女性活躍推進法案 | 青木愛オフィシャルブログ「いま、原点に立ちかえる時。」Powered by Ameba

女性活躍推進法案


本日開催されました本会議におきまして、政府提案の「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律案」(従業員301人以上を雇っている国内の民間企業や、雇用主としての国や地方公共団体に女性登用の数値目標や取り組み内容を盛り込んだ行動計画の策定を義務づけるもの)に対する質問を行いました。

以下質問全文です。答弁を含む議事録は後日ホームページにアップいたします。



 生活の党の青木愛です。党を代表して、ただいま議題となりました法律案について質問いたします。
 安倍総理は、女性の活躍を成長戦略の大きな一つに位置づけられました。しかし、女性が輝き活躍することは成長戦略のためではなく、日本国憲法が保障する男女平等の施策として当然のことであることを、まず指摘しておきます。

 先般、最高裁において、広島市内の病院に勤務する女性理学療法士の裁判がありました。妊娠、出産後に降格、減給となり、不利益を受けたというものです。
 判決は、男女機会均等法の趣旨を重視した極めて妥当なものでした。しかし現実には、職場で肩身の狭い思いをしながら、裁判所に訴える女性は稀ではないでしょうか。訴えなければ不利益を被る社会であってはなりません。妊娠・出産がライフステージの中でハンディとなる社会であってはなりません。

 女性がその能力を十分に発揮するためには、非正規雇用の増加や長時間労働等の是正をはじめとする労働環境の整備と子育て・介護等、家庭生活の様々な課題を同時に解決しなければなりません。
 政府は、こうした課題に対して「政策パッケージ」を取りまとめていますが、一方で、非正規雇用を増やす結果につながる「労働者派遣法改正案」を提出するなど、非正規社員の正社員への転換促進や長時間労働是正について実効性のある具体的な政策を打ち出していません。
 このような政府の姿勢では、この法案の目的である豊かで活力ある社会の実現にはつながりません。
 さらに、在宅勤務や短縮労働の推進、幼児や学童の養育場所の確保など取り組むべき課題は多いと考えますが有村担当大臣のご所見を伺います。

 そして、本法案において事業主は女性の活躍に関する数値目標や取組内容を公表することとされていますが、どのような項目を公表するかは事業主の実情に応じて自由に定められることとされています。数値を公表するのであれば、女性採用比率や女性管理職比率などの最低限必要な項目の公表を義務付け、更に関連項目として従業員の残業時間、有給取得状況等の男性も含めた労働環境・処遇全体を明らかにしなければ、この法律に実効性をもたらすことはできないと考えます。さらに、企業の取組を促し、国としては第22条情報提供とともに、第21条の啓発活動を活発に行う必要があります。
 啓発活動については、企業や社会への働きかけはもちろん、学校教育において女子学生に対するキャリア教育や指導的立場に立つ機会を充実させる必要があると考えます。担当大臣のご見解を伺います。

 政府は「女性の就労拡大」に向け、配偶者控除・配偶者手当の見直しを進めています。いわゆる「103 万円の壁」、「130 万円の壁」の問題です。パートなどで働く多くの主婦は、この「103万円の壁」を超えないように就労時間を調整しています。働く女性からの不公平感の指摘はあるものの、約1、400万人が適用となる配偶者控除の廃止は大きな増税となります。

 手当も廃止、控除も廃止し、この上消費税率の8%に続き、来年10月には、10%に引き上げられようとしています。これ以上の家計に対する相次ぐ重い負担に耐えられるでしょうか。これで女性が本当に輝いて活躍し、豊かな暮らしを実現できるのでしょうか。
 私はむしろ、それぞれの壁を取り払うのではなくて、「103 万円」「130万円」の控除額を引き上げるべきではないかと考えます。あるいは、控除を廃止した分は給付型に変えて生活を支えるべきではないでしょうか。そうでなければ、特に子育て世帯の可処分所得の減少は少子化を加速させることにつながると考えますが、担当大臣のお考えを伺います。

 先日、シングルマザーを応援するNPO法人から実情について説明を受けました。皆厳しい状況の中で子育てしつつ精いっぱい頑張って生きています。今さら輝くなどと言わないで、身分を安定化し、最低賃金を引き上げてほしいとの要望を受けました。このことについて
担当大臣のご所見を伺います。

 こうしたひとつひとつを改善することなく、単に女性の就労を促すのであれば、「すべての女性が輝く社会」といいながら、その実態は、「子どもを産みなさい、育てなさい、親が年取ったら介護しなさい、さらに働きなさい」と女性に2重、3重の役割を求め、女性が輝くどころか、女性を心身ともに疲弊させるだけの結果に終わるのではないかと危惧されます。過酷労働に追い込まれた男性の自殺は高い値となっています。女性も同様のリスクにさらすのでしょうか。

 政治の目的は、国民がより安全でより豊かな生活ができる社会を創ることです。人気取りのスローガンではなく、豊かな国民生活に資する一つ一つの課題解決の積み上げをして初めて女性も輝く社会の実現につながることを指摘し質問を終わります。