日時
2017年3月11日
ルート
美濃戸口⇒美濃戸山荘⇒行者小屋⇒文三郎道分岐⇒阿弥陀岳⇒御小屋山⇒美濃戸口
***
今年二度目の八ヶ岳は阿弥陀岳でした
無雪期には何度か登ってるのですが
あの斜面に雪が着いたらどうなんだろうと
イマイチ登ろうという気になれずにいましたが
先週の西黒尾根を登れたことで
すっかり気を良くして
調子に乗って行って来ました
これはあくまでも好条件が揃っての事と
自分に言い聞かせてのトライ
少しでも不安を感じさせる要素があれば
躊躇なく撤退と決めてました
ではレポの始まりです
***
いつもの”道の駅信州蔦木宿”で前泊後
美濃戸口入り
快天の週末と言う事もあり
既に沢山の車が停まってました
身支度を整えて
6:56
美濃戸口を出発
林道に入ると直ぐに凍結路面
先月来た時は圧雪路面でしたが
ここ数日の春めいた天気で
融解凍結が繰り返されたのでしょう
なので歩くには不安定この上なし
早速チェーンスパイクを装着
アイゼン程のガッチリ装備ではなく
この位の装備が程よい具合でした
7:55
美濃戸山荘を通過
ここの分岐点を南沢方面へ
道は良く踏まれてます
樹林帯の中、気温は上がらず
美濃戸口で車の外気温計が-10℃だったから
ここはもう少し低い筈
喉を潤そうといつものポカリスエットを飲もうとしたら
シャーベット状になってました
先週の谷川岳では登山口で-7℃
液状をキープしてたんですがねー
どうやらこのポカリってやつはその辺が限度なのかな?
(テルモスに暖かい紅茶も持ってます)
南沢の道も上空が抜ける所まで登ってきました
いつものように横岳が顔を出せば行者小屋は直ぐ
次に逆光のなか赤岳が姿を見せ
阿弥陀岳も見えてくる
阿弥陀岳
10:02
行者小屋へ到着
行者小屋 奥は横岳岩壁
ここでエネルギー補給して
チェーンスパイクからアイゼンへ
ストックからピッケルへとチェンジして
文三郎尾根へと向かいます
阿弥陀岳分岐点では阿弥陀へ向かうトレースあり
かなり確り踏み固められていますが
おそらく北陵を登るクライマーさんのもの
この時期は一般登山者の向かうルートではありませんね
分岐点付近より望む阿弥陀岳
文三郎尾根に取り付くといきなりの急登道
何度も登ってるので驚きはしませんが
いつもエネルギーを絞られる道です
取り付きはこんな道
山頂から下りて来た方に
上部の風の様子を伺うと
「風は殆んど無い」との事でした
なので、ここでシェルを脱ぎます
登りで汗を掻きたくないですからね
急登道の文三郎道
中岳(左)と阿弥陀岳(右)
雪面に踊るダケカンバ
赤岳西壁を見上げる
八ヶ岳において影の薄い中岳ですがここから見ると中々の山ですねー
分岐点が近づくと弱いながら風が出てきました
なので、やはりここでシェルを着込みます
小まめな体温調節は大事な事
クライマーさんが赤岳西壁を登ってました
阿弥陀岳(奥)
11:59
文三郎尾根分岐点
ここを阿弥陀岳方面へ
こちらへ向かう人は少ないようで
トレースは薄く続いているだけ
風衝地なので雪も固くパックされてました
先行する登山者が一人鞍部に見えます
アイゼンの爪をサクサク小気味よく効かせて
12:09
鞍部に降り立つ
鞍部より中岳を見上げる
鞍部より望む権現岳
さて、中岳への登りは意外にも楽勝でした
昨年に登った時はテント担いでたからかなー?
なんて思い出しながら
12:21
中岳山頂へ到着
中岳山頂 (奥は阿弥陀岳)
中岳山頂から望む赤岳
中岳山頂より望む阿弥陀岳(ガスってきましたね)
山頂の先にはリッジの通過が待ってました
南側(左側)には雪庇も出来てましたが
谷川岳から比べると可愛いものでした
やはり、絶対的な降雪量の違いを感じますね
ま、それはそれとして
注意して通過しなければならないのには変わりはありませんが
瘦せた尾根を通過する
12:38
阿弥陀岳との鞍部に降り立つ
見上げればかなりの傾斜の壁
怖さ半分ワクワク感半分
自分はこう言う雪壁の魅力に引き込まれ始めてるのかも?
鞍部より阿弥陀岳を見上げる
さあ、上り始めましょうか
先行するお兄さんを見上げ
落ちないでよー
受け止められないからねー
的な思いで雪壁に取り付きます
先行するお兄さん この壁は癖になる?
中程から鞍部を見下ろす
雪質は良好
アイゼンが程よく効いて
トラバース部分も難無くクリア
急斜面はひと段落 若干傾斜も緩む
山頂はもう少し
北陵をクライマーさんが登って来てました
13:10
阿弥陀岳山頂へ到着
阿弥陀岳山頂
山頂には先行していたお兄さんと
もう一人の方だけでした
意外に静かな山頂と
冬の阿弥陀初登頂に
思わずニヤニヤしてしまいました
先程まで山頂付近に懸かっていたガスも
上昇しだして展望も広がり始める
昨日の予報では
茅野市方面は日中雷の注意必要とありました
上空と地表の寒暖の差が激しいって事ですよね
ガスが昇ったって事は
寒気が緩みだしたと判断して良いのかな?
山頂より赤岳を望む (手前は中岳)
辛うじて富士山の姿が
展望を堪能したら
本日の下山ルート
御小屋尾根へと向かいます
先ずは摩利支天の通過ですが
その前に細いリッジを通過してから
摩利支天のクサリ場へ
際どいですが慎重に通過すれば問題無しでした
リッジの先の摩利支天
摩利支天のクサリ場
本日の核心部はこれにて終了
後は御小屋尾根を下るだけです
阿弥陀ノ肩より摩利支天(左)と山頂(右)を振り返る
13:25
阿弥陀ノ肩の下降点
阿弥陀ノ肩から下降ルートを見下ろす
下りだして見ると
まだまだこちらも核心部なのでした
フィックスロープはあるものの
着雪は薄くミックス壁状態
ピッケルとフィックスロープに縋り
後ろ向きに慎重に下るのみでした
下りて来た斜面を振り返る
嫌らしい下りは上部のみでした
後は快適な下降の始まりです
北八ッ方面 (左から 蓼科山 天狗岳 硫黄岳)
御小屋尾根を見下ろす
もう直ぐ樹林帯と言うところで
一人の登山者が休んでました
ここはちょうど日溜まりのような場所
なので、ここで昼食タイムとします
休んでいた方は
見るからにご高齢と言う感じ
訊くと、中央稜を登って
御小屋尾根を下る途中との事
ザックにはダブルアックスが括り付けられ
ただのお年寄りでは無さそう
自分もこんなお年寄りに成れたらな~
と、理想の人物を見た想いでした
山頂を見上げる
権現岳がかっこいい!
南アルプスのスターたち
道は樹林帯の中へ
しかしながら、急傾斜は止めることを知らず
どんどん高度を落として行きます
急傾斜は続く
14:49
不動清水入口を通過して
やっとゆるゆる道に変わる
駄菓子菓子
(だが、しかし)
緩~い登り返しがあったりして
一向に高度が落ちない地味に疲れる道でした
ゆるゆる道が続く
時々見える権現岳が気を紛らしてくれる
15:23
御小屋山頂を通過して
その先の分岐点を右へ
美濃戸口方面へと下って行きます
御小屋山頂
この道は初めて通る道
意外に急下りである事を知りました
16:24
御小屋山登山口へ到着
ここからは別荘地内の舗装路
アイゼンを外して
舗装路をてくてく
しかし、至る所に凍結路面が出現
疲れた脚ではバランス取りが悪く
こりゃあまいったなー
と、雪の中に逃げる
ここでトドメを一発喰らう
案内表示通り下って来た筈なのだが
ロストしてしまった
どこかで表示板を見落としたか?
それとも完備されていないのか?
まぁ何れにしても低い方に下って行けば
美濃戸口へたどり着けるんじゃないかな~
と、野性的感性で下って行くと
表示板が見つかりました
17:05
美濃戸口の駐車場へ到着
美濃戸口から車で下って行くと
ミラーに八ヶ岳が見えてきました
ちょうど日没直後の時刻
アーベントロートの八ヶ岳に
満月と言う組み合わせ
車を降りて暫し見惚れてしまいました
アーベントロートに染まる横岳と阿弥陀岳
今日は約10時間行動となってしまいました
振り返ってみれば
やっぱり最後は脚に疲れが来て
御小屋山の下りが辛かったですね
手強いぞ!御小屋尾根ルート
自分にはそう記憶される事でしょう