東海研究開発センター原子力科学研究所を視察 | 青木愛オフィシャルブログ「いま、原点に立ちかえる時。」Powered by Ameba

東海研究開発センター原子力科学研究所を視察

2月7日(金)、国会日程の合間を縫って独立行政法人日本原子力研究開発機構東海研究開発センター原子力科学研究所を視察して来ました。

この施設は私が国会質疑で再三取上げている「核変換技術の研究開発」を行っている施設です。

福島第一原発の事故後の廃炉処理は、東電と経産省が主体となってようやく燃料棒の取り出しが始まりましたが、その後の大量に放射性物質を発生する核燃料や、全国の原発や他の施設に貯蔵、保管されている使用済核燃料の最終処分方法は決定していません。
このことは事故後の報道や都知事選の論戦で、国民の大多数の方が認識されたと思います。

我が国が原子力発電を導入するに至った時代的背景は、よくご存じのことと思いますが、第一に資源小国であることでした。オイルショックの際の混乱ぶりを覚えている方も多いと思いますが、化石燃料の高騰や供給不足への不安や、経済成長に欠かせない電力の安定供給と維持が至上命題でした。

原発は安価な電力と喧伝され続け次々に建設が進みましたが、核燃料のもととなるウラン鉱石が国内で産出されるわけではないので、核燃料をリサイクルして使用する夢の核燃サイクル技術開発が我が国の研究者の主流となって来ました。

各種の加速器駆動核変換システム(ADS)技術開発試験装置群を見学

この研究の延長線上に「核変換技術の研究開発」はありますが、何年後かに放射性物質の寿命を何分の一かに短縮できる技術が確立されれば、もちろん世界初になりますし、使用済み核燃料の処理技術を持たずに原発を稼働させている各国にとっても、多大な恩恵を与えることになります。

どの政権であれ、政府はこの問題を避けて通れません。

例年の予算に比して25年度補正と26年度当初予算で、格段の予算措置が計られそうですので、どこがどのように、この予算で進捗するのかを見せていただきました。

研究者、技術者の皆様がひとつひとつ実験結果を積み上げ、理論を実証していくご苦労を目の当たりにして、あらためて敬服するとともに大変勉強になりました。




原子力科学研究所湊副所長から事業概要説明聴取


原子力基礎工学研究部門研究推進室長大井川博士の案内で核変換実験施設建設予定地を視察


福島技術開発試験部BECKY(ベッキー)技術課富樫課長の案内でバックエンド研究施設見学





関連リンク

独立行政法人日本原子力研究開発機構
東海研究開発センター原子力科学研究所ホームページ

バックエンド研究施設(BECKY)