鶏頭山から早池峰山へ(その二) | 気ままにアウトドア

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2023年6月25日

 

 

(その一)からの続きです

 

 

 

 

 

 

11:20

険しい岩場の連続する中岳へと辿り着く

彼方の早池峰山方面を望めば

相変わらずの岩稜がコメツガの海に見え隠れ

更にその海はガスの縁へと消えている

次なるピークは早池峰山なのだが

未だにその姿を見せてはくれない

 

中岳から再びそのコメツガの海に入って行く

大岩を巻き泥濘に難儀しながら

縦走路を辿って行けば

小さな露岩部に辿り着く

ここで大休止

ランチタイムとする

ここまで休憩の出来そうな場所を

探しながら歩いてきたが

漸く乾いた場所に辿り着いたのだった

ここからは待ち望んでいた早池峰山の姿

ゴツゴツと盛り上がった高まりの向こうに

小さく山頂らしき頂きが見えた

思っていたより意外に遠いな

 

そしてこの露岩部で

ハヤチネウスユキソウを見つけたが

まだ白い綿毛に覆われた葉に包まれて

まだ蕾も見えぬ状態

先程より200mほど標高が上がった分

開花にはまだ時間が掛かりそうだった

 

縦走路はコメツガ帯から

ハイマツ帯へと切り替わり

再び高山植物たちの花々が見られ始める

 

 

 

ここで早池峰山からの

ガイドツアーグループとすれ違う

自身の辿るルートの逆ルートだという

朝一のバスで小田越登山口に着いてこの時刻

下山が遅くなるような気もするが

早池峰山からはほぼ下り基調

故に少しは早く下山出来るのかも知れない

 

 

 

岩間にはポツポツとハヤチネウスユキソウ

やはりまだどれも開花には早く

漸く一株だけ蕾のものを見付ける

先程の1500m付近の自生地で

もっとよく見ておけば好かったと

少しばかりの後悔心が湧く

 

 

 

13:18

”あきらケルン“までやって来た

目前に迫る高まりが恰も山頂という趣き

だが、山ではよくある偽ピーク

疲れはそんな思い込みも誘発してしまうが

GPSが山頂はその向こう側と教えてくれる

山頂は思いの外遠い

 

相変わらずゴツゴツとした岩の道は続き

少しずつ山頂に向かって高度を上げて行く

 

 

 

その偽ピークを登り上げると

前方に漸く本物の山頂が見えてくる

ゴツゴツの岩道は幾分傾斜を増して

ハイマツも姿を消した

いよいよ草本だけの世界

 

 

 

点在する大岩を横目に岩道を辿ると

程なくして傾斜が緩み

緩やかな山頂部に辿り着く

だが、目前の頂標と思った標柱は道標だった

山頂はここではないようだ

その道標に従って岩間を歩いて行くと

13:52

赤茶けた祠の前に躍り出て

そこが早池峰山の山頂だった

 

 

 

しかし、山頂には誰もおらず

人気の百名山にしては

拍子抜けするほどの静けさだ

まあ、バスの便を考えると

午後のこんな時間に

人が居ないのは当然のことでした

 

さて、何時もの展望写真ですが

今回はガスで真っ白という事で

残念ながら撮影せずに下山の途へ

 

山頂避難小屋前にはヤマガラシ

そしてミネザクラの花も

ここには漸く春がやって来たばかり

 

 

 

そして避難小屋前を下ると

確りと整備された木道の敷設

利用者の数の違いからか?

先程の縦走路とは整備具合が格段の差ですね

 

 

 

木道脇には沢山のイワカガミ

場所的にコイワカガミかと思ったが

花数や葉っぱからイワカガミと断定

このお花畑は木道沿いに

早池峰剣ヶ峰分岐まで楽しませてくれた

 

 

 

その分岐点を小田越登山口方面へ

ここからは斜面のガレ道

砂礫混じりのガレ道は歩き難く

疲れた脚を慎重に繰り出して下って行けば

目の前に現れたのは

スラブに施されたハシゴ場

小田越ルートではよく話題にあがる場所ですね

 

 

 

そのハシゴ場を慎重に下って

再び砂礫混じりのガレ道

幾分傾斜も落ちて怖さは感じないが

歩き難さは変わらずだ

 

 

 

五合目辺りから再びお花畑の密度が高まる

今が見頃のミヤマシオガマ

そこかしこにゴージャスに咲き誇って

 

 

 

そしてハヤチネウスユキソウは

この高さまで下りて漸く花を咲かせ始めた

早池峰山は半ばこの花が目的で

やって来たようなものなので

漸く満足のできる花に出会えて

目標達成という気分になれた

 

 

 

ゴージャスなお花畑の道は

岩上を渡る道に切り替わる

遠景を隠していたガスも

気付けば何時しか上空へと移り

下方には小田越登山口も俯瞰出来る

程なくして樹林帯の中へと入って行けば

道は更に傾斜を緩めて

15:40

無事に小田越登山口へと下り立った

バス停には最終便を待つ二人の登山者

訊くと時間が足らず

あのハシゴ場手前で引き返して来たとか

バス便頼りのこの山は

そんな制約が付いて回りますね

 

自身はその最終便に間に合わなかったら?

という不安から

今回はここへMTBをデポした訳ですが

結果的には最終便に間に合った形でした

 

 

 

そのバス停傍には昨日デポしておいたMTB

ちゃんと待っててくれました

 

 

 

後はここから岳の駐車場まで

標高差約750m約9㎞の道のりを

一気に下って行きます

峠からアスファルトの坂道を下りだすと

案の定、路面は濡れた状態

濡れたアスファルトは滑りやすくて

カーブの連続する道は気が抜けません

ただ、スピードを控えれば問題無し

軽快なダウンヒルは

ペダルを漕ぐ事も殆どなしでしたが

ブレーキの酷使で焼切れないか

そちらの方が不安材料でした

ですが、そんな不安を感じながらも

何事も起こらずに約15分ほどで

無事に岳の駐車場へ到着です

 

 

 

鶏頭山からの縦走と

ハヤチネウスユキソウを含める高山植物群

今回、どちらもクリア出来て

とても満足な山旅となりました

この後、翌日は秋田駒ヶ岳を予定

麓の道の駅”雫石あねっこ“へ移動して

この夜も車中泊でした