石鎚山 | 気ままにアウトドア

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2024年8月13日

 

 

四国遠征の三座目は石鎚山

多くの登山者がロープウェイ利用ですが

昔ながらの西之川登山口から登ってみました

 

 

 

 

前日の三嶺を下山してからの後

温泉に浸かって讃岐うどんと

前々日と同パターンで態勢を整えて

徳島県から愛媛県へと大移動

西之川の石鎚山登山口へ着いたのは20時頃

この日はここで車中泊

 

翌朝、身支度をして

5:57

登山口を出発

 

 

 

車道からの階段を上ると

直ぐに石畳の道が始まり

西之川の集落跡へと入って行く

朽ち果てて今にも崩れそうな廃屋が

次から次へと現れて

ちょっと異様な雰囲気もするが

恐らく昭和の時代頃までは

まだ人々の暮らしがあったのだろう

嘗てロープウェイが掛かる前は

ここが石鎚山の登拝道として賑わったはず

地図を見ると天柱石ルートには

幾つもの王子が記されていて

往時の賑わいを偲ぶ事が出来る

(王子=修験者が祈りを捧げる場所)

 

 

 

マメヅタの蔓延る石垣と石畳の道は

温度差による結露によって

しっとりと湿り気を帯びて

廃屋が途絶えても奥へ奥へと続いている

 

 

 

辺りは杉の植林地

樹齢は3~40年というところか?

まだそう遠くない時代に植えられたのだろう

そしてその林床には茶の木が沢山

恐らくここは嘗ての茶畑

集落に人の生活があった頃の

山の姿が想像出来る

そんな日の射さない林床には

マムシグサやヤマゴボウ

馴染みの関東の山では見かけない

四国へ来てお初の野草たちだった

 

 

 

右手に成就への道を分ける分岐点

ここがちょっと分かりにくい場所で

「成就→」の案内表示が無く

間違えて土小屋方面へと進んでしまった

先行の方が「道が消失してしまう」

と、言って引き返してきたので

間違いと気付く事が出来たが

道間違いの落し穴は

ほんの些細な所にあると思い知らされた

その分岐点まで戻り右手の直登の道へ

GPSを確認するとこれが正解だった

 

杉の植林地は何時しか桧の植林地へ

高度が上がると樹種も変わるのは

ここ四国でも同じよう

道は大きくジグを切って

急斜面を登りだす

 

 

 

日が高くなったのか

木漏れ日が差すようになると

虻が纏わりだしてきた

出がけに虫除けを

たっぷりと吹き付けて来たけれど

時間が経ってしまったせいか

効果があるような無いような?

手のひら状に枝分かれした小枝を拾って

ラケットの如く振り回しながら

虻を追い払う

ジグを切っていた道は

何時しか尾根に乗り上げて

傾斜も幾分緩みだした

それと同時に虻の猛攻もひと段落して

8:24

ロープウェイからの道へと辿り着く

ここのベンチで一休み

エナジー補給とする

 

ここから多くの登山者と共に成就方面へ

幅広の道を緩やかに登って行き

8:56

石鎚神社中宮成就社へと辿り着く

 

 

 

「←登山口」の指示に従って境内の中を行き

山門を潜ると登山道の始まり

”八丁坂“の緩い下りが始まる

 

 

 

路傍にはホトトギスの花が幾つも

ちょうど今が見頃の咲き具合

八丁坂鞍部まで下るとその先は登り返し

再び急登道が始まって

 

 

 

10:12

”試しの鎖“へと辿り着く

石鎚山と言えばこのクサリ場

先ずはお手並み拝見というところか

 

 

 

岩壁に手掛かり足掛かりは豊富

おまけにクサリにも足を掛けられるので

然程の難しさは無い

強いて言えば

下まで見下ろせる高度感が唯一の難関

”試し”とあるように

巻道もちゃんとあるので

クサリ場が苦手な方はそちらを通ると良い

 

 

 

試しの鎖の裏側の短いクサリ場を下って

一軒茶屋へ出ると巻道との合流点

道は相変わらず急登道が続く

 

 

 

連続する木段や石段を登って行くと

道は次第に傾斜を緩めて頭上が開けだす

 

 

 

10:58

夜明峠を通過

山頂が一瞬見えたが

直ぐにガスに覆い隠されてしまった

 

 

 

道は再び傾斜を増して上りだす

路傍に咲く花を愛でながら

相変わらずのマイペース

足の速い登山者が幾人も追い越して行く

 

 

 

11:16

”一ノ鎖“へとやって来た

勿論ここにも巻道はあるが

修験者の如くこのクサリ場を登ってみる

試しの鎖より長さはあるが

然程の難しさもなく無事にクリア

両手両足を使い全身運動の為か

妙に息が上がってしまった

ま、そんなペースで登れるという事でもある

 

 

 

再び緩やか道に出て

今度こそガスの切れ間から山頂を仰ぎ見れる

やはりまだ頂きは遥かな高みだ

 

 

 

11:37

道は直ぐさま”二ノ鎖“へ

ここは一ノ鎖の倍ほどの長さがあった

中程で右から左へと

ルートを切り替える場所があるが

そこは腕力頼り

力の無い方には厳しいかも知れない

 

 

 

二ノ鎖を登り上げると

程なくして”三ノ鎖“へと辿り着く

ここは直接山頂へと登り上げるルート

ですが、何かもうクサリは充分という気分

ここは巻道を選択

手摺の付いた鉄階段を登って行く

カンコン カンコンと足音を響かせて

登り上げれば

山頂エリアへと入り込む

目の前にはお花畑が現れて

石垣の上には頂上山荘

 

 

 

12:13

石鎚山の山頂(弥山)へと到着です

 

 

 

山頂には多くの登山者が休憩中

人気の百名山らしい賑わいだ

自分もここでランチ休憩とする

 

ここ石鎚山は西日本の最高峰

展望を期待していたが

生憎のガスが纏わり付いて

展望は皆無に近い

辛うじて最高点の天狗岳が

時折姿を見せるだけだった

その天狗岳、足跡を印したかったが

流石に山行三日目で体力的に余力無し

今回は見送ることとしました

 

 

 

さて下山、往路を戻るとします

山頂直下のお花畑を眺めて

 

 

 

三ノ鎖の巻道を下る

「お下りさん」は手摺の無い左側

恐らく積雪の被害を避ける為に

こんな造りになっているのだろうが

高さがあってかなりスリリングでした

 

 

 

二ノ鎖 一ノ鎖も巻道を通る

こちらは普通の登山道でした

 

 

 

夜明峠まで下ると

ヒヨドリバナの群生地

アサギマダラが数頭やって来て

吸蜜の真っ最中でした

 

 

 

道は更に下降を続けて

試しの鎖も巻道を下って

八丁坂鞍部まで下れば

成就社への登り返し

この辺りはブナ林が美しくて

少しばかり癒される

 

 

 

14:32

成就社まで戻って来た

もう登り返しは無い

 

 

 

成就社から幅広の参道を下る

路傍に咲くホトトギスの花を愛でながら

西之川への分岐点まで戻って来た

再度ここのベンチで一休み

エナジー補給を確りと済ませて

西之川への細道を下りだす

往きで取り巻かれた虻を警戒して

小枝を手にしてみたが

一向に虻は姿を見せず

本当に虻の活動条件は謎だ

尾根道は檜林へと入り込み

ジグを切って斜面を下りだす

高度が落ちると

纏わり付くような暑さがやって来た

檜林は杉林へと切り替わり

茶の木が其処かしこに現れる

右からの天柱石の道を合わせると

石垣と石畳の道

程なくして西之川の廃墟地帯

ここまで来れば登山口は間近

16:22

西之川の登山口へと

無事に下り立つ事が出来ました

これで四国の百名山二座は完登です

 

ところが、駐車場へと到着した途端

虻の大群の襲来

堪らずに車の中へと直ぐさま避難

虻はこんな所で待ち構えていたのでした

 

下山後はロープウェイ乗り場の温泉で

汗を流してリフレッシュ

ですが

完全にリセットが出来ないのは歳のせい?

更に明日の山へ向けて

車の移動はちょっとキツかった

ジプシーのような山旅は

まだ続きます