本当に今日は愉快だった。
そんな風に思える帰路の中…しかし、沈澱する心。それは故あっての事。しかし、それを見つめる事は更に己を縛る事。だからすべきではない。と、分かっているのに、つい目を向ける。目を向けた先に何があるのか。あるのは後悔か、悲嘆か、絶望か。いずれにしても暗い何かに囚われる。分かっているのに…。暗い何かに囚われていたい。それはきっと、そこから抜け出してしまったら最後、それを失ってしまうと分かっているから。失う事の怖さ。それよりも大切な何かなんてない。囚われていたい。そんな愚かな私に差す光はあるのだろうか。
仮初の光に揺蕩いながら、束の間の愉悦に身を任せながら、日々を送り、独りの時に感じる締め付けを忘れたくはないのだ。それが唯一、今、私がそれを失わないでいる方法。既に失われているのは分かっているのだけれど。