうに笑っていた。
私の知らない父さんだ。
何もわからなくなった父さんだけど、母さんは毎日会いに行って一日中病院で過ごしていた。
私達の晩年は、、、
つい考えてしまう。
そういえば、最近元気な頃のみっちゃんを思い出さなくなった。
今のみっちゃんが私のみっちゃんになってしまった?
母さんはどうだったのかな?
父さん、ときどき母さんの様子を見に行くから心配しないでね。
ご冥福をお祈りします。