先月の始め、先天性耳前ろう孔という病気の手術で入院した私とチビ。四人部屋だったんですが、うち以外の二人は心臓の結構大変な手術とか検査だったんです。


隣のベッドに小学校1年生のほのかちゃんと言う女の子がいました。
地方から有名な私たちが入院していた病院に来て、1ヶ月ぐらい経っていた様でした。


うちのチビはアレルギーです。卵は例え乾燥粉末でさえ一切与えられません。乳製品は牛乳入りのパンを一口まで。なので入院中の食事も、アレルギー除去食です。


同じ部屋の人は偶然にも同じ日に退院が決まっていました。


退院を次の日に控えたおやつの時間。みんなはパンケーキ。うちはりんご。


そしたらほのかちゃんが『どうしてアオ君はりんごなの?』と聞いたので、『アオ君は卵入ってるもの食べられないんだよ。具合悪くなっちゃうの。だから看護婦さんに頼んでりんごにしてもらったんだ。』と答えました。
ほのかちゃんは『ふぅ~ん、そうなんだ。』とあっさり聞き流して、お母さんと売店に行きました。小学生には理解出来ないだろうな。と思って私も気にしませんでした。


しばらくすると、『買ってもらっちゃった~♪』とほのかちゃんの顔より大きいプラスチックのキティちゃんを抱っこして帰って来ました。


やっぱり小学校1年生だなあ~。と微笑ましく眺めていると、パカッとキティちゃんの帽子を取って中身を取り出しました。



そう、キティちゃんはお菓子の入れ物。


中身はゼリー。ほのかちゃんはゼリーを5つぐらい両手いっぱいに、チビのところに持って来て、『これならアオ君も食べれるでしょ!』と言いました。


『良かったね~、ほのかちゃんにどうもした?』ってチビには笑っていましたが、実は泣きそうでした。

ちゃんと聞いていてくれて、ちゃんと考えてくれて、他のものが欲しかったかも知れないのにそれを選んでチビにくれたんです。

小学校1年生と言いましたが、ずっとずっと大人っぽかったな~。

胸には体が真っ二つになりそうなぐらい大きな傷があって、首から心電図の機械まで下げて生活しているのに『お父さんとお母さんほのかと一緒だから、兄ちゃんとお姉ちゃん可哀想なんだ…』と言ってました。

ほのかちゃんのお母さんが最初の1週間はICUにいたって言ってました。


そんな大きな手術したのに、人の事をちゃんと考えてあげられる素敵な女の子でした。


退院する時は、早く帰りたいのか、照れ臭いのか、『バイーバイ!』とサラッと行ってしまったほのかちゃん。


激しい運動は制限されるって聞いたけど、どうか元気で幸せになって欲しいな~と願っています。


本当に本当に、ありがとう。






はぁ~。ずっと書きたかったんです。

スッキリした!