おはようございます。
青木歯科オフィス院長の青木です。
術前
矢印部分は穴はあいていませんが、カリエス部です。中がうっすら黒く見えると思います。




術後




この患者様はカリエスリスクがとても高く、カリエス部を含め治療カ所は
10カ所となり全てセラミックにて治療し、治療期間は1年半かかりました。矯正治療は患者様の希望により行ってません。
えっ! 虫歯治療に1年半 !? とびっくりする方がほとんどでしょう。
では、詳しく見ていきましょう!
レントゲンは口腔内と左右が逆転します。
実は、左下の親知らずとその手前の歯の間にできた虫歯がかなりの曲者
なんです!
クローズアップすると…
術前

親知らずとその手前の歯の接触している部分が虫歯になっています。
さらに、その下を見ると歯を支えるべき骨がありません。
解説すると↓

わかりやすく模型で見てみると↓ こんな感じです。

長期間衛生不良状態が続くことにより起こります。
この状態は本人が気がついていても、磨ききることはできません。
なぜなら、親知らずは最後方で磨きづらいうえに、親知らずとその手前の歯の接触部は歯肉(はぐき)の中だからです。
では、対応策は... 理想はこのように悪化する前に親知らずは抜歯しておくべきでしょう!!
親知らずは諸悪の根源です !!(清掃のできない親知らず)
そして、このケース....
虫歯による歯のみならず、歯周組織へ感染が及んでいる場合は頭を抱えます。
下図のように点線部分で歯牙をカットして、その後方の根と親知らず(円で囲んだ部分)を抜歯という治療方法も考えられます。

ただし、この方法はカットして保存した片方の根が細く脆弱(きじゃく もろく弱い状態)になってしまいます。
患者様には時間がかかることを了承していただけましたので、親知らずの抜歯後、治癒回復を待ちその後、手前の歯を支える骨の再生療法手術をトライすることとしました。
親知らずを抜歯すると・・・
親知らずの手前の歯は根の先近くまで骨が欠損している状態です。(上)
そして、抜歯した親知らずには感染を繰り返すことにより瘢痕化した固い肉芽組織(にくげそしき)がへばりついています。(下)


感染要因を断ち、そして出来る限りの回復を待ちます。
下のレントゲンは親知らず抜歯後8ヶ月です。
骨が成熟するのを待つので、どうしても時間がかかります。

親知らず抜歯後8ヶ月
親知らずと手前の歯の間の骨は、やや回復したものの骨欠損はクレーター状に残存しています。


わかりやすく模型で見ると↓ こんな感じです。

健全な骨はこのような状態↓

粉砕された食物の流れは、水の流れと同様に低いところへ流れて溜まります。
すなわち、骨が欠損している低くなった底へ溜まるため、衛生不良により病状(骨の欠損)がさらに進行していきます。
よって下のように骨を等高に整えます↓

赤矢印部分は削って切除し、緑矢印の部分は骨を増大させる再生療法を行います。
エムドゲイン法による再生療法(上)を行ない、縫合糸で歯肉を閉じます(下)。


そして、治癒を待ち(再生療法後8ヶ月)骨の回復を確認し、仮歯から最終補綴物(被せ物)へと移行し治療終了 !! 治療期間total 18ヶ月
M様 1年半本当に長い間お疲れ様でした !!
これも、信頼して頂き、長い間辛抱していただいた結果可能となる治療です !!
とても良好な結果となりました。
これからは、新たな病状(虫歯、歯周病)発症予防の徹底です !!
リスクの一つである叢生(歯並びが重なり合っている状態)があるので、プロの衛生士をもってしても管理が難しいですが、そこは力の見せ所です。 M様も終わったわけではありません。良好な状態が継続できるよう頑張って下さい !! こちらも一生懸命フォーローしていきます !!
治療後


全てセラミックによる治療なので、術後のレントゲン写真でも治療痕が目立たず(もちろん口腔内も)とても良好な結果が得られました↓

虫歯が深い所は根管治療を行いました↓


以前ブログに記載した
こちらも ←是非参考にして下さい !!
では、今日も1日頑張りましょう !!
今日は診療終了後勉強会です。