みなさんこんにちはビックリマーク

青森県立郷土館 指定管理者TTHAグループの櫻庭です音譜

 

今日もが降っていますねあせる

11月にこんなに降るのはめずらしいのではないでしょうかはてなマーク笑い泣き

 

さて、櫻庭も先日知ったばかりなのですが、今年は明治時代が始まって150年目の節目の年なのだそうですびっくり

 

 

ちなみに青森県立郷土館明治100年を記念した青森県の2大事業の一つとして設置されたんですよウインク

 

そこからさらに50年・・・

 

節目の年といっても、150年も前ですあせる

櫻庭はもちろん、このブログを見てくださってるみなさんにとってもあまり馴染みがないですよねはてなマーク

 

 

 

そこで

 

 

 

 

郷土館歴史担当の佐藤学芸員

明治時代の資料を交えて、当時の様子を紹介してもらおうと思いますアップアップ

 

 

良い機会ですし、少しだけ明治時代に思いをはせてみましょう音譜

 

 

 

・・・

 

 

 

(以下、歴史担当学芸員 佐藤より)

 

 

今年、2017(平成29)年も終わりが近づいております。今年は、明治150年目にあたる年でした。

これにあたり、当館所蔵の『日本鉄道陸奥地方画譜』をこのブログの読者のみなさまに紹介したいと思います。

 

 明治期の日本は、西洋からの文物が盛んに導入された時代でした。

 そのような文物のなかで、人や物の移動を大いに助け、産業・経済・文化等の発展に寄与したのは鉄道でした。

 1872(明治5)年、新橋-横浜間に日本最初の鉄道が完成しました。

 しかし、その後の鉄道整備は停滞しました。1880(明治13)年、政府は工部省鉄道局による東京-高崎間の鉄道建設に関して認可を下しましたが、資金難により着工できませんでした。 

 その後、世の中から広く資金を募って民間会社を設立し、鉄道を建設しようという構想が立てられました。この構想は、元老院議官の安場保和、工部省の安川繁成、元金沢藩士の高崎正風などの手によって進められました。翌年、政府の右大臣を務めていた岩倉具視に対して働きかけが行われ、日本初の鉄道会社である日本鉄道株式会社が設立されました。これにあたり、株主の募集が行われ、元公家・旧大名家などのほか、各地の有力者等が株主となり、資本金が集められました。

 日本鉄道は、上野-高崎間、および上野-青森間を5つの区間に分けて工事を進めました。工事は1882(明治15)年、川口-熊谷間を皮切りに始められ、最後の第5区線と呼ばれた盛岡-青森間が着工されたのは1888(明治21)年のことです。

 その頃、日本鉄道から『青森線路図』という、青森までの鉄道の敷設状況などを描いた、宮内庁に献上する絵の制作を依頼された画家がいました。その画家は、盛岡藩御用絵師の三男に生まれた川口月村でした。彼は、その図を制作するため、1889(明治22)年以降、一関-青森間の写生旅行を行いました。

 このときの旅行の成果とみられるものはいくつか知られています。『奥羽寒図記』(岩手県立博物館蔵)、『岩手県鉄道沿線名勝図巻』(もりおか歴史文化館蔵)、そして、当館所蔵の『日本鉄道陸奥地方画譜』です。

 

岩手県二戸郡北崎国道ヨリ鉄橋ヲ望ム

 

 

 『日本鉄道陸奥地方画譜』は、50枚の図で構成されており、うち、25枚が岩手県、25枚が青森県の風景を描いています。その名のとおり、鉄道そのものを描いた図も少なくありませんが、それ以外にも沿線の風景や人々の風俗を描いた図もあります。この画譜中の「青森県東津軽郡小湊村往来ノ風俗」がその典型と言えるでしょう。

 

青森県東津軽郡小湊村往来ノ風俗

 

 

明治中期のこの地域の人々の冬の服装がはっきりとわかります。

また、線路から離れていますが、三本木(現十和田市)の稲生町を描いた図もあります。

 

青森県北郡三本木村稲生橋稲生川稲生町之図

 

 

いずれにしてもこの画譜は、東北地方北部の交通史のみならず、地域史一般、および、民俗等を研究する上でも有益な資料であると言えるでしょう。

 

青森県東津軽郡善知鳥前国道ヨリ久栗坂隧道遠望

 

 

青森県下堤川鉄橋ヨリ岩城山ヲ望ム

 

 

(青森県立郷土館 主任学芸主査 佐藤良宣)

 

 

 

※明治150年について (内閣官房「明治150年」関連施策推進室より)

 平成30年(2018年)は、明治元年(1868年)から起算して満150年に当たります。政府では、内閣官房副長官を議長とする「「明治150年」関連施策各府省連絡会議」を設け、①「明治以降の歩みを次世代に遺す施策」、②「明治の精神に学び、さらに飛躍する国へ向けた施策」、③「明治150年に向けた機運を高めていく施策」の3つを柱として、政府一体となって「明治150年」関連施策を推進しているところです。国だけでなく、地方公共団体や民間も含めて、日本各地で、「明治150年」に関連する多様な取組が推進されるよう、ロゴマークの使用促進や広報などを通じて、「明治150年」に向けた機運の醸成を図っています。詳しくは以下のホームページを御覧ください。