稲荷川氷瀑探検と雲竜渓谷(その一) | 気ままにアウトドア

気ままにアウトドア

気の向くままに四季折々
  自然の中を流離う

2021年1月20日

 

年明けから幾度も寒波が押し寄せる日本列島

日本海側は度々大雪に見舞われて被害も続出

そんな今年の冬でやはり気になるのが

日光の雲竜渓谷

今年の氷瀑は如何なものか?

下見がてらに稲荷川を遡ってみました

 

 

東照宮裏手の稲荷川林道を上って行く

例年なら滝尾神社辺りから雪道となるのだが

今年は全く雪が無い

二駆のまま終点のゲート前まで行くと

僅かなスペース故に満車状態

Uターンして下部の路肩に車を停める

流石、人気の雲竜渓谷

平日でもそこそこに入山者がいるようだ

 

身支度をして

8:21

車を出発

気温は-8℃、今朝も良く冷えてます

林道を100mほど歩いてゲート前登山口

ここを右側の稲荷川堰堤散策コース方面へ入ります

 

ゲート前登山口

 

 

林道を先ずはゆっくりペースで上って行き

砂防橋を渡り左岸へ

ここで展望台への道を右に分け

更に左岸の林道を進む

路面には夥しい土石が散らばる

これも2019年の台風の仕業か?

稲荷川は崩れやすい火山性土壌地帯

古より多くの治山事業が行われてきた場所だ

中程に昭和8年施工の砂防ダムがある

いつもはスルーしているが

今回は気が向いて覗いてみる事にした

急な丸太階段を下ると

朽ちた見晴台に出る

正面には間知石が積み上げられた年代物の砂防ダム

登録有形文化財に指定されているが

まだまだ現役のようだった

 

昭和8年施工の砂防ダム

 

 

林道へ復帰して更に上って行く

正面に巨大なコンクリート構造物が現れる

稲荷川最大の日向沢砂防ダムだ

 

日向沢砂防ダム

 

 

林道はこの直下で終了

9:10

巻道で左岸の斜面を登って堰堤上に出る

堤上は中々の展望台

上部の女峰山を仰ぎ見る事が出来る

 

日向沢砂防ダムより女峰山を望む

 

 

提上は広々とした広河原

その中を流れる一筋の流れを渡渉して

右岸寄りの河原を遡る

通常はここから右岸側の林道へ入るのだが

今回は沢通しに遡ってみる

工事用重機の置かれた上部から雪の河原

もう一度渡渉をして左岸側へ渡る

ツボ足もそろそろ限界を感じて

キャンプ場跡地でアイゼン装着

再び渡渉して右岸側へ渡れば

今回最初の氷瀑群

高さはそれ程でもないが横幅はかなりのもの

ここは知る人ぞ知る氷瀑群だ

以下その氷瀑群

 

 

 

小振りでも中々の氷瀑群を堪能して

更に稲荷川を遡ると

その先に堰堤が一つ現れる

ここは左岸の凍結斜面を攀じ登る

高さは2m程だが

氷に前爪とピッケルを突き立てて這い上がる

そんな危うい場所をクリアすれば

その上部に洞門岩が見えてくる

奥には赤薙山の岩壁がチラリと見えて

「いい眺め」と独りほくそ笑む

 

洞門岩の狭窄部

 

 

左岸は見上げるほどの岩壁

 

洞門岩左岸

 

 

正面は幅2m程のゴルジュ

 

洞門岩内部

 

 

ここは右岸の壁を攀じ登るしかない

幸い、今年は雪の無い状態

アイゼンとピッケルを突き立てて

草付き斜面を攀じ登る

 

右岸の草付き斜面を攀じ登る

 

 

中程のバンドの危ういトラバースも

無事にクリアすれば

その上部は雪の斜面

立ち木に縋りながら登り切ると

そこが洞門岩の表示のある林道広場だ

 

本日最大の難所を無事にクリアして

再び河原への道を辿る

ここから先は皆さんも利用されている”沢コース”

10:35

巨大なメッシュの砂防施設を通過して

左岸の巻道へと入り込む

 

特徴的な砂防施設

 

 

今年は雪が少ないせいか

地面が露わな部分も多い

 

沢コース

 

 

道は一度河原へ下りて渡渉

今年は水が多いのか流れの幅が広め

至る所に足跡があって

皆さん苦労して渡っているようす

 

 

 

 

そこを右岸へ渡った所で

早めのランチ休憩

ちょうど日溜まりのような岩場は

休憩には好適地でした

 

ここからは右岸の巻道

一頻り斜面を登って林道へ出る

正面は数年前に出来たばかりの砂防ダム

こちらも例にもれず氷瀑状態

これはこれでまた見応えのあるものでした

 

凍り付いた砂防ダム

 

 

そこから林道をひと登り

 

11:19

雲竜渓谷入り口の広場に到着

 

入口広場から雲竜渓谷方面を望む

 

 

広場の下は広河原

その先に目指す氷瀑群が小さく見える

さて、雲竜の奥壁に守られた

今年の氷瀑群はどうだろう?

期待を胸に河原への階段へと踏み出した

 

 

 

(その二)へ続く

 

 

***

 

日向沢砂防ダムより洞門岩への

沢通しの道はありません

また、洞門岩登攀は

クライミング技術が必要です

日向沢砂防ダムより洞門岩へは

一般ルートの林道を行く事をお勧めします