断端陽性となり術後照射が必要となった自分ですが、
セカンドオピニオンにより陽子線治療を選択。
(というか、ダビンチ手術(TORS)が既にセカンドオピニオンなので、セカオピのセカオピで、サードオピニオン?)
治療計画決定の前にいつものCT、造影MRI、内視鏡による診断があります。
言われた通りに検査を受け、事務的に処理が進みます。
元の病院から届いた資料と陽子線施設での検査の結果、私の陽子線治療は以下のように決定!
- 照射線量は30回/60Gy
- 抗がん剤は使用せず陽子線単独
- 頬の噛み合わせ辺りと、耳の後ろ少し下の後頭部外側、2か所から照射
予想される副作用と後遺症は、
- 耳閉(みみが詰まったような感じ。水が入った時のイメージ)
- 口腔内の炎症(のどの浅いところまで)
- 味覚障害
- 歯肉炎
- 開口障害、虫歯
- 喉の痛み、嚥下障害
- 二次がん
なかなかの質と量で焦ります
しかし、主治医は
「急性反応のメインは口内炎(喉の炎症を含む)と皮膚炎、晩期障害のメインは軽い味覚障害程度でしょう」
「その他の症状は発症する可能性は0ではありませんが、滅多に出ないので過剰に心配しないようにしましょう」
との事でした。
ただし、下の奥歯3本は一生涯抜歯できないので、虫歯に気を付ける様言われました。
患部以外への線量が少ない陽子線治療とは言え、顎骨に与えるダメージは大きいため、抜歯によって傷口から感染症になり、やがて骨髄炎、顎骨壊死へと症状が進むリスクがあるのです。
とは言え、顎骨壊死や二次がんという怖いものや、一過性の皮膚炎に口内炎等もありますが、IMRT治療と比べると急性反応は弱く、後遺症は特に少ないようです。
二次がんの発症確率はIMRTでは20年後に2~3%のところを、陽子線はその半分以下と教えてくれました。
これは耳寄りな情報ですね!
少し意外だったのは、自分で”のど”と思ってる病変の場所は、医学的には口腔内になるようで、メインの照射野である中咽頭周辺の炎症は「口内炎」になり、喉の炎症は喉頭(こうとう、喉仏辺り)の事で、今回は心配無いようでした。
噂のお面作り
陽子線施設での治療計画が決まると、固定具の作成があります。
患部に0.5ミリ単位で正確な照射を受けるため、毎回同じ場所、同じ体勢で治療を受ける必要があります。
その為に、体を治療用ベッドに固定し、頭から首(人により肩まで)を固定する必要があります。
左側が私の頭を形取った専用枕。
右側のキン肉マンのようなマスクには、ベッドへの留め具と、私の歯型入りマウスピースが付いています。
マスクのマウスピースを咥え、しっかり噛み込むと歯型に歯が入り込み、マスク全体が頭にフィットするよう設計されているので、そのまま専用枕に頭を置くと、マスクと私と枕は毎回同じ位置に整います。
そしてそのままマスク、私、枕が共締めにより治療ベッドに固定されます。
後は放射線技師が色々と機械操作と微調整をしてくれるので、私は寝てるだけです。
私が治療を受けた施設の放射線技師たちは本当に皆さま良い人で、すごく優しく丁寧で、30回に渡る治療中、一度も嫌な思いをすることなく、安心して治療を受けることができました。
もちろん放射線技師だけではなく、看護師さんも、医師も皆さまとても丁寧で、本当に良い治療チームに巡り合えたと思っています。
放射線技師の皆さま、看護師の皆さま、先生方、本当にありがとうございました。
こうして30回の陽子線治療は問題無く終了し、私の中咽頭がん治療が完了したのです。
次回は早期有害反応と後遺症について。
そろそろ治療方法を考えるシリーズはお終いかなー
続く