荒島岳 | 気ままにアウトドア

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2023年7月30日

 

 

白山を下山した翌日は荒島岳

遠路遥々北陸までやって来て

一座だけで帰るのは勿体ないという事で

そのお隣の百名山荒島岳を登ってみました

 

自身の百名山登頂数は八十数座を数えて

だいぶ完登も近付いてきました

今回、白山と荒島岳の二座を加えて

更に完登は近付いたのですが

残すところは遠隔地や

南アルプスなどの行き難い山ばかり

まだ体力のあるうちに

百名山は完登しておきたい

という想いもあるのですが・・・

 

 

 

 

 

この日、白山を下山後に

空き時間を利用して石徹白の大杉を見物

この荒島岳の勝原登山口へ戻って来たのは

夕刻の日没間際の時間でした

今夜もここで車中泊

標高340mのこの地は気温が高く

車の外気温計は28℃を表示

それでも関東の夜よりも余程低い気温

エアコンは苦手なので

自作の網戸を車窓に設置

ここは高台故に程よい風も抜けて

然程の暑さも感じずに

一夜を過ごすことが出来ました

 

翌朝、身支度をして

5:13

勝原(かどはら)登山口駐車場を出発

登りだしは真っ直ぐなコンクリート道

桜坂と名付けられたこの道には

桜の若木がズラリと植栽されている

将来、桜の名所を目指しているのか?

その桜の木一本一本に

寄贈者の名が付けられている

それにしてもこのコンクリ道

真っ直ぐに上部へ伸びる単調な道

花も無く面白味を見つけられない

 

 

 

その単調なコンクリ道を登り上げると

平坦地に出て右へと進路を変える

道は砂礫混じりの登山道

程なくして斜面の中にジグを切り始める

何気に見上げた梢には銀色の翅の蝶が舞う

時折オレンジ色もチラ見えするので

ウラギンシジミの雄だろう

小学生の時分、昆虫採集が好きで

この蝶をよく追いかけたものだった

よく見るとその木には

食草のクズの蔓が絡み付き

紫色の花が残ってた

 

 

 

6:08

地図にある元リフト終点を通過する

朽ちかけた鉄の構造物が横たわり

ここまでが嘗てのスキー場だった事が分かる

 

 

 

そこから僅かな距離

「荒島岳登山口」の標柱が現れる

スキー場が現役だった頃は

ここが登山口だったのだろう

 

 

 

その旧登山口を過ぎると

鬱蒼と茂る樹林の中へと入って行く

途中大きなブナの木が二本

門柱のように立っていて

その根元には作り物のようなタマゴタケ

直径20㎝はあろうかという

大きな笠には驚きました

生えてる場所が登山道の際故に

不用意な登山者に蹴られてしまわないかと

心配でしたが

下山時にもちゃんとその姿を留めてました

 

 

 

登るにつれて

辺りは美しいブナ林へと移って行く

 

 

 

6:59

白山ベンチへやって来た

樹林越しには昨日までいた白山が見えて

ここで少休憩、遅い朝食を摂る

 

 

 

道は相変わらず美しいブナ林の中

結構な急斜面の道が続き汗を絞られる

低標高で気温は高めなのもあるが

予想以上にキツイ登りだ

 

その急登道、至る所に天然木を使った

修繕の形跡が見られる

実際に辿って分かることだが

程よい段差に仕上げられて楽に足が運べる

この修繕は山を知る者の為せる技

そんな修繕を記すパネルが一枚

道中に掲げられていた

見ればこの道は

地元の荒島岳を愛する者たちによって

修繕され守られてきた経緯が

記されていた

なるほど、と納得して

その道を有難く使わせて頂いた

 

8:06

シャクナゲ平まで登り上げる

ここは小さな広場になっていて

西側からの中出コースとの合流点

ここを山頂方向へと進路をとる

道は一旦緩々と下りだす

直ぐに右手からの佐開コースを交えて

更に下れば鞍部へと辿り着く

その先は当然ながらの登り返し

目の前には「滑落注意」の看板

いよいよ”もちがかべ“の始まりだ

 

 

 

至る所にフィックスロープが付けられて

中々の急登道

ま、山慣れした者には然程の難しさは無いが

気を付けるに越したことはない

 

 

 

中程まで登ると北側の展望が開ける

正面は打波川の谷筋か?

その奥に昨日までいた白山

左側の高まりは経ヶ岳のようだ

 

 

 

更に”もちがかべ“は続く

フィックスロープに縋り

程よいステップに身を委ねて

身を押し上げて行けば

程なくして前荒島岳

すっかり道は緩やかになって

正面には中荒島岳が見えてくる

ただその直下には

急な砂ザレ道が見て取れる

 

 

 

だがしかし

その直下まで近付いて見れば

ここにもフィックスロープが下がり

特に問題なし

 

9:02

その中荒島岳を通過する

 

 

 

ここまで来ればもう荒島岳の頂稜部

言わばビクトリーロードだ

ここまで来て漸く花々が咲き出して

それを愛でながら緩やか道を辿れば

 

 

 

9:21

荒島岳の山頂へと辿り着く

 

 

 

山頂からは360°の大展望

北にはこれまで何度も眺めてきた白山の姿

その右側にはそれに続く峰々が望めるが

悲しいかなこの地の山には疎くて

山座同定とは行かなかった

だが、素晴らしい眺めには変わりはない

 

 

 

西側には大野市街を見下ろして

条件が良ければ日本海も見える筈だ

 

 

 

そして山頂にはカラフルな方位盤もあった

だがしかし

その山並みは大きく誇張して描かれて

実際の景色からはかけ離れ過ぎている

まあ、分かる人には解るのでしょうが

これを見てもどれがどの山なのか

皆目見当が付きませんでした

沢山の山名が記されているのですが

チョット勿体ない気もします

 

 

 

そんな山頂で一休み

百名山とは言えここは静かな頂き

滞在時間は30分にも満たないが

その間にやって来たのは三人だけ

今日は快晴の日曜日だというのに

こんな百名山もあるんですね

 

一休みの後、往路を戻る

中荒島岳からロープに縋って砂ザレ道を下る

 

 

 

前荒島岳の先は”もちがかべ“の急下降路

慎重に下ってシャクナゲ平に登り返せば

後は美しいブナ林を下るだけ

優しく仕上げられたステップに感謝しながら

急斜面の道を下って行けば

程なくして白山ベンチ

その白山を眺めれば

頂きには雲がかかりだしている

今日もやっぱり夕立はやって来そうだ

 

 

 

道は樹林帯を抜け出してスキー場跡地へ

標高が下がったせいもあるが

強い日差しに曝されて

咽るような暑さに見舞われる

やっぱり下界の暑さは半端ない

最後の桜坂のコンクリ道は

照り返しもあって灼熱地獄のようだった

 

12:51

勝原登山口へと

無事に下り立つ事が出来ました

 

荒島岳は標高1523m

真夏の低山は厳しいものがありますね

下山後は温泉で汗を流して

埼玉までのロングドライブ

この日はこれが一番の難関でした