頸部郭清術に続く二度目の手術、

 

ダビンチによるTORSを終え、

 

これで日常に戻れると思っていた矢先、

 

がん告知に続く衝撃の「断端陽性」告知により


追加治療が必要な事が判明しました。

 

 

 

追加治療はここまでの治療と比べると選択肢は多くはありません。


 

事実上、放射線治療の一択との事でした。

 

 

放射線治療を受けたくないが為に辛い二度の外科手術に耐えてきたのに。。。

 

 

 

 

 

二度の手術を執刀して下さった主治医は、

 

 

「リンパ節の郭清術は成功しており、

 

喉の原発も検査で見えるものは全て切除しているので、

 

体には目に見えないレベル(顕微鏡でしか見えない)の細胞しか存在していないと思います。


抗がん剤は使用せず

 

 

術後照射はIMRT単独で50~60Gyを念頭に、

 

CT、MRIを撮って決定すれば良いと思います。」

 

とのこと。

 

 

 

そして、「放射線治療科とはきっちり協力し、

 

副作用や後遺症が最大限少なくなるよう、

 

何度でも設計のやり直しを行い、

 

私が納得するまで詳細に仕上げます。」と、

 

なんとも心強くもありがたいお言葉まで頂きました。

 

 

 

 

このお言葉は妻と一緒に聞きました。

 

 

本当にありがたく、

 

 

主治医は心から私を治療してあげたい、

 

 

元気にしてあげたいと考えてくれていると感じました。

 

とは言え、ここで感情に流されて自分の治療方針を変えることはできません。

 

 

私は

 

低侵襲な治療により、可能な限り後遺症が少ない状態で治療を完了し、日常に帰る

 

を治療方針と決めているのです。

 

幸い主治医には初めて会ってTORSの話を聞かせて頂いた時からずっとその話はしてあるので、

 

私が陽子線治療のセカンドオピニオンへ行くことは織り込み済みで、

 

快くご対応頂きました。

 

 

 

そして、陽子線治療を徹底的に調べました。

 

①日本中で陽子線治療が可能な施設は19カ所、更にこの春から中部国際医療センターに最新鋭の陽子線治療施設が稼働。この中部国際医療センターは、陽子線治療の権威である不破信和医師が院長として赴任される。


②陽子線治療にも、スキャニング法、ブロードビーム法等があり、癌の種類により適した治療法がある。自分自身の中咽頭がんのはスキャニング法が有効。


③多くの施設の診療対象が頭頚部癌は「扁平上皮癌を除く」としており、全ての施設で中咽頭がんの扁平上皮癌を治療してもらえるわけではない。


④治療してもらえる場合でも、保険診療にはならず「先進医療」となる為、およそ300万円の治療費が必要。


⑤ほぼ全ての施設で、保険適応となる前立腺がんの治療がメインで、幾つかの施設は専用?と思うほど前立腺がんの患者が多い。次いで小児がん、頭頚部癌(扁平上皮癌を除く)のイメージ。


⑥術後照射には対応している施設と非対応施設がある(理由は後述します)


⑦治療は平日毎日、50Gyであっても60Gyであっても一カ月以上続くので通えるところか長期滞在が可能なところ。


⑧多くの施設が都心から離れており、宿泊施設を併設していたり、近隣ホテルと提携している。

 

 

 

術後照射への対応、非対応は、

 

手術を受けた病院の協力を得ることが

 

出来るか否かで決定されます。

 

 

 

 

理由は簡単です。術後照射が必要ということは、

 

事前に原発巣の摘出手術を受けているので、

 

患者の体にはCTやMRIに映る病変が存在していません。

 

 

つまり、陽子線施設で検査を実施しても、何も映りませんので、

 

何処に陽子線を照射したら良いか分からないのです。

 

 

術後照射を受ける人の多くは断端陽性なので、

 

原発巣からどちらの方向へ、

 

どの程度の深度で、

 

どの程度の距離まで照射すれば良いか、

 

原発巣の切除手術と病理検査を行った

 

病院しか分からないのです。

 

 

 

 

陽子線施設の医師に色々と聞かせてもらうと、

 

信じられない話ですが、

 

手術をした病院の協力を得られない事が普通にあるようです。

 

 

 

また、協力するとは言っていても、

 

 

「このデータでどうやって照射野を決めるの?」

 

 

というデータしか送ってこない病院もあるようです。

 

 

 

病院といえども営利目的の法人もありますので、

 

 

高額な施設の減価償却を考え、

 

 

患者を逃したくないのかも知れません。

 

 

 

 

 

私の手術をして下さった病院は

 

 

とても快くセカンドオピニオンを受け入れて下さり、

 

 

治療歴と照射野の設計データも完璧な物を送って頂いたようで、


陽子線施設の医師からは、

 

 

「完璧なデータと最高のご対応を頂けたので、完璧な設計ができました。〇〇先生によろしくお伝えください」

 

 

とのコメントもお預かりし、

 

 

患者としては本当に感謝しかございません。

 

 

 

 

 

こうして、無事にセカンドオピニオンを済ませ、

 

術後照射は陽子線で治療を受ける事が決まりました。

 

 

 

 

続く