存亡の危機に立つ中央アフリカ | 青木愛オフィシャルブログ「いま、原点に立ちかえる時。」Powered by Ameba

存亡の危機に立つ中央アフリカ

本日の本会議に文部科学委員会で先週採決を済ませた地方教育行政法改正案がかけられ、委員長報告の後に討論のため登壇しました。衆議院インターネット審議中継をご覧いただいた皆様には、登壇時間が定まらず申し訳ありませんでした。政府案が賛成多数で可決し、6月22日の閉会まで残り時間も少ないのですが、審議の舞台は参議院に移りました。

引き続き、明日も文部科学委員会が開かれ、11時55分ごろから15分間ですが質疑に立ちます。明日は地元の子ども相撲大会なども取り上げるつもりです。また、明後日には「学校教育法・国立大学法人法改正案」が本会議に上提され、審議が始まることになっています。





本会議後、加盟する「ユニセフ議員連盟」に出席しました。今回は日本ユニセフ協会大使のアグネス・チャンさんによる、「存亡の危機に立つ中央アフリカ(共和国)報告」をお聴きしました。

中央アフリカは日本の皆様には馴染みのない国ですが、スーダン、コンゴ、カメルーンなどといった国々に囲まれた内陸の国で、1960年フランスから独立後、数度のクーデターにより政権が変わって来ましたが、いずれも軍事独裁政権で国民は貧困にあえぎ、イスラム系住民による武装勢力と、キリスト教系自警団が大規模衝突を繰り返しているようです。
情勢は外務省の報道官談話に詳しく載っていますので記しておきます。

ユニセフは首都バンギとボサンゴアで避難民の支援を行っているそうで、アグネス大使も身の危険を感じながらでしたが、避難民の悲惨な現状や声を見聞きされて来たそうです。

正式な軍隊ではない民間人同士の宗教間対立になってしまっているそうで、より残酷な様相を呈しているとのことですが、日本が支援している「蚊帳」が子どもたちの死亡率第1位のマラリアから家族や子どもたちを守っているそうで感謝されましたとか、1千人近い子どもたちが学べる学校施設が日本の援助で間もなく完成するといった嬉しい話題も披露されていました。

紛争で被害を受けている子どもが230万人、被害を受けている国民460万人(全国民)、国内避難民56万人、国外避難民36万763人(UNHCR 5/8現在)です。

アグネス大使曰く、「アフリカの国々の中では、一番緑が多くて豊かな国だと思う。政情が安定しないことが本当に残念です。国造りのための人づくりが何より大切だと思います」と述べておられました。



外務省外務報道官談話(参考)中央アフリカ情勢

(1)3月の政変により,反政府武装勢力であるセレカが権力を奪取する中で人道状況が急激に悪化。指導者として「暫定大統領」に就任したジョトディア氏は,9月にセレカ解散令を発布。しかし,その後もセレカ分子は,中央アフリカ各地で略奪等を繰り返し,人道状況は悪化した。そのような状況下で,キリスト教住民の自警団「アンチバラカ」がセレカに対抗するために形成され,現在は,元セレカやアンチバラカ等のグループが市民の殺害,略奪,性的暴力,児童兵の雇用等を行っており,人道状況が更に悪化している。

(2)12月5日未明,首都バンギにて,元セレカとアンチバラカと見られる集団との間で衝突が発生した。報道によれば,400名近くの遺体が確認されている。

(3)12月5日,国連安保理において,中央アフリカ情勢に関し,アフリカ主導中央アフリカ国際支援ミッション(MISCA)派遣を認可する安保理決議2127号が採択された。右決議において,仏軍は,MISCAを支援するマンデートを付与された。同6日,フランスは,1200名の仏軍兵士を中央アフリカに派遣し,7日に更に400人の増派を決定。また,現在展開されている中部アフリカ諸国経済共同体多国籍軍(MICOPAX)は,12月19日にMISCAに移行され,展開部隊の人数は,6000人となる予定。