会越国境 毛猛山を目指して | 気ままにアウトドア

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2023年3月28日

 

 

新潟福島県境にひっそりと鎮座する毛猛山

何時かは頂きに立ってみたいとの想いで

昨年の春に一泊の予定でトライ

だが、結果は体力不足から

届いたのは手前の太郎助山まで

毛猛山は手強い山と

思い知らされたのでした

 

それなのに今年も春がやって来ると

毛猛山の文字が脳裏に浮かび

凝りもせずテン泊の準備をする自分

やっぱり諦め切らないのです

 

 

 

 

 

 

何時ものように前夜に現地入り

大白川の冬季閉鎖地点で車中泊

 

翌朝、身支度をして

5:58

車を出発

昨年は一泊の予定で入山したものの

体力と時間切れから目的地に届かず

今回は時間に余裕をと

二泊の予定で準備をした

従って食料を三日分と水も5ℓ

(雪を融かした水は苦手なので)

勿論、雪山テン泊なので

スノーシューやスコップなど

ザックの重さは25㎏に達した

 

そんなザックを背負って国道を歩き出せば

直ぐに除雪開始地点

 

 

 

そこから暫くは

重機のキャタピラ跡を辿る

雪の状態は圧雪状態で歩きやすい

だが、程なくしてそのキャタピラ跡も終わる

そこは左側斜面からの雪崩頻発場所

如何やら直ぐ下を通る只見線に

雪が落ちないよう

定期的に除雪をしているようだ

 

その除雪箇所から先は

無垢な雪面が始まる

前日までの雨のせいか

表面の締まったモナカ雪

ツボ足では歩き難いので

ここでスノーシュー装着

俄然歩き易くなったものの

背中のザックはずっしりと圧し掛かったまま

こんなで今日一日歩き通せるかな?

と、不安になる

 

程なくして最初のスノーシェッド

中は雪がなくアスファルトがむき出し

スノーシューを傷めたくはないが

距離は僅か170mだし

ザックの降ろし担ぎと

脱着の労力を考えると

このままアスファルト道を歩いてしまうのが

賢明な策と判断

カララ カララと

スノーシューを引きずりながら

スノーシェッドを通り抜ける

 

 

 

その先も相も変らぬ雪道なのだが

雪面を良く観察すると

古いスノーシュー跡が見て取れる

時間的にはかなり以前のものなのだが

毛猛山へ向かう輩が

少なからずいるのだろう

 

 

 

道すがらの樹には

枯れた花殻が風に揺れる

ツルアジサイかと思ったが

よく見ると装飾花は一枚

如何やらイワガラミのようだった

 

 

 

更に二つ目のスノーシェッドを通過して

そしてその先には

やけに大きく見える道路標識

近付いてみると何て事はない

積雪で嵩上げされて

近くに見えるだけだった

そんな代わり映えの無い雪の国道を

僅かな楽しみを見つけながら歩いて行く

 

 

 

 

冬季閉鎖地点から二つ目の橋に差し掛かる

距離にして3.8㎞の地点まで来ると

前方にこれから向かう頂きが見えてきた

今日の簿営予定地は

あの足沢山の向こう側なのだが

何か様子がおかしい

 

 

 

その足沢山をズームアップしてみると

尾根筋には全く雪がない

という事はずっと藪漕ぎか

昨年はこの尾根筋には雪があって

藪漕ぎは下部のみだったが

今年は少雪という事で

時期を数日早めて来たのだけれど

予想以上に雪が少ない

 

 

 

豪雪地帯の藪漕ぎの大変さを

知る人は少ないと思うが

下方を向いた藪を漕ぎ上がる事が

どれ程大変かは

未経験者でも想像出来ると思う

それも重荷を背負って

何時間もの格闘となると

労力は測り知れないくらい大きくなる

尾根の取付き点までは

あと約1.2㎞を残すのみ

だが、あの尾根筋を見てしまったら

モチベーションはすっかりガタ落ち

立て直す気持ちにもなれなかった

という事で

ここで潔く撤退を決める

こうなる事は

ある程度の想像はしていたけれど

やっぱりチョット残念な気持ちは否めない

なので復路の国道歩きの

長かった事長かった事

 

11:00

冬季閉鎖地点まで戻ると

昨年到達した太郎助山が見えていた

やっぱりそちらの尾根にも雪がない

朝の出発時点でそれに気付けば

こんな無駄足を踏まなくても済んだはずだが

出だしは気持ちが急いて

そんな余裕はないのが常か

 

 

 

年々温暖化が進んで

こんな山は狙えなくなって来ている

毛猛山は自分の中では

未だに遠い山という位置付け

来年こそはという想いは

また一年、燻ぶり続ける事だろう