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I AM YOUR SINGER
この曲を表題曲にした理由は、誰でも分かることだが、30年もの間応援してくれたファンへの感謝の気持ちを表したかったからだ。そしてライブに合わせて「8月末」という歌詞まで登場する、いってみれば特別な「プレゼント」である。タイトルは、WINGS の アルバム『WILD LIFE』に収められている佳曲と全く同じである。
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WINGS の方の「YOU」はリンダ一人のことを指しているのだろうが、サザンの「YOU」はファンのみんな(あなたがた)のことなのは明白。
はっきり言って「中途半端」というのが素直な感想。この曲は所謂「いい曲」である。それはギターで普通の8ビートの弾き語りしてみれば分かる。外連味のない素直なコード進行とメロディ(あくまでも桑田佳祐の楽曲においてだが)は、誰の心にもすっと入り込む魔法のようだとさえ思える。
一方でアレンジは従来のサザンからすれば少し奇抜である(もともとサザンは奇抜な挑戦を度々やってきたバンドなのだが)。まあ、ここ数年サザンがやってきたことに比べれば、このチャレンジは賞賛に値する。
しかし、「良い物」と「良い物」を合わせて必ずしも「より良い物」にはならない典型的な例のような気がする。素直な楽曲が少々奇をてらったアレンジにより良さが逆にオミットされてるようだ。そしてファンに媚びるような歌詞がそれに拍車をかけている。この歌詞、このメロディでもっと素直に等身大のアレンジを施せば、「ダサく」なるかもしれないが、そのほうが伝わるものも大きかったような気がする。チャレンジは別の機会でよかったのだ。そもそも女にふられて未練たらたらの情けない男の気持ちを代弁するような歌で世の男どもの共感を得ていたはずのサザンが多少ダサくなったところで誰も意に介さないと思う。そのサザンの本質のひとつを理解できないようなら、本当のファンとは言えない、とさえ言いたくなる。
まあ、これは「今までのサザン」の話だ。復活するにしても間があくだろうから、「ダサい」サザンは忘れて「新しい奇抜なサザン」で帰ってきたとしよう。その時にもう一度この曲を聴いてみれば、この中途半端さが実は「過渡期」であったと理解することになるのではないか。そういう意味では未来のサザンを示す道標なのかもしれない。そしてその「新しいサザン」が帰ってくる日を多くのファンは心待ちにしている。
OH!! SUMMER QUEEN ~夏の女王様~
桑田佳祐も公式ホームページのインタビューで言っていたが、本来ならこの曲がトップに置かれるべきだろう。資生堂のCMソングとして先に公開されていたのだから、プロモーション的にもその方がいいに決まってる。もちろん前述したように「ファンに向けて」という意味もあるだろうが、これは「今までとは違う」という意思表示のひとつなのだろう。
楽曲自体は端的に表せば、「『BOHBO No.5』で始まり、『愛と欲望の日々』で終わるサザン得意の淫靡なサマーチューン」である。つまり最近のサザン以下でも以上でもない。ノリ的にはこちらの方がライブで盛り上がると思うのだが。個人的にはこっちの方が好き。
すけっちぶっく
70年代のブラス・ロックを彷彿とさせるイントロで始まる原由子作詞・作曲のこの曲が、実はこのCDに収められている楽曲のなかで一番の名曲のような気がする。活動休止の発表の時にも書いたが、桑田はサザンという看板を守るために制約が多い中でのソングライティングになるが、原坊はその足枷を気にすることなく自由にやれる分、自然体で作曲ができるのだ。その違いが大きいことはサザンが活動休止する理由に直結する事実である。
サザンという看板を気にすることなく音楽活動ができる今後、桑田佳祐はいったいどんなサプライズを私たちに提供してくれるのだろう。サザン活動休止の感傷に浸るより、これからの桑田佳祐を思い描くほうがずっと有意義な「サザンの待ち方」だと思う。