コブ太郎と茂来山 | 気ままにアウトドア

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2024年12月1日

 

 

先週に引き続き信州東端の山へ

今回は茂来山

前回は2021年12月末に訪れて

北側の露久保沢登山口からの登行

今回も同じ登山口からでしたが

一月ほど早く山はまだ初冬の趣き

軽快な登行が楽しめました

***

今回はヤマップが異常なログを記録

一部、手書きで修正をしています

 

 

 

何時ものように前夜に現地入り

佐久穂町R299の退避スペースで車中泊

気温は-2℃

この時期としては凌ぎやすい夜でした

 

翌朝、林道を辿って

露久保沢登山口の駐車場入り

身支度をして

7:21

駐車場を出発

 

 

 

駐車場に面した露久保沢を渡り

対岸の斜面の道を登り始める

 

 

 

入り口の案内によると

この道は正規の登山ルートではなく

登山口へのショートカット路

青テープに従って辿るよう指示がある

この青テープ

立ち並ぶ樹々に数m置きに付けられて

景観的にも見苦しいほど

とても道間違いは起こしそうにない

そもそもどうして青テープ?と思ったが

辺りの樹木には林業用の目印なのか

沢山のピンクテープが付けられていて

混同を防ぐための色分けだと分かった

 

 

 

その青テープの続くヒノキ林を抜け出すと

林道へ出てそこが正規の登山口となっている

そこからまだヒノキ林は続くが

美しい流れの小沢を渡ると

葉を落とした広葉樹の森へと切り替わり

道はその小沢沿いに緩々と上って行く

 

 

 

サクサクの真新しい落ち葉の下は

ゴツゴツの小石が不規則に隠れている

少し歩き難い感はあるが

この時期の登山道ではよくある事

そんな道も次第に高度を上げると

サクサクの落ち葉から

ザクザクの霜柱の道へと移って行く

今日は自身が一番乗り

誰にも踏まれてない無垢な霜柱を

ザクザクと踏み崩して

この時期ならではの感触を楽しむ

 

 

 

8:13

コブ太郎までやって来た

 

 

 

このコブ太郎、林野庁の選定する

”森の巨人たち百選“の一つで

樹齢250年のトチノキ

樹高は22m 幹回りは5.31m

と、中々の巨木だ

 

 

 

そして名前の所以となったであろう

樹の根元から幹の中程まで

幾つもの瘤が見て取れる

この瘤は幹に出来た傷を自己修復した跡で

長い年月をかけて

こんな風に盛り上がったのだろう

その長い年月の250年という月日は

いったいこの樹にどんな試練を与えたのか?

物言わぬ巨樹の

もりもりと盛り上がる瘤と

太い幹を見ていると

この樹の秘める偉大な底力を

ひしひしと感じずにはいられない

 

 

 

一頻り物言わぬ巨樹を眺めまわして

登山道へと復帰する

道はこの辺りから

少しずつ傾斜を増して来て

路傍に埋もれかけた炭焼き窯を見つける

窯口と両側の石積みは

まだ確りと原型を留めて

その上部には太いシラカバの樹が

根を下している

樹の大きさから察するに

窯は半世紀以上前のもののよう

当時、燃料としての薪や炭は

まだまだ需要があった時代

この辺りの森林木材も

当然のように利用されていたのだろう

 

 

 

8:46

もう一つの巨樹

”大王トチノキ“へとやって来た

こちらもコブ太郎に引けを取らず

中々の巨木

まるで腕を大きく左右に広げたが如く

太い枝が両側へと伸びている

 

 

 

幹もゴツゴツとはしているが

コブ太郎のような大きな瘤は見当たらない

やはり見た目はコブ太郎が上なのか?

せめて立て札の一つくらいは

あっても良いのに

それすら無くて

同じような巨樹なのに

チョット扱いがぞんざいではないかと

思えてしまう

 

 

 

大王トチノキを過ぎると

道は更に傾斜を増して来る

辺りは真っ直ぐに天を衝くサワグルミの森

小さなジグを切りながら

高度を上げて行けば

林床には白い粉を塗したように

新雪が現れる

日の射さない北側斜面の急登道

気温は氷点下のままだろう

頑張って登ってみたが

汗ばむほどにはならなかった

 

 

 

9:35

漸く日の射す縦走路へと登り上げる

初冬のか弱い日差しだが

日の温もりは充分に温かい

ここから山頂へ向けて

縦走路を東へと辿って行けば

 

 

 

9:51

程なくして茂来山山頂へと辿り着く

 

 

 

勿論、山頂には誰もおらず

独り展望を楽しんでみる

先ず北方には浅間山

 

 

 

そして北西側には北アルプス

残念ながら雲が多くて同定は出来ないが

その片鱗だけでも見られれば嬉しいもの

 

 

 

更に西側へ回って八ヶ岳

 

 

 

そこから更に左に視線を移せば

南アルプスが見えてくる

 

 

 

そして南方には奥秩父の峰々

間近の御座山も大きい

 

 

 

東側には秩父の名峰両神山

稜線のギザギザ具合がよく見える

 

 

 

一頻り展望を楽しんで

ここで独り陽だまり休憩をしていると

男性が一人登って来た

訊くと長野市在住の方

この時期になると

雪の少ないこのエリアへ

来る事が多くなるとのこと

如何やら彼は雪山はやらないようだ

 

最後にもう一度八ヶ岳を眺めて

山頂を後にする

 

 

 

縦走路を分岐点まで戻って

急斜面の道を下って行けば

 

 

 

次第に傾斜が落ちて大王トチノキ

更に緩っと下って行けば

11:29

コブ太郎を通過する

 

 

 

後は緩やか落ち葉道

小沢沿いに緩々と下って

ヒノキ林へと切り替われば

登山口へと出て、そこから更に

青テープのショートカット路を下り

露久保沢の丸太橋を渡れば

12:04

露久保沢登山口駐車場へ到着です

 

 

初冬の茂来山

紅葉はすっかり終わっていましたが

真新しい落ち葉を踏むこの季節も

中々良いものです