陽子線による、30回/60Gyの術後照射を終え、私の半年間に渡る中咽頭がんの闘病は完結しました。

陽子線治療を受けるまでにネットで得た事前情報では、陽子線治療は低侵襲で、副作用や後遺症が少ないとのことです。

実際に自分が治療を受けてみて感じたことは、、、

私は一般的なIMRT（強度変調放射線治療）を受けていないので、

比較できない。

これが結論です。

しかしながら、X（旧TWITTER）やアメブロにはシスプラチン（抗がん剤）とIMRT併用の、「化学放射線治療」を受けた人の記事がたくさんあり、お笑い芸人のワッキーさんも化学放射線治療を受けています。

標準治療というだけあって、P16陽性中咽頭がんの治療は、ほとんどの人が化学放射線治療を受けていると思います。

中咽頭がんの治療で、化学放射線治療を受けた人が体感する代表的な副作用と後遺症は、

①皮膚炎症
特に頸部リンパ節周辺に照射した場合、皮膚がやけど状態になり、治療後１週～２か月で回復する人が多い。

②口内炎
口腔内に発現。
大きな個人差があり、発現しない人もいれば、数か月苦しむ人もいます。

③喉の照射野の炎症
治療半ばでほぼ全員が原発巣回りに発現し、多くの人が程度の差こそあれ、きつい痛みに苦しんでいます。
２～３カ月で回復が多い。

④脱毛
主に後頭部に三日月～半月状の脱毛が発現します。半年～１年でほぼ回復か。

⑤味覚障害
最も辛い後遺症の一つ。ほぼ全員に発現。
回復には個人差があり、治療後２～３カ月で回復が始まり、6～12カ月で60～80％程度までは回復するものの、その後は固定化する傾向にあります。

ブログやX等、ネットで書かれている情報では、治療後１～２年経過時に最も回復率が高い人と低い人は、

最良値：95％回復（ほぼ分かる）

最低値：０％（全く分からない）

平均値：75％

かなりの個人差ですが、０％と書かれた人は1人だけで、少しクセのあるお人っぽく、信憑性はよく分かりません。

⑥口腔乾燥
味覚障害と並ぶ辛い後遺症。ほぼ全員に発現。
回復率は30～50％程度と低いイメージがあり、ペットボトル飲料を手放せない、パンを食べられない等聞きます。

先ほど同様にネット上で回復率を調べた結果、

最良値：90％回復（依然と同じかな？）

最低値：20％（常に乾燥して辛い）

平均値：40％

水を飲むと食事はできるものの、回復率は低く、寝てる時とパンを食べた時に辛いとのご意見を多く拝見します。

⑦耳鳴り
真夏にセミが鳴いているような耳鳴りが年単位で継続すると聞いています。

発現率は60～70％程度、回復は良く分からない（多くの人が「慣れた」と書かれています）

①～③は治療終了後１～３カ月程度で消失する人が多いのですが、⑤～⑦は長引く傾向があります。

これらの症状の原因は、①～⑥はIMRTによるもので、⑤はシスプラチン単独でもありようです。

⑦（耳鳴り）だけはシスプラチンによります。

これは現在（2024年7月）も変わっていません。

では、Xやアメブロで化学放射線治療を受けた人の副作用や後遺症と、私の ”それ” を比べるとどうか、、、

言いにくい事ではありますが、

陽子線は、飛躍的に副作用が軽い　と、感じています。

私の陽子線治療中の有害反応（副作用）の発現と重症度

リンパ節の切除に成功し、原発だけへ術後照射という少し変則的な治療ではありますが、

先ほどの①～⑦はどうかというと、

①皮膚炎症
ほぼ無し、照射部が軽く赤くなっただけ。

②口内炎
初期に舌の側面に数個できたものの、治療中に消失。

以後何も無し。口腔ケアが効いてるかも。

③喉の照射野の炎症
治療半ばで違和感、後半（25回頃）から痛み、治療後10日で回復。

口腔ケアが効いてるかも。

④脱毛
後頭部に３×６㎝程度の三角形型に脱毛発現。現在は発毛途中。

⑤味覚障害

治療半ばで発現、数日後、毎朝食べていたピザ風味のパンの味が分かり難くなりましたが、ランチ時に大きく回復。その後は回復と悪化を繰り返し、治療後１か月弱で90％まで回復

最も下がった「瞬間最低」的な時で約20％。

画像の中で味覚の体感値が乱高下しているのは、食べた物の違いによります。

現在は治療完了から2カ月半で95％程度。

今でも味が分かりやすいものと、分かりにくいものに差があり、

私は塩味、甘味、酸味は分かりやすく、肉や魚、特に赤身の「旨味」が分かり難いです。

⑥口腔乾燥

唾液腺が陽子線の照射野、通過エリアに入っていないので、影響無し。

⑦耳鳴り

抗がん剤（シスプラチン）を使用していないので、影響無し。

副反応を抑えてくれる？

辛い副反応は、少しでも症状が改善するように様々なサプリメントやうがい薬を使いました。

①アバンド

口内炎、喉の炎症を抑えるうえで役に立ったと思われるサプリメント

こちらはオレンジ味。

ファンタオレンジを濃くしたような味わいで、結構さっぱりして美味しく飲みやすいです。

褥瘡の治療にも使われるようです。

ネットで購入できます。

②ムコスタ（レバミピド）

風邪をひいた時に、よくロキソニンと一緒に処方される胃粘膜保護薬

この錠剤を水に溶かし、毎日6回うがい薬として使用しました。

処方薬なので、陽子線施設で処方されました。

③アズノール

炎症をおさえる有名なうがい薬

毎日5～6回

処方薬なので、陽子線施設で処方されました。

④チョコラBB

ビタミンB MIXも映っていますが、チョコラBB

昔から口内炎には「はい、チョコラ♪」

普通に薬局やドラッグストアで購入できます。

⑤亜鉛サプリ

味覚障害を抑えるのに有効な亜鉛

論文でも発表されており、４か月間は服用を続けるつもりです。

普通に薬局やドラッグストアで購入できます。

こうして様々な治療法や関連する情報を集め、

自分で作った治療方針

「低侵襲な治療により、可能な限り後遺症が少ない状態で治療を完了し、日常に帰る」

を、実行できたのかなと考えています。

もちろん、いま癌の治療を終えたといって、それだけで「完治」や「根治」に到達したとは限りませんので、まだまだこれから長い「経過観察」が待っています。

癌と闘病した人が必ず願う「完治」まで、私は残り4年10カ月💦

本当にこの治療で良かったのかどうかは、それまでは

誰にも分かりません。

これからは完治している事を祈りながら、1日1日を無駄にせずに生きていきたいと思います。

最後までお読み頂きましてありがとうございました！！

中咽頭がんの治療方法を考えてみる

完

中咽頭がんの治療方法を考えてみる⑮ 陽子線治療の副作用と後遺症について

中咽頭がんの治療方法を考えてみる⑮　陽子線治療の副作用と後遺症について