みなさんこんにちは
青森県立郷土館 指定管理者TTHAグループの櫻庭です
雪がかなり溶けましたね
そして、日も少しずつ長くなってきて春が近づいている気がします
さて、櫻庭は先日、青森県近代文学館さんを訪れました
休館中の土曜セミナーの開催場所としてお世話になった青森県立図書館さんの建物2階が近代文学館さんです
さっそく2階に上がって
こちらがこの日の目的
「本の装い」展
本の装丁(そうてい)にスポットを当てた、なかなか珍しい(というかマニアック?)な展示会です
装丁・・・表紙のつくりやデザインのこと
ちなみにこの「本の装い」展は青森県立郷土館が共催しています
郷土館収蔵の資料も展示されていますよ
会場に入ると、太宰治の代表作のひとつ人間失格がたくさん
※今回、このブログで紹介するため特別に館内の撮影許可をいただいております
いくつもの出版社によって、何度も刊行されているためそれぞれデザインが違っていておもしろい
漫画「デスノート」の作者が描いた表紙や、
青森県出身つながりでしょうか松山ケンイチスペシャルカバーなんてのもあります( ゚ ▽ ゚ ;)
展示は第1章から第8章まであり、それぞれで県内出身の文学者や芸術家を作品と共に紹介しています
展示の一部を紹介します
第1章 昭和初期の青森県の版画家たち
この第1章は共催の郷土館が展示を担当しています
これらは戦前の貴重な版画の同人誌です
版画誌 彫刻刀(画像右)や陸奥駒(画像中央)は棟方志功をはじめ青森を代表する多くの芸術家が参加して刊行されました
お互いに刺激し合い成長する場となったこれらの同人誌は、いわば昭和、平成と活躍した県内芸術家たちの原点と呼べるものではないでしょうか
第2章 棟方志功の世界
棟方志功による表紙デザインはどれも色鮮やかで大胆といった印象です
青森県県民課から発行されていた県政のあゆみ
こちらの表紙も棟方志功によるもの
第4章 佐藤米次郎の世界
版画家 佐藤米次郎(さとうよねじろう)は蔵書票作家としても有名ですね
蔵書票とは、本の見返しの部分などに貼って、持ち主を明示する紙片のこと
(本に貼るおしゃれな名札といったところですかね)
豆本(まめほん)の展示もありました
手のひらサイズのかわいらしい本です
装丁も美しく、全部集めてみたくなります
しかし、版画家 佐藤米次郎の豆本はただの豆本ではありません
なんと本に描かれている絵や文字はすべて版画で描かれたものなのです
版画による豆本の作り方も紹介されていますが、細かすぎる作業で見てるだけで目が痛い(笑)
それに、文字を掘るときはすべて鏡文字・・・・
この作業だけを見ると、芸術家というより職人といった方がしっくりきます(^o^;)
第5章 蘭繁之の世界
蘭繁之(らんしげゆき)は緑の笛豆本シリーズを刊行したことで有名な詩人です
この展示会の準備中に未刊行の第424集が新たに発見されたということで話題になっていました
東奥日報 2018年2月22日
画像の上の方が第1集
下の方は第70集あたりになります
刊行を重ねるうちに装丁が少しずつデザイン性の高いものとなっており、その変化を楽しむことができます
画像左が今回新たに発見された未刊行の第424集(右は同じく未刊行の第423集)
とても美しい装丁です
この緑の笛豆本シリーズは期間中に展示替えをおこなっていくそうです
現在(2月24日~3月21日)展示されているのが
第1~150集
3月23日~4月25日の期間は
第151~300集
4月27日~5月20日の期間は
第301~422集
※第423、424集はすべての期間で展示されています
一度見に来た方でも、もう一度楽しめますね
その他にも佐野ぬいの青を基調とした爽やかな装丁
村上善男(むらかよしお)の存在感のある赤い装丁など・・・
紹介したい展示がたくさんありました(紹介しすぎるのもアレなので・・・この辺にしておきます(笑))
みなさんお時間ありましたらぜひ本の装い展、ご覧になってください
「本の装い」展
観覧料:無料
会期:2018年2月24日(土)~5月20日(日)
会場:青森県近代文学館(青森県立図書館2階)
青森市荒川字藤戸119-7
電話:017-739-2575
共催:青森県立郷土館
ホームページ:青森県近代文学館