皇室典範改正案が衆院を通過した(朝日新聞2026-7-11)。皇族の女性が結婚後も皇族にとどまれることと、旧宮家から養子を迎えることを認めることで皇族数を確保するねらいだが、女性は住民登録で一般人と同じ扱いをする一方、養子に男子ができれば皇位継承資格を有することを明記した。となれば、今後何の措置も行われなければ、皇室典範の「皇位は、皇統に属する男系の男子が、これを継承する」との規定によりその子が皇位を継承することになるのではないか。「将来の検討を先取りしたり、縛るような趣旨のものではない」というが、いくら議論が縛られなくても、結論が出なければ自動的に男系男子論者の言う通りになるということではないか。
意見の分かれる皇位継承はわきにおいて皇族数確保を図るという前提で話し合いを始めておいていきなり事実上の「男系男子」縛りを入れた政府のやり方は姑息であり、「立法府の総意」でも「国民の総意」でもない。だが自民が数の力で問題法案をごり押しすることはめずらしいことではなく、最初から政府案が強行されたと思えば異例なことではない(先日も同趣旨のことを書いた)。
だが野党第一党の中道改革連合が賛成に転じたというのが理解に苦しむ。中道は養子の子の皇位継承資格は「将来の検討事項」とすることを求めていて、これまでの各党の話し合いの流れからすれば当然だと思うのだが、自民は受け入れず、中道は運営委員会での政府の答弁を見極めて賛否を決めることにしていた。官房長官は「養子の子孫については、(立法府の)取りまとめに記述がないことから、現行の皇室典範に基づいて判断する。立法府における将来の検討を先取りしたり、縛ったりする趣旨のものではない」と答弁した。中道の代表はこれで「一定の担保が取れた」として苦渋だが賛成ということになった。
だが朝日社説2026-7-11に言われるまでもなく、官房長官の答弁は政府の従前の主張と何ら変わりない。いわばゼロ回答だ。これで何が担保されたのか全くわからない。中道の一部の議員は退席した。参議院でも、立憲民主党は反対する方針を決めているという。立憲民主党と公明党が選挙のために急遽作った中道は、もともと意見が大きく異なる人々の寄り合い所帯との印象が強く(その中道にたしかに当初期待したのだが)、基本的な政策について党の方針がはっきりしないことは多々あったのだが、今回のていたらくを見ていると、中道はやはり政党の名に値しないと思えてならない。(もっとも、昔の自民党も、右派からリベラルまでいろいろな意見の人を抱えており、それが疑似政権交代を可能にして、自民党の強さになっていたとも言われる。中道もそういう路線を目指すというのであればそれは否定しないが、現状はとてもそうなってはいない。)
ちなみに、私は養子というのは悠仁さまの養子になるものだとばかり思っていたのだが、朝日新聞2026-7-11社会面によると、それは制度上は可能だが、想定されていないという。ではどうするかというと、常陸宮家、三笠宮家、三笠宮寛仁親王妃家、高円宮家の4宮家が養親の候補とされているという。だがこのうち3家は当主が女性だ(寬仁親王妃の信子さまは男系男子による継承を主張する麻生元首相の実妹)。男系男子論者は、系図上女系になることは気にしないのだろうかと思ったら、記事には「子孫を含めた皇族の地位は、実方(養子の実家)の系統」とある。つまり、養子として皇位継承権をもっても、15世紀に分かれた男系男子の系統ということになるらしい。
それにしても、自民や維新が姑息な手段で男系男子にこだわるのを見ていると、もともと皇位継承にはそれほど関心がなかった私でも、ますます女性・女系を認めたい気持ちに傾いてくる。(私の主な理由は、男女平等というよりは、確率的な持続可能性と、男子を生まなければならないという当事者の重圧の回避という人道的観点だが。)
意見の分かれる皇位継承はわきにおいて皇族数確保を図るという前提で話し合いを始めておいていきなり事実上の「男系男子」縛りを入れた政府のやり方は姑息であり、「立法府の総意」でも「国民の総意」でもない。だが自民が数の力で問題法案をごり押しすることはめずらしいことではなく、最初から政府案が強行されたと思えば異例なことではない(先日も同趣旨のことを書いた)。
だが野党第一党の中道改革連合が賛成に転じたというのが理解に苦しむ。中道は養子の子の皇位継承資格は「将来の検討事項」とすることを求めていて、これまでの各党の話し合いの流れからすれば当然だと思うのだが、自民は受け入れず、中道は運営委員会での政府の答弁を見極めて賛否を決めることにしていた。官房長官は「養子の子孫については、(立法府の)取りまとめに記述がないことから、現行の皇室典範に基づいて判断する。立法府における将来の検討を先取りしたり、縛ったりする趣旨のものではない」と答弁した。中道の代表はこれで「一定の担保が取れた」として苦渋だが賛成ということになった。
だが朝日社説2026-7-11に言われるまでもなく、官房長官の答弁は政府の従前の主張と何ら変わりない。いわばゼロ回答だ。これで何が担保されたのか全くわからない。中道の一部の議員は退席した。参議院でも、立憲民主党は反対する方針を決めているという。立憲民主党と公明党が選挙のために急遽作った中道は、もともと意見が大きく異なる人々の寄り合い所帯との印象が強く(その中道にたしかに当初期待したのだが)、基本的な政策について党の方針がはっきりしないことは多々あったのだが、今回のていたらくを見ていると、中道はやはり政党の名に値しないと思えてならない。(もっとも、昔の自民党も、右派からリベラルまでいろいろな意見の人を抱えており、それが疑似政権交代を可能にして、自民党の強さになっていたとも言われる。中道もそういう路線を目指すというのであればそれは否定しないが、現状はとてもそうなってはいない。)
ちなみに、私は養子というのは悠仁さまの養子になるものだとばかり思っていたのだが、朝日新聞2026-7-11社会面によると、それは制度上は可能だが、想定されていないという。ではどうするかというと、常陸宮家、三笠宮家、三笠宮寛仁親王妃家、高円宮家の4宮家が養親の候補とされているという。だがこのうち3家は当主が女性だ(寬仁親王妃の信子さまは男系男子による継承を主張する麻生元首相の実妹)。男系男子論者は、系図上女系になることは気にしないのだろうかと思ったら、記事には「子孫を含めた皇族の地位は、実方(養子の実家)の系統」とある。つまり、養子として皇位継承権をもっても、15世紀に分かれた男系男子の系統ということになるらしい。
それにしても、自民や維新が姑息な手段で男系男子にこだわるのを見ていると、もともと皇位継承にはそれほど関心がなかった私でも、ますます女性・女系を認めたい気持ちに傾いてくる。(私の主な理由は、男女平等というよりは、確率的な持続可能性と、男子を生まなければならないという当事者の重圧の回避という人道的観点だが。)