2023年7月27~29日
(その二)からの続きです
今日の予定は山頂付近の花散策
なので、朝はのんびりと
準備をするつもりでしたが
明け方近くから
周りのテントの動きが聞こえてきて
早々と目覚めさせられてしまった
まあ、日の出前の清々しい空気感を
感じ入るのも悪くはないので
それも好しとしましょう
湯を沸かして柔らか目に作った
FDの五目御飯で朝食を済ませ
身支度をしてテントを出ると
既に朝日はかなりの高さまで昇り
朝露に濡れた夏草が
キラキラと光を放っている
今日も天気は上々
最高の登山日和だ
6:22
必要最低限の装備をサブザックに詰めて
テント場を後にする
先ずは北側の斜面を下る
辺りはハクサンコザクラのお花畑
恐らく遅くまで雪が残るのでしょう
ここはまだ初夏の装い
道は柳谷川のレベルまで下り
橋を渡ると直ぐに分岐点に差し掛かる
ここを展望コースへと向かえば
朝露に輝く笹原の中に木道が続く
緩やかに登る木道周辺にはオトギリソウ
朝のクリアな光に照らされて
朝露に濡れた花が煌めくように美しい
笹原の木道は斜面を横切る道へと変わり
柳谷川沿いに斜面を緩々と登り始める
この道沿いは高径草原
昨日から幾度も見てきたイブキトラノオ
ここでも沢山の花を咲かせる
勿論、オンタデやキンポウゲなど
他の花々も引けを取らず美しい姿を見せて
ここで柳谷川を徒渉する
水気を好むメタカラコウが
沢筋に幾つもの群生を形作って
見下ろせば黄色い帯が沢筋に並ぶ
そんな沢沿いの道はここから尾根へと移り
花々もそれに伴って
咲く種類も少しずつ変化をみせる
その尾根道はオオシラビソの樹林帯
やはりどの樹にも紺色の松ぼっくり
今年は実入りが良いのかな?
ホシガラスも喜びそうだ
そしてここは意外にも急登道
だが、今日は軽荷のサブザック
少しも苦にならず登って行ける
尾根道は樹林帯を抜け出してハイマツ帯へ
切れ落ちた東側斜面の際に続く
路傍にはピンクの花が幾つも花開いて
一見ハクサンフウロと思った花は
萼に毛の目立つイブキフウロ
ここにはどちらも混生していて紛らわしい
7:57
アルプス展望台までやって来た
東側にはその名立たるアルプス峰々が
靄の向こうに望める
条件が良ければ
南アルプスや富士山も見えると云うが
この季節にここまで見えれば
御の字というものか
南側には昨日辿った別山への稜線
右下方には南竜のテント場も見える
道は何時しか尾根を離れて
緩やかなハイマツ帯へと入って行く
ガンコウランの絨毯の中には
クロユリの群生
今が見頃の咲き具合
今年お初の花が嬉しくて写真を幾枚も撮る
後から登って来たご夫婦が
「室堂へ行けば沢山見られますよ」
と教えて下さいました
ですが、この後行ってみて分かった事ですが
確かに室堂平には多くのクロユリの姿
しかしどの花も盛期を過ぎて
終盤という感じだったのでした
ここで撮っておいて正解でしたね
クロユリ以外にも花が沢山
本家のハクサンフウロもそこかしこに
流石、白山の名を冠するだけあって
至る所に群れを成して
ちょうど見頃の時期のようでもありました
道は更に緩やかになって
正面には御前峰が見えてくる
右手からの平瀬道を合わせて
室堂へ向かう道はお花畑の只中
右も左も花々が咲いて天国のような美しさ
ツガザクラやイワカガミが
右手斜面に群生してちょうど目線の高さ
この手の花はいつも地面に這いつくばって
カメラを覗くのだが
ここでは楽して撮る事が出来た
道は何時しか室堂平へと入って
正面にはその室堂と
ビジターセンターなどの建物群が見えてくる
そしてそちらからは登山者たちの喧騒の声
如何やら建物周辺は賑わっているようだ
という事で
苦手な人混みを避けるように
室堂手前の道を御前峰方面へと折れる
するとそこはまたまた凄いお花畑
ハクサンフウロ ハクサンボウフウ
その中にコバイケイソウの葉が
アクセントを加えて
中々見事な景観を創り出してました
こんなお花畑に出会ったのは何時以来?
数年前に北海道を訪れた時
化雲岳のチングルマの大群生は
今でも忘れられない見事さだったけれど
あれは単一の花の美しさ
こちらはピンクや白にクロユリの黒と
微妙に異なる葉っぱの緑
まるで印象派の絵画のようにも見える
いやいや、ここへ来て
こんな景観に出会えるとは
遠路遥々やって来た甲斐がありました
道は緩やかだった室堂平から
徐々に傾斜を付けて斜面を登り始める
目指すは白山の最高峰 御前峰
標高2500mを超えて
少しずつ息が上がりだした
(その四)へ続く