文型って腑に落ちないところがありますよね?例えば、どこかのブログに以下の文は第何文型かという議論がありました。
I want you to sing a song.
「you = to sing a song が成り立つから第5文型だ。」
「to sing a songは修飾語句なので文の要素にならないから第3文型だ。」
「to sing a songを名詞的用法と捕らえると第4文型になるのでは?」
ん~、何故こんなに違った解釈が出るのでしょうか?それは、学校教育で習う5文型が不完全なものだからだと思います。実は世界には10以上の文型を教える国もあるそうです。逆にフィリピン(実はフィリピンに駐在してました!)では3つの文型しか習わないと、当時同僚のフィリピン人に聞きました。(もちろん、その人は英語ペラペラです。)そして、その人に「SVOCって知ってる?」と聞いたら、「何それ?日本の文法は複雑!」と言われてしまいました。
文型はそもそも一つしかない
これが私の理解です。
主語句(S) + 述語動詞句(V) + 間接目的語句 (O1) + 目的語句(O2) + 補語句 (C) + 補語句 (C) + …
これだけです。(単語の品詞を表す動詞と区別するためにVはあえて述語動詞句と呼ぶことにします。でも何かわかりにくいので、いい名称思い付いたらもっと分かりやすい言葉で書きたいと思います。スミマセン!)
S + V + O1 + O2 + C + C + ・・・ (Cは何個でもOK)
要するに、
誰(何)が + どうする(なる) + 誰(何)に対して + 何(誰)を+ どのように + どのように + ・・・
と言葉を並べていくのが唯一の英語の文型ではないでしょうか?
そして、主語句、述語動詞句、目的語句、補語句をそれぞれ形容詞や副詞、関係代名詞と定義(本当は形容詞とか副詞と言いたくありませんがそれを説明すると長くなってしまうのでここではとりあえずそのまま使います。)されている単語やそれと同等の役割をもつ語句で修飾することにより、文を肉付けしていく。但し、文の中には全ての構成要素を必要としないものもありますので、順番さえ合っていれば、歯抜けになっていても問題ありません。逆に言うと、これらの組み合わせの数だけ、文型を定義できるということです。
誰(何)が | どうする(なる) | 誰(何)に対して | 何(誰)を | どのように | 文型 |
S | V | 第1文型 | |||
S | V | C | 第2文型 | ||
S | V | O2 | 第3文型 | ||
S | V | O1 | O2 | 第4文型 | |
S | V | O2 | C | 第5文型 |
上記は、5文型にマッピングしたものですが、これ以外にも、S + V + O1 + O2 + Cなんて文型も存在し得るということです。
例えば、I proposed to her. (私は彼女にプロポーズした。)を例に見てみましょう。
5文型で言うと、to herは修飾語句(飾り)で文の要素ではないとされ、第1文型になります。でも、本当にto herは文の要素では無いのでしょうか?プロポーズしたことが重要であって、”彼女に”プロポーズした事は重要では無い?
例えばThe sun rises in the east. は、確かにin the eastが無くても「太陽は昇る」ということで文としては成り立ちますが、この文章で本当に言いたいのは「東から昇る」ということで、in the eastも文の重要な要素なのではないでしょうか? I know you.もI know. だけで「私は知っている」ということで文としては成り立つと思いますが、この場合youは修飾語では無く、目的語となり立派な文の要素となります。これは、どう考えてもyouに対してto herを差別しているとしか思えませんね。「あなたは大事だけど、彼女は大事じゃない。」。なぁんて。。。文を構成する語句に、「要素」も「飾り」も無いのではないでしょうか?(全部重要!差別をするなぁ!)
I proposed to her. は、強いて5文型に当てはめると第2文型になります(無理に当てはめる必要はありませんが。)。 to herはproposedを修飾する補語句として捉えるべきです。
I proposed to her. 「(S:誰が)私が、(C:どのように)彼女に向かって、(V:どうする)プロポーズした。」
第2文型はCが主格補語である必要があるらしいですが、これは全くナンセンスな文法だと思います。
I keep quiet. (私は、静かにしている。) I = quiet ->第2文型
I keep it. (私はそれをキープしている。) I ≠ it -> 第3文型
面白いことに、学校教育で教えてもらう文型では上が第2文型、下が第3文型になります。しかし、文意的にはそれ(it)をキープしているのか、静かなこと(quiet)をキープしているのかの違いであって、私には全く同じ文型のように思えます。これを、別の文型に分別する必要があるのでしょうか?itもquietも補語では無く、keepの目的語であると考えた方が素直です。また、
She looks young. (彼女は若く見える) She = young -> 第2文型
She thinks him a good man. (彼女は彼を良い人だと考える) him = a good man -> 第5文型
上のyoungは主格補語、下のa good manは目的格補語句ですが、どちらも結局は「どのように(C)どうする(V)」という形で述語動詞を修飾している訳で、主語や目的語を修飾している訳ではありません。もっといえば、第2文型の動詞は不完全自動詞と呼ばれ、目的語は要らないけど補語が必要な動詞とかいう厄介な定義になってますが、じゃあ、keepはどっちなの?と聞きたくなります。主格補語、目的格補語、完全自動詞、不完全自動詞、完全他動詞、不完全他動詞・・・この手の区分は混乱を招くだけで、英語を理解する上で必要の無い英文法定義だと思います。(さっさと、忘れちゃいましょう。私はもう忘れました!)
もう一つ。実は、I proposed her.という言い方もあるんです。これは、5文型の定義で行くと、第3文型に分類されてしまいそうですが、本当にそうでしょうか?
proposeというのは「(何かを)提案する、(何かを)お願いする」という意味で、(何かを)の部分が自明の場合は、それを省略できる、所謂、自動詞として使用できるのでしょう。逆に言うと、他動詞として使用する場合に、proposeの直ぐ後ろに来る目的語は(何かを)を意味するものでなくてはならないということです。もし、herを目的語として使用するならば、その意味は「私が、(誰かに)彼女を提案した。」という意味になるでしょう。でも、実際は、I proposed her.は「私が、彼女にプロポーズした。」という意味で使用されるのです。では、何故?
それは、この文型がS + V + O2 では無く、S + V + O1 だからです。この分類は、5文型にはありません。ですが、この場合、I proposed her. は明らかにS + V + O1です。
「(S:誰が)私が、(O1:誰に対して)彼女に対して、(V:とうする)プロポーズした。」
文型の基本法則
1) 文型は1文型しかない S+V+O1+O2+C+C+・・・
2) 文の内容によって構成要素が歯抜けになる場合があるが並びは変わらない
3) 文内にある全ての語句がどこかに必ず当てはまる(無視される語句は無い)
4) 補語は必ず述語動詞句を修飾する