モンゴル南部から中国の内モンゴル自治区にかけてゴビ砂漠があります。
砂漠気候の外側にあり、砂漠気候よりも雨が少し多く降り、夏と冬の気温差が大きいのがステップ気候です。この気候下では草丈の低い草原が広がります。
モンゴルの首都ウランバートルは、ゴビ砂漠の北側に位置し、ステップ気候の代表的な都市です。
ウランバートル市内にあった隊商のモニュメント
(以降の写真は2015年9月に筆者撮影)
ウランバートルのモンゴル国立博物館
ウランバートル市内の国立博物館では、モンゴルの歴史と文化に関する展示を見ることができます。
国立博物館の入口
博物館入口左手の土産物店
ゲル(モンゴルの人々が遊牧で使用する移動に便利な大型テント)を使用
日本との関係では、クビライ・カアン(フビライ・ハーン)の統治した時代の展示がありました。クビライ・カアンはチンギス・カンの孫でモンゴル帝国を元に改め、首都を大都(現在の北京)に移しました。
その時期、日本では鎌倉時代中期にあたります。
そして、蒙古襲来(元寇;1274年の文永の役と1281年の弘安の役)の時に元軍の船とともに日本海に沈み、引き揚げられた陶磁器が展示されていました。
そしてモンゴルは、チベット仏教の国です。ボグドハーン宮殿博物館では、仏教美術に関係する展示があります。
ボグドハーン寺院博物館 緑ターラー菩薩の美しい仏像を見学できる
さて、ステップ気候の場所としては、カザフスタン共和国北部からロシア南部を中心としたカザフステップが、よく知られています。
また、ロシアのバイカル湖の南から東にかけてはブリヤ―ト共和国が位置します。その首都のウラン・ウデも、ステップ気候の町であり、モンゴル系のブリヤ―ト族の人々が暮らしています。
さて、ウランバートル市内を散策していると、貨物列車が目の前を通り過ぎました。
ウランバートル市内を走る貨物列車
モンゴル縦貫鉄道と呼ばれる鉄道があります。
中国の内モンゴル自治区のエレンホト(二連浩特;砂漠気候)、ウランバートル、ウラン・ウデをつなぐ路線です。
モンゴル縦貫鉄道と本稿に関係する地名を示した地図
エレンホトは中国からヨーロッパへの物流拠点の一つです。貨物列車による輸送のほか、道路整備が進みトラック輸送も盛んです。
モンゴル縦貫鉄道を走り抜ける北京発モスクワ行きの列車があります。
ウラン・ウデからシベリア鉄道の本線に入りバイカル湖畔を通ります。
シベリア鉄道からのバイカル湖の風景を最後に紹介します。
透明度の高い事で知られている湖です。
シベリア鉄道から見たプリヤ―ト共和国のバイカル湖
(この写真のみ1993年12月に筆者撮影)
(シベリア鉄道については機会を改めて紹介したいと思います)
北京発モスクワ行きの第03次国際列車の切符の表紙
列車は内モンゴル自治区のエレンホトからウランバートルを経由して
ウラン・ウデからシベリア鉄道の本線に入る
(齋藤 岳)