アーティスト: サザンオールスターズ, 桑田佳祐
タイトル: TSUNAMI

 9万枚の次が290万枚というモンスターヒット・シングルになりましたが、そのカップリングまで聴いている人は果たして何人いるのでしょう。お経で始まる斬新なイントロ、「木魚」をパーカッションとして使うなどの「日本」の要素をふんだんに盛り込んだ「純和製サイケデリック・ロック」とも言える傑作だと思うのですが。鎌倉の名所が歌詞にたくさん出てきます。実際に歌詞にも登場する「薪能(たきぎのう)」を見てインスピレーションを得たと聞いていますが、これをやって許される(少なからず聴き手に納得させることができ、ある程度売れてる)バンドはサザン(桑田佳祐)ぐらいでしょう。
 アルバム「さくら」に収録されていてもおかしくない作品だと思うのですが、この曲を聴くにつけ、「TSUNAMI」の軽さが許せなくなるのです。「TSUNAMI」があれだけ売れても自分の中で「No.1」にならない理由は、この曲のような「桑田佳祐が、"その瞬間"本当に聴いてほしい曲」に正当な評価が下されないもどかしさにあるような気がします。
 売れる曲が必ずしも「名曲」とは限らないのは重々承知ですが、音楽的に優れた曲もまた必ずしも「名曲」としては語られないことがある、ということを痛切に感じるのがこのシングルの組み合わせなのです。