宮ヶ瀬から丹沢山(その一) | 気ままにアウトドア

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2019年11月21日

 

二週続けての丹沢山系です

 

何時ものごとく前夜に宮ヶ瀬に着くと

県道70号線が想定外の通行止め

 

今回は宮ヶ瀬から丹沢山へ登り天王寺尾根を下って

塩水橋から県道をMTBで宮ヶ瀬へ戻る

という予定でやって来たのですが

県道が通れなければその周回は不可能

予定変更を余儀なくされました

 

今回の山行にあたっては

事前に林道情報を確認してきたのですが

予定していたルート上の通行止め情報は見当たらずでした

なので安心しきってやって来たのですが

まさかの県道通行止めとは・・・

林道と県道は管理者が違うので

確認したサイトには載ってなかったのでした

詰めが甘かったですね

 

と、いう事で

今回は宮ヶ瀬から丹沢山のピストンです

 

 

 

宮ヶ瀬へ着いて通行止めを知り啞然としましたが

気を取り直して先ずは駐車場へ

予定していたのは吹風トンネル手前の駐車場でしたが

こちらもまさかの閉鎖状態

(閉鎖後かなりの年月が経ってるもよう)

(GマップにはPマーク載ってるんですけどね)

仕方なく通行止め表示の傍に

スペースを見つけて駐車しました

 

翌朝、身支度をして

5:39

ヘッデンを点けて車を出発

5分程県道を歩いて登山口

 

 

 

道はかなりの傾斜で始まる

真っ暗な夜道

見えるのはヘッデンの照らす僅かな範囲と

自身の吐き出す白い息

聴こえるのはザックに下げた熊鈴と

自身の踏みしめる落ち葉の音

視覚からの情報が極端に減ると

聴覚が敏感になる

少ない情報を補うために

人の脳は無意識にモードを切り替える

良くできているものだ

 

時折、宮ヶ瀬の方向から飼い犬の遠吠えと

県道を走る車の音が聞こえる

そろそろ人々の活動が始まる頃

左手に細長い石造りの階段

ヘッデンを向けると上部に鳥居が見えた

里の人々に信仰される社のようだ

 

壊れた防獣柵のゲートを潜り植林地へ

辺りが徐々に明るくなってくる

 

もう一度防獣柵ゲートを潜ると植林地を抜け出した

道は斜面に付けられたトラバース道へ切り替わり

辺りの樹々の色付きが感じられる

写るかな?

ダメもとでISO感度1600で撮ってみた

今のデジカメは凄い

確り明るい景色が写ってた

 

肉眼では薄っすら色が分かる程度でもこの写り

 

 

徐々に明るさがやって来ると

感覚は聴覚から視覚主体へと移って来る

前方の路上に垂れ下がるミツバツツジに

白く輝くものが一つ目に付いた

近寄って見ると

ウラギンシジミ(蝶)だった

 

ふと、幼少時の記憶が蘇る

 

晩秋の晴れた日に見た柿の木の出来事

熟れた柿の実に多くのウラギンシジミが群がってた

吸蜜は越冬前の大事な栄養源

遠巻きでも分かるほど

周囲をピカピカ光り輝き飛び回る

内側が朱色の翅は雄の蝶

水色の翅は雌の蝶

青くすばしっこいのはルリタテハ

赤黒く渋い奴はキタテハ

ピカピカの中に違いを見つけては

飛び回る蝶を眺め続けた

冬に向かうこの時期

虫たちは姿を潜めてしまうが

この蝶は遅くまで姿を見せて

虫好きの少年を楽しませてくれました

 

白く輝くウラギンシジミ(ISO1600撮影)

 

 

光とともに朝は急激にやって来る

ヘッデンの照らし出す輪郭が曖昧になって

東の空がかなりの明るさになりだした

北側の巻道から尾根に出ると御殿森ノ頭分岐点

ここを戻るように山頂方面へ

山頂へ登れば朝日が望めそうと思ったからだ

山頂へ着くと既に日の出は過ぎて少し太陽が上った状態

速足気味に登ったつもりでも遅かったようだ

まっ、これはこれでステキな日の出でしたが

 

御殿森ノ頭で日の出を迎える

 

 

山頂にあった小さな祠

 

 

朝日を受けて紅葉も色を現す(ISO640)

 

 

縦走路へ戻り緩々と西へ向かう

古びた自然石の石段が現れる

苔生して長い時が滲み込んだような趣きに

古道の面影を感じる

 

 

 

 

653mピークを過ぎると

東側斜面の道

一部樹林が切れて視界が開ける

振り返ると紅葉に染まる御殿森ノ頭

遠くには東京郊外の街並みが見える

 

御殿森ノ頭(左)と高取山(右) 奥は府中市辺りか?

 

 

足元に目をやると小さな白い花

殆んどの物は実を結び枯れ始めていたが

数本の花を残したアキカラマツ

この時期に花を見れたのは嬉しい

 

アキカラマツ

 

 

7:26

高畑山巻道分岐点

ここは巻かずに山頂方向へ

道はそこそこの傾斜で登って行く

 

7:33

平たい広場の高畑山山頂へ到着

 

高畑山山頂

 

 

ここのベンチで朝食タイム

気温は低めでしたが風もなく穏やかで

ほっとする山頂でした

 

山頂のカラマツ林

 

 

道を更に西へ

鞍部まで下ると杉の植林地

青宇治橋への道を左に分けて杉林を抜け出すと

道は尾根を乗り越えて北側斜面のトラバース路へ

日が当たらずに寒さを感じるが気になる程度

それよりもチョット危うい感じの桟橋がスリリングでした

 

 

 

 

道は徐々に険しくなって

本日最初のクサリ場を通過

 

 

 

8:17

金冷シ

塔ノ岳にも同名の地があるが

風の通り道という事か?

 

 

 

この辺りから切れ落ちたヤセ尾根道

幾本かのクサリ場と桟橋と細いトラバース道

 

宮ヶ瀬湖と街並みを見下ろして

 

 

この辺りが一番の難所かな?

ちょうど、空木岳の大地獄のような雰囲気で

確り緊張を緩めずに通過すれば

然程の難しさではなかった

 

松小屋ノ頭を過ぎると

再び南側斜面のトラバース路

穏やかな日差しを受けて

緩やかに登って行く

 

 

 

 

道はトラバース道から尾根道へ切り替わり

確りと斜面を登り出す

 

太く大きな樅ノ木が幾本も現れる

一角は緑濃い樅ノ木林

その中の立ち枯れた樹に大きなサルノコシカケ

人が腰掛けても大丈夫そうなほどの大きさに

思わず座ってみようかと思うほどでした

(腰掛けませんでしたが)

 

 

 

更に斜面を登って

大きなブナの木が立ち並ぶブナ林

雪国の伸びやかなブナ林とは違い

丹沢は太平洋側のブナ林

ズングリ太くてコブコブの古木は

神々しくもある

 

 

 

 

9:59

本間ノ頭へ到着

一先ず長い登りはひと段落

 

本間ノ頭山頂

 

 

ここのベンチで少休憩を執る

進むべき丹沢山の方を見ると

樹の間越しに幾つもの峰が折り重なる

丹沢山は見えてるのかな?

この先は丹沢三峰

今回の核心部を前に

ワクワク感が芽を出した

 

 

 

 

(その二)へ続く