Q27 都立高校に通う新高2女子です。高1の間は、スマホばかりいじって試験期間以外に家で勉強する姿を見たことがありません。中3の去年に比べ勉強量は激減しました。このままで大学受験に間に合わないのではないかと親として心配です。娘にそのあたりのことを話すと「今、どこにするか考え中」と話をさえぎります。去年の今頃は週4日進学塾に通い、高校受験を控えて張りというか芯のようなものが勉強にも生活にもあった気がします。またあの頃のような生活を送ってほしいと思います。大学受験に手遅れにならないうちにそちらでうちの娘を基礎から鍛え直していただき、受験に向けて厳しくご指導をお願いしたいと思います。いかがでしょう

 A お引き受けします。重要なことはもう高2年です。高3夏までに英検2級を取得するという実現可能で具体的な目標を掲げることで、毎日の勉強にも張りが出て意欲的に取り組むと思います。お母様のお考えを踏まえて、私が最良の策と考えます案は、高3の夏までとあらかじめ当塾への通塾期間を決めてはいかがですか。そして仕上げは、進学塾か予備校の、できれば選抜クラスでライバルにもまれあってはいかがですか。また去年のような緊張感のある受験生になるはずです。ちなみに当塾の大学受験生は、7月まで通塾し、単語とイディオムと文法を徹底的に仕込んで、夏期講習以降は、進学塾か予備校で最後の仕上げを行うという生徒が多いです。中にはそうしながら、入試直前まで通ってくれる生徒もいます。当塾では秋以降は、共通テスト8割を目指し長文読解中心の授業になります。また文法演習とリスニングは市販と塾用教材を使って宿題として出してゆきます。

 次にお母様のおっしゃる緊張感のある受験生になるためには、まず自分の実力を知り、お互いの力を認め合うライバルが必要だと思います。受験生のライバルはお互いを支え合う働きがあります。自分ができることを認めてほしいという欲求と、それが認められたら、そのうれしさからやる気になります。ライバルが自分をやる気にさせ、奮い立たせてくれます。

 私の指導経験から申し上げますと、私が進学塾で中3のクラスを担当していたある夏に、夏期講習の総括テストがあり。私のクラスの1人の男の子が英語の得点で特進クラスにも匹敵する高得点を取りました。私は9月の授業始めにその事をみんなに報告したところ「ウォー」と言ったり拍手をする生徒がいる中で、1人の女の子が、うんうんと何度もうなずいていました。その男の子と女の子は中学校も別々で女の子もおとなしい感じでしたので、おそらく会話すらしたこともないはずです。

 ところがその女の子の成績が、その後秋以降着実に伸びてゆきました。他の先生の薦めもあって、私は過去問演習も始まるので上のクラスに上がるように提言したところ、頑として拒否されました。お母様にも提言したところ、「娘がそういうなら娘の希望通りでお願いします」と言われました。

 そして合格したのが、高校名は控えますがチャレンジ校ともいえる大学附属高校でした。私が、がんばれた理由を教えてほしいと頼むと「塾のない日もクラスのみんなの顔が浮かんできた。みんなが、がんばってるから、私もがんばれた。自分にもやれるという自信をみんなが私に与えてくれた」と答えてくれました。私はこれこそ集団授業のクラスの雰囲気の力だと思いました。自分を本気にさせてくれるのは、やはりまわりのみんなの懸命に努力する姿です。

 今振り返ってみますと、私は、彼女の話から、自分の勉強法を確立させたことが合格に直結したように思います。まわりを見て、やらなければならないことで、まだやってないことはないか。必要だと思ったことをすぐやるという自分を律する実行力があれば、次に何をやるべきか、ピン!とひらめいてくるはずです。それが実力となり結果を出し、押さえがたい新たなチャレンジの欲求を生み出します。どうしてもその高校に合格したいという欲求が、過去問を見てそのために何をやればよいかを指示してくれますし合格までの距離を縮めてくれます。おそらく自分を信じて独学で対策をしたのだと思います。またそうしたからこそ合格したのかもしれません。

  話を元に戻しますが、娘さんも大学受験準備に対しての危機感はお持ちだと思います。1月の共通テストを見て、どんな勉強をしたら8割くらい取れるのだろうと思われたかもしれません。今のままでは取り残される。しかし何から始めてよいかわからないのであれば、自分の現時点での実力を知ることから始めてはいかがですか。それがきっかけとなり、そこからみんなと比べて何をやればよいかがわかります。できる生徒はおそらく仕込みと演習を繰り返してどんどん先に進めています。

しかし、いきなりできる生徒たちの勉強のまねをしても、力がつくとは限りません。むしろ無理をすることで、全て抜け落ちてしまいます。これは私の勝手な考えですが、自分の頭に残る型で勉強しないと、また抜け落ちます。ではどのようにすれば、頭に残るのでしょうか。それは自分の頭と相談して仕込む方法です。暗記例文をいつでも引き出せるように手近に置いて何度も音読することです。そして書けるようになったかどうかテストしてみるといいです。そうすればいつのまにか覚えてしまいます。頭はいつも手元にあって使っているものを優先させます。

よく英文法は、理屈が先か暗記が先かという議論がありますが、私は暗記優先と生徒に言ってます。暗記しながら慣れると、理屈は自然と納得すると言っています。例を挙げて申しますと、秋に入塾した高1の男子で「中間が悪すぎた。期末が悪いと留年かも」と言うので、早速期末の範囲の中心となる関係詞の対策から始めました。私は家でも勉強しないと伸びないと思い、来週の授業までに何をやるかを重点的に指導しました。具体的には教科書ノート作りです。月並みな方法ですが、左ページに赤ペンで英文を書いて、右ページにその日本語訳を書いて、左ページを赤シートをあてて口頭で英作文を繰り返すというです。授業では、英作文テストを行い、私が添削しました。

 英文は教科書内容と塾用テキスト、それに市販の参考書からよく出題される例文を抜き出しました。授業は、板書の講義ではなく、教科書と塾テキストの解説を読み合わせをして、間違いやすいポイントは、板書で説明しました。例えば、 This is the place (     ) I want to visit.という問題で、カッコに 関係副詞 where を選ぶ生徒が多いです。正解は関係代名詞目的格の which です。この問題は、本当によく出題されます。This is the place (     )I was born.の場合には、in which か whereになります。私は生徒に考えさせながら答えさせました。類題でしばらく演習すると、This is the place (     ) has a beautiful garden. で、すぐに which が答えられました。できる生徒は、ポイントをつかむのが速いですし、それがわかっているか確認するように問題を解いてゆきます。その解き方がだんだんと身に付いてゆきました。その生徒は期末テストで十分な得点を取り挽回できました。その答案を見ますと、よく書けているところには、赤ペンで波線が引かれて good と書かれています。やはり結果を出して学校の先生から認められることは、本人に大きな自信とやる気を与えるように思えます。今、本人はますますやる気になっています。
読み合わせのあと、演習+その場で即添削は、1対1の個人指導でしかできません。添削中心の授業は、本当にわかるまで書かせますので、文法力だけでなく、英文構成力も養成できます。これが英検や模試の英作文でも抜群の威力を発揮します。

また、今年度から高校英語の学習指導要領が大幅に変更になります。中でも注目すべき点は、やはり単語数です。これまでは、高校卒業までに3000語でしたが、今年度からは、小学で700語、中学で1800語、高校で2500語、合計で5000語になります。
しかしその全てが書けなければならない単語ではなく、意味さえ知っておけばよい単語も含まれています。受容語彙と発信語彙(詳しくは文科省HPをご覧願います)
当塾では、従来の単語テストをやめ単語熟語の読み合わせを行います。同時に、わからない単語が出てきても、すぐに意味を調べずに、前後の流れから意味を推測する練習をします。

例えば前回英検3級を取得して、いきなり準2級の長文を解いてみて、難しくて解けないと感じるならば、私はまずわからない単語に線を引いて、文の中で主語、動詞、補語といったどの位置にあるかを確認し、周りの単語からその意味を考えさせます。この考え方は、筆記1の周りの単語から(  )にどんな単語を入れたらよいか選ばせる20問の解き方と同じです。そして数を解きこなすと、慣れと感が働きますので、大体の内容が把握できるようになります。そして絶対に覚えておかなければならない準2級用の単語熟語集を毎回200語づつ読み合わせを行いますので準2級のレベルをつかみ対策もたてやすくなり、自信が付いたところで受験すれば、合格できます。また英検2級も準2級と形式が似ていますので同じような指導を行い、3年の夏までに2級取得を目指します。

さらに大学受験対策として、速読トレーニングを行います。200語くらいの英文を基礎から段階的に読み進めてゆきます。中堅レベルになると、わからない単語が必ずいくつか出てきます。その場合も意味のまとまり毎にスラッシュを入れながら、最後まで読みきって全体の流れを考えてみます。テストには時間制限がありますので、問題文に時間を取られないように、流れで理解する練習をします。リスニングと同じように、止めずに流すです。流れを大切にすることがわかれば、読みやすくなりますし聞き取りやすくなります。さらに単語数を増やすだけでなく単語の語順を把握することが重要であることが認識できます。語順を意識して読むことで、その単語の文での働きがわかります。最後に受験用単語熟語集の読み合わせを行い、模試において、よく言われる偏差値58の壁を突破し60越えを目指します。また、今年度から高校英語の学習指導要領が大幅に変更になります。中でも注目すべき点は、やはり単語数です。これまでは、高校卒業までに3000語でしたが、今年度からは、小学で700語、中学で1800語、高校で2500語、合計で5000語になります。
しかしその全てが書けなければならない単語ではなく、意味さえ知っておけばよい単語も含まれています。受容語彙と発信語彙(詳しくは文科省HPをご覧願います)
当塾では、従来の単語テストをやめ単語熟語の読み合わせを行います。同時に、わからない単語が出てきても、すぐに意味を調べずに、前後の流れから意味を推測する練習をします。

例えば前回英検3級を取得して、いきなり準2級の長文を解いてみて、難しくて解けないと感じるならば、私はまずわからない単語に線を引いて、文の中で主語、動詞、補語といったどの位置にあるかを確認し、周りの単語からその意味を考えさせます。この考え方は、筆記1の周りの単語から(  )にどんな単語を入れたらよいか選ばせる20問の解き方と同じです。そして数を解きこなすと、慣れと感が働きますので、大体の内容が把握できるようになります。そして絶対に覚えておかなければならない準2級用の単語熟語集を毎回200語づつ読み合わせを行いますので準2級のレベルをつかみ対策もたてやすくなり、自信が付いたところで受験すれば、合格できます。また英検2級も準2級と形式が似ていますので同じような指導を行い、3年の夏までに2級取得を目指します。

まとめとして、口幅ったいようで恐縮ですが、中高生英語の新指導要領を読んで私が思いますことは、ついに英語の自由競争が始まったのではないかということです。これまでは、各学年ともあまり先に進まないようにいわば押さえられていましたが、その学年枠が外された感じがします。まるで伸ばせる者から伸びていって欲しいという感じがします。
例えば中1の改定版教科書に新しく不定詞の名詞的用法が出てきます。私は「ついでに2年で習う副詞的用法も形容詞的用法も勉強しますか」と尋ねると、生徒は「以前他塾の講習会で、もう習った。3用法の区別を復習したい」と答えました。できる生徒ほど、勉強しないとできるグループから取り残されてしまうという危機感を持っていることは確かです。またその危機感があればこそ、本人の支えとなり、日々の努力を重ねてゆくものと思います。
しかし、その一方で、いたずらに不安を煽るつもりはありませんが、これからは言われなくても進んで勉強する生徒と、「まだ、受験勉強は早すぎる」と、ただ学校の授業だけを勉強する生徒との間にますます差が開くように思います。その差は学年が上がるにつれて広がってゆくはずです。
では、もう手遅れか。挽回のチャンスはないのかと問われれば、私は、十分にあるとお答えしたいと思います。ただし習うのを待ってないで、自ら調べて進めてゆく姿勢が必要です。以前はゲームばかりやってたのに、当塾でお預かりし自分からやり始めた高1生の例を申しますと、始めは、ただ受験のために勉強する様子でしたが、自分の勉強法が確立され、実力が付き結果を出し自信が付くと、もっと伸ばしたい、周りのみんなに負けたくないという気持ちになるようで、そこから本当の受験生になります。最近の入試傾向をふまえて、よく言われることは、もう暗記だけでは通用しないということです。暗記は得意でも論理の展開を把握したり、図や表を見ながら考えて解く問題が苦手な生徒には、試験時間内に問題を解く速さと正確さが要求されます。私は、過去問や予想問題で得点力を伸ばす実戦演習を行います。受験のために必要な集中力を継続させ、思考力を養う読解演習を積み重ねてゆけば、できる生徒に追い付き追い越すことが可能です。

 最後に、繰り返しになりますが、今年から高校生の指導要領が大幅に改定されます。特に、英会話に代わり論理表現が新たに設けられ、授業内でプレゼンテーション、ディスカッション、ディベートなどの発信力を高めることを目的とした授業が行われます。これが受験英語に直結するかどうかは、わかりませんが、一つ例を挙げて申しますと、中学生は、昨年度から新指導要領になり、当塾の中1生が「最近、英語がおもしろくなってきた」と言うので、その理由を求めると「学校の先生が、いきなり先週の日曜日何をしたか。みんなに尋ねた。自分も答えられたし、みんなの発表を聞くのも楽しかった。中でも、ある女子が
I went shopping in Takadanobaba.と答えた。するとある男子が、in ではなく toではないかと質問した。先生は、高田馬場で買い物をしたわけだから in でよいと言われた。みんな、なるほどと納得した。英語って、みんなで使ってみると本当に楽しい。ますます興味がわいてきた」と答えてくれました。習った表現をすぐに使ってみる。これで英語がより身近なものになって表現力が付いてゆくはずです。しかし高校生の場合は、高校によってかなりレベルの異なるものになるように思います。またそれに伴い発表などの下準備や予習でかなりの時間が取られそうに思います。今でさえ、学校の予習や確認テストで忙しい日々を送っていると思いますが、どの教科も内容が増えますので、さらに忙しくなるのは明らかです。このような状況で受験勉強を進めてゆくならば、時間をかけず効率的な勉強法が不可欠ではないかと考えております。そのためには計画性と実行力で勝負です。また適時進度チェックを行い受験までの限られた時間を最大限に有効活用できるように指導してまいります。

 また、共通テストの詳しい内容や対策法、勉強法については他塾様、予備校様、出版業者様のHPをご覧願えればと思いますが、以前のセンター試験に比べ時間は80分で設問数も約50問で同じでも、語数が大幅に増えました。リスニングもまた30分で約30問も同じですが、語数が増えました。そのため速く正確に解く力が必要です。ところが、ある高1の生徒は「姉から一般受験の合格枠が少なくなっていると聞いた。共通テストは受けず総合型選抜(旧AO)を考えたい」と言いますし、また別の高1の生徒は「共通テストでは点数が取れそうにないので学校推薦型選抜にしようかと思う」と言います。私は、推薦はあてにならない。高3の夏までは一般選抜だけ考えましょうと言ってます。日々の勉強を大切にして、過去問や同レベルの予想問題を解くことを積み重ねてゆけば、知識が増え解き方も身に付いてくるので必ず速く解けるようになると励ましています。昔からよく継続こそ力なりと申しますが、その言葉を言葉通りに実行した者が勝利をつかむという気がいたします。どこに受かるかも大切ですが、受験勉強をやりきったという達成感こそは、自分を大きく成長させ自信を与えてくれるはずです。また本人とともに努力したライバルを含めた友人達がいて、味わえるもののように思います。受験は、一人でこもると失敗の元です。それよりは、自分を敢えてさらけ出すことで、自分の相対的な実力がわかり、到達可能な努力目標が定まり、他の生徒と比べて弱点補強すべき点がわかります。これは、発信力を高めるための努力と共通した面があるように思います