稲荷川氷瀑群と雲竜渓谷(その一) | 気ままにアウトドア

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2025年1月18日

 

 

今冬の冷え込みはここまで順当に推移して

冬らしい寒さが続いてました

そこで気になるのが雲竜渓谷の氷瀑の具合

例年見頃を迎えるのは1月下旬から2月上旬

ですが、今年は順当な冷え込みという事で

ちょっとフライング気味ですが

稲荷川中ほどの隠れた氷瀑と

上流の雲竜渓谷を訪れてみました

 

 

 

 

日光東照宮の裏手から滝尾神社を過ぎて

まだ夜が明けきらぬ暗い林道を詰めると

林道ゲート手前の駐車スペースに辿り着く

だが、既にそこは満車状態

仕方なく少し戻って広めの路肩に車を停めて

手短に身支度をする

6:40

ちょうど辺りが明るくなり出した頃

車を出発する

気温は-5℃とまずまずの冷え込みの中

先程の林道ゲートへ

 

 

 

今回も稲荷川沿いのルート

ゲートを抜けて林道を進むと

直ぐに第10砂防堰堤

ここを渡り稲荷川左岸の林道に移る

 

 

 

林道は落石や倒木などで荒れてはいるが

歩く分には問題はない

ここは恐らく日向沢砂防ダムの工事用道路

工事が終われば役目も終わって

復旧工事もされないまま今に至る

その林道の見通しの良い場所に出ると

タイミング良く前女峰のモルゲンロート

今日の快天を約束するように

良い色に染まって姿を見せる

 

 

 

7:33

朝日がすっかり谷底にやって来た頃

日向沢砂防ダムへと辿り着く

ここは稲荷川最大の砂防ダム

急な斜面の巻道を登って提上に出れば

土石が満杯に提内を埋めた広河原が現れる

 

 

 

その提上から谷奥を見上げれば

雪をまとった前女峰が望めて

 

 

 

下流方向を望めば

遠く筑波山や古賀志山が望める

ここは何度も来ているが

筑波山が見れたのは

今回が初めてかも知れない

 

 

 

プチ展望を楽しんだら

提上の河原の中の道を辿って

右岸の林道取付き部へ

通常、雲竜渓谷へ向かうには

この林道を辿って行くのですが

今回は手前にある小規模の氷瀑群を見たくて

河原の中を更に遡って行きます

勿論、一般ルートではないので道は無し

荒れた河原の中

適当に進路を見定めて遡って行けば

雪が程よく窪みを埋めて

意外にも歩き易い

ただ、凍った水際の流れを渡る徒渉は

結構な神経を使うけれど

慎重に渡れば問題なし

数度の徒渉を無事に熟して

氷瀑群の前までやって来た

遠巻きに眺めても氷の表情はとても良い

時期的に少し早かったせいか

育ち具合はイマイチだけれど

暖冬だったここ数年の氷瀑を想えば

崩落した氷塊の散乱も見当たらずで

氷瀑直下はスッキリ自然に整って

傷の無い美しい氷柱の姿が実に良い

ではその氷瀑群、暫しご堪能下さい

 

 

 

氷瀑は氷柱ばかりではなくて

飛沫氷も様々な形をしていて表情も豊か

一つ一つを細かく観察をしていても

飽きる事がない

 

 

 

流れの際の氷柱もまた宜し

透き通る水と透明な氷柱のコラボレーション

 

 

 

そして再び壁一面に下がる見事な氷柱群

 

 

 

滴り落ちる水の真下には

クリスタルガラスのような氷の造形

 

 

 

ずっとこの場に佇んで

氷の芸術を眺めていたいけど

何せ気温は氷点下

ジッとしていては体温が奪われるばかり

歩く事が前提のウエアリングでは

この辺りが滞在時間の限度だった

最後にもう一度氷瀑を仰ぎ見て

 

 

 

名残惜しいが氷瀑群を後にする

再び荒れた河原の中を遡る

砂防堰堤を一つ左岸から高巻いて

上部へ抜ければ

狭いゴルジュの洞門岩が見えてくる

 

 

 

8:41

その洞門岩直下へとやって来た

ここもへばりつく氷瀑に崩落跡はなく

つるりと美しい姿を見せる

だがやはり、発達具合は今一つだ

何時もならもっとゴッツイ氷瀑なのだけれど

今冬の雨量の少なさが

こんな処にも表れているのかも知れない

 

 

 

さて、ここから林道へと

復帰しなければならない

それには右岸の急斜面を

這い上がる必要がある

昨年まであった沢屋さんの薄い踏み跡は

すっかり消えてしまっていたけれど

心許ない残置ロープはまだ残ってた

試しに荷重を掛けてみると

まだ強度的には使えそうな感じ

恐る恐るロープに縋って斜面を登り

中ほどで細いバンドのトラバース

この斜面一番の難関だ

そこを無事に抜ければ

後は木立の中の急斜面

立木に縋って斜面を登り上げれば

次第に傾斜が緩んで

洞門岩の広場へと躍り出る

 

広場には多くの人がたむろして

皆さん其々に滑り止めを装着したり

休憩を執ったりと余念がない

自身もここで遅い朝食タイム

今日一番の難所を通過した後の朝食は

コンビニの惣菜パンだったけれど

妙に味わい深く感じたのでした

 

 

 

(その二)へ続く