例えば日本語の“行くこと”という言葉は「“行くこと”それ自体が好き」とすれば名詞、「“行くこと”になった」ととれば副詞、「“行くこと”の判断」ととれば形容詞になるのと同じです。これが動詞の正体です。
I don’t go there. 私 (I) は、そこへ (there) 行くこと (go) をしない (don’t)。 (私はそこへ行かない。)
この時のgoは、don’t (しない)という助動詞の目的語 であり、(行くこと)と言う意味の名詞と考えられます。
I’m going there. 私 (I) は、そこへ (there) 行っている状態 (going) で存在する (am)。(私はそこへ向かっている。)
これも、going (行っている状態)という名詞でam(存在する)という助動詞を副詞として修飾していると考えることがでいます。
このgoやgoingは明らかに、文法上“準動詞”と呼ばれている用法と同じです。なので、準動詞なんてものが文法上出てきますが、不定詞や動名詞、分詞といった準動詞も、原形、進行形、過去形といった動詞の活用も、単なる「動作の状態を表す名詞」であって、まったく同じものだということです。
動詞は動作の状態を表す名詞表現
動作には必ず状態の変化が伴います。そして、動詞の変化は、その状態変化のある特定の期間を表現します。
原形 =「やって無い」状態から「やってる」状態への変化
進行形 =「やってる」状態の継続
過去形 =「やってる」状態から「やり終わった」状態への変化
完了形 =「やり終わった」状態の継続
go (原形) – 行って無い状態から行ってる状態への変化
going (進行形) – 行ってる状態の継続
went (過去形) – 行ってる状態から行き終わった状態への変化
gone (完了形) – 行き終わった状態の継続
この時、原形(go)と過去形(went)は状態の変化、進行形(going)と完了形(gone)は状態の継続を表します。そして、「変化」なのか「継続」なので伴う助動詞の種類が変わってきます。
I (do) go there. 私はそこへ行く。(私はそこへ“行って無い状態から行ってる状態への変化”をする。)
I (do) went there. 私はそこへ行った。(私はそこへ“行ってる状態から行き終わった状態への変化”をする。)
I am going there. 私はそこへ向かっている。(私はそこへ“行ってる状態の継続”状態である。)
I am gone there. 私はそこへ行かされた。(私はそこへ(やらされて)“行き終わった状態の継続”状態である。)
do助動詞は省略されている
上記のように、状態の変化を表す場合にはdo助動詞を伴い、状態の継続を表す場合にはbe助動詞を伴います。
そうです。 I go there.は、実は、I do go there.なのです。但し、goは明らかに動作の状態の変化、すなわち、何かを“する”ということを表しているので、do(する)を付ける必要性が無くなり(doをワザワザ付けるとしつこい)省略するようになったのだと推測しています。なので、I go there.を強調したい場合(しつこく言いたい場合)には、I do go there. になるという訳です。
現在時制を、否定文や疑問文にする場合に突然doやdon’tが出てくるのは、元々省略されていたdoを否定や疑問を表現する時には使用するしかないからです。
I don’t go there. (あくまでもgoは名詞表現なので、go自体を否定形に出来ない。)
Do you go there? (あくまでもgoは名詞表現なので、goを文頭に出し疑問文を作れない。)
do助動詞は過去からの継続的な動作を表す
例えば、I work hard.(私は、一生懸命働く。)は、習慣を表します。
「ちょっと待てよ、workが働いて無い状態から働いている状態への変化を表すのなら、一回きりの事で、習慣を表さないのでは?」と思ってしまいますが、実は、do助動詞が過去からの継続的な動作を表しています。要するに、doは「やって無い状態からやっている状態への変化」を継続的に繰り返して現在に至っているイメージです。仕事は24時間ずーっとやり続けている訳ではなくて、普通のサラリーマンは、毎日8時頃に仕事を始めて5時頃に終わる訳で「毎日働いて無い状態から働いている状態への変化を繰り返している」というイメージで習慣のイメージが出てくるのです。逆に、24時間ずーっと働いているなら、I’m working hard.が妥当でしょう。(でも、いつか死んでしまいます。)
もちろん、いつまで過去に遡って表現しているかは、その文脈によりますので、限りなく短い期間で過去を捉えていれば、結果的に一回きりの事を表している場合もありますが、do助動詞の基本的な意味は過去からの継続的な動作が基本です。そして、その継続は、現在でパタッと終わるものではなく、未来にも続いていくことを示唆しています。なので、do助動詞を伴っている現在時制の原形の動詞には「習慣」「普遍的な真理」、時に「未来」といった意味合いが出てきます。
状態動詞の継続的意味合いは進行形よりも弱い
「動詞には動作動詞と状態動詞があって、状態動詞は通常は進行形にならない。」と習ったことがあると思いますが、I’m loving it. なんていう使い方があるように、進行形になっている文章を良く見かけます。
I (do) love you. 私はあなたを愛して無い状態から愛している状態への変化を継続的に行う。
が基本的な意味ですが、愛情というのは「朝愛しているけど、夜は愛して無い」ということを繰り返すものではなく(そういう人もいるかもしれませんが)、結局ずーっと愛している訳で、I love you.でも継続的な愛をイメージできるため、ワザワザ進行形にする必要が無いのです。
但し、この表現では、四六時中、本当に愛し続けているという保証はありません。たまには彼女の事を忘れて別のことに熱中しているかも知れないし、もしかすると浮気しているかもしれません。それでも、やっぱり彼女のことを愛しているのでI love you.なのです。本当に四六時中、彼女の事を考えているならI’m loving you. と言うべきでしょう。
