お知らせ(12月1日)

 

1冬来たりなば、春遠からじ。
イギリスの詩人シェリーの有名な詩の一節ですが、じっとこのまま我慢すれば、必ずまた盛り返すと信じて耐え忍んでも、過去へのこだわりが強く、これまでの反省もなく、無計画で将来への見通しも甘くあいまいなままであれば、取り残されて、次第に淘汰されてゆくだけです。心機一転、再起を期すために、皆様方のご理解とご支援をいただくためには、現状を分析し、将来へのはっきりとした見通しときっぱりとした決断を示すことが必要であると思います。これまでと何が違うのか?どこが変わったのか?塾運営は、常に背水の陣です。受験生と同じと思います。真剣に向かい合ってこそ相乗効果が生まれ、危機感と緊張感があればこそ、活路が開け伸びてゆけるはずです。オンラインでも対面に負けない、受講して「わかったぁ」が実感でき、さらに意欲的になる授業を心がけ工夫したいと考えております。

2自習室の有無が重要か
まず、今年になって、1月2月はオンラインで堅調に推移しましたが、3月から対面でも可能としたところ、年度の変わり目 という理由もありますが、例年より多くの退塾がありました。そこで宣伝を強化してラインも利用できるようにしたところ、昨年を上回るお問い合わせをいただき、一端は盛り返しましたが、8月末に、まとまった退塾がありました。この夏の時点では、全員がオンライン授業でした。やはりオンラインが続くと外に出て対面で受講したくなるのかと思い、約2年間在籍してくれた生徒に「退塾理由をできる範囲でいいから教えてほしい」と頼んだところ、「個人指導だと他と比較ができない。刺激を求めて他塾の集団授業で夏期講習を受講した。授業の前後に自習室が活用できた。さらに、夕食で一端帰宅して、また自習室に戻ることもあった。青木先生に薦められた長文と文法語法の問題集は、全部やりきった。青木先生に勉強のやり方を教えてもらえたのがよかった。充実した夏を過ごせた。秋以降は、集団授業を継続して自習室でこのままの勢いでがんばりたい」と答えてくれました。私も2年間在籍して、力がつけば集団に変わりたいというのも無理はない。と思い、「では、うちの塾でも自習室を設けた方がいいのかな」と問いかけたところ「その方が絶対によい。授業の前後の時間が生かせる」と答えてくれました。私は早速、今いる生徒たちに同じ質問をしたところ、全員賛成でした。しかし経費のことに触れると、今のままでよいということに なりました。

生徒たちの意見をまとめてみますと、
▫授業前にドアの前でじっと待っているのが負担に感じる。
▫授業後に、せっかく勉強モードになっているのに、家に帰ると覚めてしまう。自習室があれば、授業後にその勢いで勉強してやりきって帰ることができる。
▫授業のない日も自習室が使えるのなら、1日の勉強計画が立てやすい。おそらく家でやる何倍もはかどる気がする。帰宅後もしばらく勉強して、クールダウンして終わることができる。
▫しかし自習室に自分以外に1人とか2人だと不安で集中できない気がする。数学は、他塾で受講しているが、自習室が広く、大勢の生徒が勉強している。活気があってみんな真剣なので、自分も集中できる。
▫対面なら自習室はあった方がいいが、経費がかかり授業料に上乗せされるなら、自習室は必要ない。今のままでよいという意見でした。

3対面かオンラインか
7月の夏休み前に公立中2年男子の体験授業を行いました。三者面談の際にお母様から「サッカーをやりに学校に通っているようなもので、勉強には意欲的でない。それが今回の期末テストで結果に出た。3年になってからでは遅い。うちの子はきびしくしないとやらない。対面で鍛えて、サッカーのように本気で勉強する子になってほしい」というお考えでした。ところが、私が今のところほぼオンライン授業状態になっていると申し上げたところ、お母様は「オンラインは、うちの子には向いてない。直接対面で読ませたり、添削して解説したり、宿題を出してチェックしたり学習管理してほしい」というお考えでした。そして後日お母様から連絡をいただき、「家の近所に、対面だけで指導してくださる塾を見つけた。やはり高田馬場に週2回通うのはきつい。しかし青木先生から、今から本気でやれば十分に間に合う。と励ましていただき、本人もようやくエンジンがかかり始めたようだ。時期をみて、また検討させてほしいというお話でした。オンライン導入前の授業は、まさにお母様のおっしゃる通りの集中特訓で、添削したページやプリントにハンコを押して、目標到達度チェック表にハンコを押して、これまでを振り返りこれからの目標を設定して、今の自分に何が必要かを絶えず問いかける授業スタイルでした。1992年開塾以来、幾多の大逆転劇を目の当たりにしてまいりました。当塾は英語集中特訓道場で生徒を伸ばしてきたという実績と自負があります。しかし今お預かりしている生徒は、毎回オンライン授業です。たまに対面授業にすると、「オンラインの90分は長く感じることがあるが、対面だと緊張するし集中して気にならない」と言います。しかし翌週には、「やっぱりオンラインでお願いします」となります。対面でもオンラインでも受講可能とした私の方針が、対面できびしく指導してほしいと希望され、体験授業に来られた皆様方に、礼を失する応対になりました。誠に申し訳ございませんでした。
今春からこれまでの体験授業の結果と現状をふまえて、また将来的な需要を考えて、当塾の場合は、どちらかに選択すべき時期に来たと判断しました。その結果として、当塾の生徒は、通塾の負担等も考え、自習室もなく、1対1ならオンラインでよいという考えです。私も、「少し先生とキョリを置いた方が授業が受けやすい」という生徒の意見を取り入れ、対話形式のオンライン授業を選ばせていただくことにしました。

4シンプルイズベスト
2年前に、ネットの経済ニュースの記事でコロナ禍後に生き残れる企業とは?またその条件とは?と銘打った特集記事がたくさんありました。要らないものを削ぎ落とした、無理や無駄の無い、効率的、合理的等の言葉がキーワードのように使われていましたが、私は「何を売りにしているか、一言で言える企業」という文言が要を得た表現だと思いました。専門性を売りにして棲み分けができます。
買い手側にとっては、シンプルであればあるほど、イメージが描きやすくなり、本当に必要なものかどうかの判断がつきやすくなります。私は開塾当初からこの点 にこだわり、他塾様との差別化を図るため、英語だけ1対1、その時間には他の生徒はいない、つきっきりの完全個人指導で「生徒の今」にこだわり、今すべきことを今やるという方針を貫いてまいりました。
しかもオンライン導入後は、生徒が自宅でオンラインがよいと言うなら、高田馬場駅前にこだわる必要はない。家賃の要らない自宅に帰ろうと決心しました。私にとっては、まさに

究極の選択です。
またオンラインはズームの無料版を使っておりますが、40分で切断されるため、生徒に有料版にするか問うてみたところ、全員が「またすぐにつながるから、今のままでよい」という意見でした。40分は今年7月からの措置であり、今しばらくこのままで様子を見ようと思います。

5講義か対話か、
オンラインだけの英語塾にするなら、私がこだわったのは、オンラインでしかできない授業をやること。授業内容においてもスリム化し効率的な授業展開を目指すことです。生徒にとって一番大切なものは今です。そのことを指導者側がどこまで真剣に考えているかです。授業をスリム化させれば、今必要なものが見えてきます。生徒を精神的にも疲れさせないことが重要です。予め板書する基本例文をプリントにして、書画カメラで読み合わせを行い、ホワイトボードで説明を加えれば、生徒はノートをとる時間が省けますので、余裕が出てきて、どんどんしゃべるようになります。生徒はしゃべりながら、頭の中で整理できます。文法は、先生の説明を聞くだけではなく、使ってみると身に付きます。そのため、ポイントを変えずに単語を入れ換えて、なるべく多くの英文を口頭で答えてもらいます。対話形式では、最初から絡んできたほうが集中します。ひらめいたらすぐ口にする。会話をしながら文法を学んでゆく、どんな単語をどのように並べるか、経験から学ぶ英文法です。この機動力を駆使した口頭英作文はひらめき力を鍛えます。英語がそのまま口から出てきます。なぜ英文法を学ぶのか、コミュニケーションを円滑にするためです。生徒は、オンラインでも「待ってください」と言いながら楽しんで答えているのがわかります。実際使ってみることの積み重ねが、文法力もスピーキングの力も伸ばしてゆきます。

6徹底的な音読演習
まずは教科書です。1対1ですし、他に生徒はいませんので、声に出してしっかりと読んでいただきます。さらに、あるレベルの長文をレベルを下げないでたくさん読むことで、慣れますし、初見の長文を見ても引かなくなります。発音しながら読むことが大切です。自信がつくと余裕を持って読んでゆきます。当塾にお越しになる方の中でも、以前は英語が得意だったのに急に点数が取れなくなって、勉強が進まなくなって、相談に来られるというケースが多いです。決めつけるつもりはありませんが、私からみると、能力の限界というよりは、音読しない、単なるさぼりです。中高生のある時、これまでと違って、急に難しくなったようで単語も文法も覚えられなくなったという経験は、少なからず誰にでもあると思います。その時に、ほったらかしにしておくと、途端に英語が不得意科目になり、本人も自信を失って余計に英語から遠ざかってしまいます。
私は、幾多の大逆転劇を目の当たりにしてまいりました。と申し上げましたが、生徒たちは音読をしながら次第に自信を取り戻して大逆転劇を成し遂げてゆきました。単語も文法も難しくはない長文問題でも内容がつかめないのは、普段音読をしないことが原因です。また、最初は勢い良く読み初めても、途中で息切れして疲れてしまって、内容がつかめなくなるのも同じ理由です。中学生は今回の教科書改定で内容量が増えました。高校生もセンター試験に比べて、共通テストで内容量が増えました。速く正確に読む練習を積み重ねてゆかないと、制限時間内に解き終わることはできません。まさに訳さないで英語のまま内容を取る特訓が必要不可欠です。
そこで、当塾では、シャドーイングを行います。ネイティブの先生の声に合わせて読んでいけば、英語のリズムとポーズの取り方が自然と身に付きます。私は生徒に丸ごと真似て、丸暗記するつもりで読むように薦めています。CDを聴きながら英文を読む習慣が付いてくると、一定の間でスラッシュを入れながら、意味のまとまりや文の終わりに休みを入れながら読んでゆきますので疲れません。間を取ることが集中力を最後まで持続させる秘訣です。この疲れない読み方の上手くなった生徒から長文読解力が伸びてゆく感じです。おそらく余裕が生まれるのだと思います。この余裕が予測力を養成します。英文は、相手の興味が続くように流れてゆくように書かれています。そのため、先を予測しながら読むクセをつけると、今何を説明しようとしているかに焦点を合わせやすくなります。私は、生徒をこの受験のレールに乗せることを目的に指導していますが、英文から逃げないで音読を積み重ねてゆけば、論理の流れ、展開に自然についてゆけるようになり、柔軟な思考力を産み出します。この思考力が設問で迷わず正解を見抜く得点力に直結します。
じわりじわりと伸びてきた生徒が自分の勉強法を確立させて一気に伸びてゆきますが、それはシャドーイングによる英語のリズムをつかむ特訓が土台になっており、その力はリスニングテストにおいても遺憾なく発揮されます。

7 最後に、では何のために塾で英語を勉強するのか?と問われたら、私は生徒と共にいろいろな英文を読み、今の世界を知り、感じ取るためと答えます。今を感じ取れれば、次に何をすべきかひらめくはずです。私の場合は、今回は固定費削減という結論を出しました。今後は次ページの特色欄にお問い合わせいただいた内容を含めQ&A形式で続けてゆきたいと思います。よろしければ、特色欄をご覧願います。