童話改革 第一弾 「アリとキリギリス」 | A Headbanger's Fishing Life

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童話(昔話)というものがある。
にほん昔話から、グリム童話、イソップ物語等…
皆さんも小さい頃に絵本を読んでもらったのではないだろうか?
 
童話というものは、その中に「教訓」が含まれているものがほとんどである。
幼いころに、童話を通じて人生の教訓を教え込もうというのが狙いか?
 
しかーし、この童話というものの中には、子供に人生の教訓として聞かせるにはふさわしくないと思えるものが少なからずあると思う。
書かれた当時の時代背景と、現代の感覚が一致しないこともあるのだろう。
子供のころ慣れ親しんだ童話を読み返すと、ツッコミどころが多々ある。
 
そんな訳で、お馴染みの童話を書き直そうというのがこの企画。
すでに似た企画があるだろうが(星新一や小松左京など)、そこはご容赦いただきたい。
 
 
 
とりあえず第一弾は「アリとキリギリス」これでいこう。
ご存じだと思うがあらすじはこう
 
「アリさんとキリギリスさんがいました。アリさんは夏の間休まずせっせと働いて食料を蓄え、冬を越すことができました。
キリギリスさんは夏の間遊んでいたので、冬に食料がなくなり『アリさんのように働いておけばよかった』と思いながら死んでしまいました。」
最終的にキリギリスがアリに助けられるパターンもあるらしいが、原作ではキリギリスは死ぬのだそうだ。
 
遊んでないで、コツコツと働けば、将来が楽ですよーという教訓だろうか?
子供がこれを読んで「僕もアリさんみたいに頑張って働いて、楽な老後を送ろう」と思ったらどうだろう?
一大事である。
 
趣味も無く、ひたすら勉強・仕事に励み、気づけば四十…独身…
 
必死に働き続けた結果、老後を迎える前に…過労死…
 
彼の人生は、子供の頃に読んだ一編の童話によって見るも無残な一途をたどることになる…
 
アリさんのように、遊ぶこともせず必死に働いた結果がこうである。
別にアリさんの生き方を否定しているのではない。コツコツと真面目に働くことは大切であるのが大切なのは言うまでも無い。
 
一方、キリギリスさんのように生きたらどうなるだろう?
 
子供の頃から勉強もせず遊び呆ける日々…フリーターorニートとなり気が付けば三十手前…焦りを感じるが時すでに遅し…
 
さすがにこれはマズイ…土俵にすら立てずに人生を終えることになる。何の努力もせず遊んでばかりいたのだから当然の報いである。
 
アリさんのように生きても、キリギリスさんのように生きてもダメとなればどうすればいいのだろう?
 
結局この社会で上手くやっていけるのは「要領の良い」ヤツであろう。
僕も大学に入ってようやくこの事実に気付いてきた。
コツコツと勉強に励み、大学に入学するまでは良かった。ところが大学で上手く単位を取り、良いところに就職するのは総じて要領の良いヤツだったりする…
 
結局成功するのは、アリさんやキリギリスさんのような両極端では無く、適度に息抜きをしながらも上手く立ち回ることの出来る、要領の良い奴なのだろう。
 
さて、そうなるとアリさんとキリギリスさんの他に登場人物を追加しなくてはならない…
これは意外と難しいが…蜘蛛さんでも登場させとこう。
すると…
 
「アリさんとキリギリスさんがいました。アリさんは夏の間休まずせっせと働いて食料を蓄えました。一方キリギリスさんは遊んでばかりいました。
アリさんとキリギリスさんの家の近くに蜘蛛さんがやってきて巣を張らせて欲しいと言いました。蜘蛛さんは上手く立ち回ったので、アリさんにもキリギリスさんにも快く迎えられました。
冬になりました。アリさんは、夏の間働きすぎて身体を壊して、『キリギリスさんのように夏の間少しは遊んでおけば良かった』という後悔の念とともに死んでいきました。キリギリスさんは、食料が無くなり『アリさんのように働いておけばよかった』と思いながら死んでしまいました。
蜘蛛さんは、アリさんの蓄えた食料と、キリギリスさんの死骸を食べながら冬を越しました。春になると蜘蛛さんは新しい巣の場所を求め旅立って行きました…」
 
こんなところだろうか?
あまりにアリさんが浮かばれないが…これが現実なのだろうか…
アリさんのような人が、報われる世の中になってほしいものだ。
 
 
とりあえず第一弾は以上だが、またしてもネガティブ感満載の記事になった…
まあこれは書く分には面白いので、第二弾もやるだろう。