
アーティスト: 桑田佳祐
タイトル: KEISUKE KUWATA
KUWATA BAND解散後、松田弘とともに渡米し、DARYL HALL & JOHN OATES とのセッション、ソロ・シングル2枚(B面はいずれもホール&オーツ参加)、サザンのシングル「みんなのうた」発売を経て発表されたソロ名義初のアルバムです。
このアルバムは、今では Mr.Children のプロデュース、MY LITTLE LOVER のメンバーとして有名な小林武史が共同プロデュースで参加しています。この時点で一般的にはあまり知られていなかった彼を有名した作品であるとも思います。本作は「桑田佳祐の楽曲+コバタケ・アレンジ」から生成された上質ポップス爆発、の作品と言って過言ではありません。
今でも君を愛してる
ああ、この曲ベストに入ってないのね、って感じですよ。後のサザンの「忘れられたBIG WAVE」にも通じる「一人ドゥーワップ」作品です。コーラス・ワーク云々より、歌詞の日本語と英語の絡め方が上手いと思いますけどね。
路傍の家にて
「corner」と「倒れそうな」「くじけそうな」、「shorter」と「同じような」「わりと妙な」といった具合に英語と日本語で韻をふむというのが当時斬新でした。アルバム発売前に「夜のヒットスタジオ」で歌っているのを聴いてこのアルバムを買わなければならない、という衝動に駆られたくらいでした。
(そういえば「夜のヒットスタジオ」で歌詞が字幕で出るようになったのは、「勝手にシンドバッド」が最初だとか)
Dear Boys
自分の子供にあてた曲なのでしょうか。最後の歌詞「My boys are beautiful.」あたりに、John Lennon の「Beautiful Boy」の影響を感じます。
ハートに無礼美人(Get out of my Chevvy)
これも「夜ヒット」で観ました。韻のふみ方は「路傍の家にて」と似ていますが、曲調は激しいですね。途中で転調するところが唐突すぎて好きです。
Chevvy はシボレーの愛称でしょうが、当時確か桑田さん、カマロに乗ってたような・・・。
Big Blonde Boy
英語っぽい日本語で歌われるソウルフルなナンバーですが、歌詞を見てもわかるように「Big Blonde Boy」とは、Daryl Hall のことです。ニューヨークでセッションした時のことを歌詞にしてるのでしょう。
愛撫と殺意の交差点
タイトルがかなり刺激的ですが、歌詞の方も社会風刺に満ちています。さりげなく竹内まりやがコーラスで参加しているのと、曲の途中で「Alright!」とシャウトしているのは、桑田家の長男・祐宜(ゆうき)くんです。
このアルバム発表後のサザンのツアー「真夏の夜の夢1988大復活祭」では、KUWATA BAND を含む桑田佳祐ソロコーナーがありましたが、サザンでお祭り的ライブをやり始めたのはこの辺からですかね。サザンと桑田佳祐のソロの区別が付かない人が増え始めたのもこのころからです(笑)。
はっきり言ってこのアルバム、サザンとの区別がつきにくいアルバムなのです。発売当初、「サザンでもやってもいいじゃん」って気もしましたけどね。