杣添尾根から横岳へ | 気ままにアウトドア

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  自然の中を流離う

2025年1月4日

 

 

遅ればせながら

明けましておめでとうございます。

拙いブログですが

今年もよろしくお願いします。

 

ここ数年、初登りは八ヶ岳の横岳と決めている

それもマイナーな杣添尾根からの登行

キツイ尾根ですが

頂きまで最短距離という魅惑が勝って

今年も懲りずにここを辿ってみました

 

 

 

 

八ヶ岳東麓、南牧村の別荘地

海ノ口自然郷の横岳登山口へ着いたのは

早朝の6時半頃

狭い駐車場は3/1ほどが埋まってました

空はすっかり明るくなって

そろそろ日の出を迎える時刻

気温は-10℃と八ヶ岳らしい寒さの中

早速身支度を始める

ここへ来るまでの路面状態は

硬く締まった圧雪路

なので、登山道も同様だろうと

ここからアイゼンを装着して

7:00

駐車場を出発する

登山口は道路を挟んで斜向かい

予想通り雪が確りと踏まれた

硬いトレースが始まる

 

 

 

先ずは別荘地内の遊歩道を行く

幾本かの車道を横切って登って行けば

7:20

富士見岩への分岐点

ここは毎年、定点撮影をしている所

今冬は平年並みの寒さという事で

積雪量が多いかと思っていたが

暖冬だったここ2年ほどの画像を見比べても

然程の差は見られない

この時期の積雪量はこれが普通なのだろう

 

 

 

参考に過去2年の画像を載せておきます

 

 

 

分岐点から程なくして防鹿柵ゲートを抜ける

 

 

 

道はガレガレの作業道へ出て

その道は南八ヶ岳林道へと吐き出される

北沢橋の袂

ここで初めて横岳が仰ぎ見られる

今日はちょっと雲が多め

この後晴れてくれれば良いのだけれど・・・

 

 

 

7:39

南八ヶ岳林道の横岳登山口へとやって来る

ここでウエア調整がてら

遅い朝食タイムとする

 

 

 

ここから先は大きな黒木の森の中

樹間を縫うように

緩やかにトレースを辿れば

8:12

中沢に架かる橋に出て

 

 

 

ここから本格的な上り斜面の道が始まる

黒木の森はコメツガやシラビソの混生林

そんな樹々のスリットを透かして

新春の弱々しい朝日が差し込んで来る

単調で退屈な森歩きを癒すように

林床の白いキャンバスに

日差しの筋模様が美しい

 

 

 

8:55

標高2100m地点を通過

ここで漸く標高差350mほどを

上って来た事になる

稜線まではあと標高差700mほど

先は長い

 

 

 

上るに連れて徐々に積雪が増して来る

トレースはいい具合に圧雪されて

アイゼン登行が気持ち良い

この杣添尾根ルート

一昔前は冬季に登る人は極僅かだった

今のようにトレースがある訳ではなく

ラッセル登行が当たり前だった

当時、ソロで何度か挑んだ事があるが

途中敗退の苦い記憶が思い出される

 

 

 

9:44

標高2300m地点を通過

 

 

 

そこから更に上って行くと

そこは嘗ての枯木帯

八ヶ岳や奥秩父などに見られる

縞枯れ現象のエリア

数年前までは背の低い幼木ばかりだったが

今は見上げるほどに成長して

徐々に森へと変わりつつある

 

 

 

その最初の枯木帯から

ワンスパン登り上げると

10:39

見晴らしの良い次の枯木帯に出る

ここはこのルート最初のビューポイント

だが、今日は生憎の空もよう

天気が良ければ富士山が望めるのだが

幻日のような太陽が怪しく輝いて

肝心の景色はベールに閉ざされたままだ

 

 

 

更に縞枯れを一つ通過すると

樹々は徐々に背丈を落として

漸く見晴らしの良い尾根へと登り上げる

10:56

その尾根の展望台へとやって来た

 

 

 

正面には屛風のような横岳の連なりが現れる

展望の無い長く辛い樹林帯の急登道を

ただひたすらに登ってきて

いきなり暗闇から解放されたように

眼前にこの絶景が現れると

頑張って登って来た甲斐があるとばかりに

とても報われた気分が湧き起こる

今日はただ、辺りに漂うガスが邪魔をして

少しばかり気分を削いでしまっている

ま、贅沢と言ってしまえば

それまでなのだけれど・・・

 

 

 

展望台の先は気持ちの良い尾根道

こんな道が頂きまで続けば良いのだが

楽しい事は続かないのが世の常

 

 

 

徐々に傾斜も増しだして

キツイ上りになってきた

標高は2700mほどか?

心なしか呼吸も苦しくなって

歩幅もグッと狭くなる

 

 

 

左手を見れば

先程までガスに隠れていた赤岳が

そのガスを切り裂くように姿を現す

 

 

 

ガスは小刻みに

晴れたり覆ったりを繰り返し

見上げる尾根の先に

目指す三叉峰が見えてくる

標高差はあと100mほどか?

重たい脚と息苦しさの今は

やけに遠く感じる

 

 

 

11:43

いよいよ稜線直下へとやって来た

何時もならこの辺りから風が強まって

ウエアを万全の体制にするのだが

今日は拍子抜けするほど風は穏やか

昨日の山頂付近の予報は

気温は-15℃ 風速は15mだったけれど

気温は当たっているとしても

風速は5mほどにしか感じられない

これは嬉しい誤算だったが

やっぱりウエアの開放部は

確りと閉じて防寒対策

何せ-15℃は半端ない寒さですからね

 

 

 

直下の急登斜面を中ほどまで登ると

ガスが抜けて群青の空が・・・

これは期待が持てそうと

俄然、元気が湧いてくる

 

 

 

だが、それはほんの束の間

再びガスがやってきて

辺りは白一色の世界に様変わり

12:18

そんな目まぐるしく変わるガスの振る舞いに

一喜一憂しながら

三叉峰の分岐点まで登り上げる

 

 

 

三叉峰の山頂はここから僅かに上った所

雪が風に吹き飛ばされて岩が露わな頂き

アイゼンを軋ませて山頂に立てば

南方には石尊峰越しに赤岳と阿弥陀岳

何時もは見える南アルプスの姿は

雲が邪魔をして望ませてはくれない

 

 

 

北方には横岳の最高点の奥之院

こちらも遠望は利かない

 

 

 

視線を足元に移せば特徴的な小同心があり

 

 

 

東側の足元を覗けば

登って来た杣添尾根が見下ろせる

 

 

 

本来ならここから稜線伝いに

最高点の奥之院まで足を運んでみるのだが

展望は望めそうにないし

今日のところは充分に満足として

ここから下山の途へと切り替える

 

縦走路の分岐点まで下りて

登って来た尾根のトレースを下りだす

上りでは喘ぎ喘ぎの斜面だったが

下りでは軽快に足を繰り出す事が出来る

僅かな時間で直下の斜面を下り切って

後は緩々と尾根道を辿る

 

 

 

上りで抜きつ抜かれつだった三人組が

僅かなスペースにテントを張っていた

適地というほどでもないが

この尾根では最上部になるだろう

良い所を見出したものだ

 

 

 

12:47

展望台まで下りてきた

稜線方向を振り返ってみたが

ガスにすっかり覆われて見る影もない

 

 

 

展望台の尾根から一段下りて

樹林帯の入り口辺り

ガスの帳の及ばない高さになった所で

遅い昼食タイムとする

風も無く時折日差しもあって

良い休憩ポイントでした

 

 

 

更に樹林帯の道を辿り

13:14

展望のある枯木帯まで下りてきた

往きに見えなかった富士山

この時は伸びやかな裾野を見せてくれた

 

 

 

この先はもう展望地は無い

ただひたすらに黒木の森の道を下る

 

 

 

13:56

標高2100m地点を通過して

14:23

中沢の橋を渡る

 

 

 

14:28

黒木の森の道は登山口へと吐き出されて

北沢橋の袂で横岳を仰ぎ見れば

日差しや青空は微塵のかけらも無く

水墨画のような画が見て取れるだけ

自身が山頂に立った時間帯は

登頂の心を満たす

最後の時だったのかも知れない

 

 

 

南八ヶ岳林道~防鹿柵ゲートと辿り

富士見岩遊歩道へと分け入れば

後は別荘地内の道を辿るだけ

14:59

海ノ口自然郷の駐車場へと到着です

 

 

今年の初登り

最高の条件ではありませんでしたが

程好い雪の感触と

そこそこに展望も得られて

良い山行となりました

山旅始めとしては良い滑り出し

今年も好きな山を

安全登山を胸に

楽しんで行きたいと思います