2025年8月31日
今年は暑い夏だというのに
ここのところ標高の低い山ばかり
たまには高くて涼しい山に登りたい
という事で
久しぶりに北アルプスの
爺ヶ岳を訪れてみました
何時ものように前夜に現地入り
扇沢橋の袂の登山者駐車場で車中泊
翌朝、身支度をして
5:48
駐車場を出発
扇沢橋を渡ったところが柏原新道登山口
もう何度も訪れているこの登山口
少しずつ設置物は代わっているものの
変わらぬ雰囲気が保たれていて
懐かしい記憶と共に安心感がこみ上げる
左手に扇沢の砂防提を見て
登山道に踏み込めば
石畳様に良く整備された道が始まる
この柏原新道は全国の数ある登山道の中でも
ダントツの歩き易さで定評がある
名前が示すように先代の種池山荘主人が
登山者目線で整備した道で
大きな段差や遠いステップは極力減らして
重荷を背負った登山者に
負担の少ない道となっている
ただ、稜線までの長い歩行距離と標高差が
その素晴らしい道である事を
どこかに追いやってしまっているけれど・・・
6:44
八ッ見ベンチまで登ってきた
ここから八ヶ岳が見える筈なのですが
今日は雲があってそれは叶わず
ここで遅い朝食タイムとする
相変わらず歩きやすい道は続くのだが
稜線に向かっての道は思いの外急登道
数え切れない程のジグを切って
徐々に高度を上げて行き
道は何時しか尾根を外れて
西側斜面のトラバース道へと切り替わる
7:29
ケルンを通過
その前後には西側が開ける展望地
黒部の入り口、扇沢駅を見下ろして
蓮華岳から岩小屋沢岳へと続く
針ノ木サーキットの頂きが仰ぎ見れる
日の射す路傍には
晩夏の花や実が目を楽しませてくれる
道は緩々と高度を上げて
8:48
石畳の部分へと辿り着く
ここも一見
雑に石を並べてあるように見えるけれど
歩いてみれば
歩きやすく石面を揃えてある事が分かる
こんな大きな石の面を揃える事は
並み大抵の事ではない
増してやこんな山中では重機など考えられず
全て人力での仕事のはず
本当に大変な作業だったに違いない
石畳を過ぎると
徐々に緩やかとなって水平道に切り替わる
石ベンチで一休みしてエナジー補給
アザミ沢のザレ場を通過すれば
道は徐々に険しさを増す
10:08
鉄砲坂の石畳道までやって来た
もうここまで来れば稜線は近い
ジグを切りながら急斜面の道を辿れば
辺りは何時しか森林限界を抜け出して
高径草原の中の道となる
草原には夏の名残の花々がそこかしこに咲き
石畳道の先には突如として種池山荘が現れる
辛い登りの末にこのシチュエーション
毎度の事だが
このホッと出来る瞬間が堪らない
10:29
その種池山荘まで登り上げて一呼吸
小屋周辺は高径草原のお花畑
そして山頂へ向かう道すがらにも
花たちが咲き競う
晩夏となって花の盛期は過ぎてしまったけれど
まだまだ楽しめるお花畑だった
お花畑を過ぎてハイマツ帯へ入ると
目指す爺ヶ岳の山頂が見えてくる
残すところ標高差にして200mほどなのだが
疲れて来てるせいもあって
やけに遠いように思える
ハイマツ帯の一角に開けた展望地が現れる
西側にはガスに飲み込まれる寸前の剱岳
そして北方には辛うじて鹿島槍ヶ岳南峰
この時間になるとお決まりのように
安曇野側から雲が湧き上がってきて
スッキリとした姿は望めなくなる
爺ヶ岳南峰への上りはザレた急登道
幾分重たくなった脚で
ザクザクと砂礫の道に歩を進めて
南峰直下で巻道に進路をとる
前方には爺ヶ岳中峰
一旦鞍部へ下って登り返しが待っている
路傍には早くも色付きだしたウラシマツツジ
深紅に染まる日も近いだろう
そして山頂直下には
トウヤクリンドウの群れ咲く姿が
そんな路傍の景観に励まされて
11:51
漸く爺ヶ岳の最高点、中峰へと辿り着く
山頂に人影は無く運良く独り占め状態
だが、生憎雲が湧き上がってきて
期待していた展望は無し
ま、山ではよくある事
ここで独りランチ休憩とする
山頂で20分ほど滞在したが
残念ながら雲がとれる事は無かった
ここは素直に諦めて下山の途へ
山頂から鞍部へ下り南峰へ登り返す
復路も巻道をと思っていたが
ランチ休憩で鋭気が戻ったせいか
山頂までは然程でもなさそうに思えて
折角だから南峰のピークも踏んで行こう
12:35
その南峰山頂へ辿り着く
写真を一枚撮って
今度こそ下山の途へ
南峰から急なガレ道を下れば
直ぐに巻道との合流点
往きに通ったザレ道を下り
ハイマツ帯へと入れば緩やか稜線道
往きに眺めた剱岳は
この稜線のガスに隠されて姿は見えずだ
道はお花畑の中へと移り
13:13
種池山荘まで戻って来た
ここのベンチで一休みをして
鉄砲坂への道を下りだす
下りは思いの外順調に歩が進む
14:10
水平道を通過して
復路でも石ベンチで一休み
日差しは西に傾いて
木陰の道ではなくなったけれど
まだ標高が高いせいか
然程の暑さは感じない
高度が落ちるにつれて
徐々に樹々は背丈を増して
木陰の比率が増してくる
振り返れば稜線の種池山荘が見えている
稜線付近に漂っていた雲は
何時しか上空へと移動して
青空までも覗いている
この時間まで待てば
山頂からの展望も得られたのだろうけど
日帰り山行ではちょっとキツいスケジュール
山ではよくある事と気持ちを切り替えて
残りの道を下って行く
駅見岬 ケルン と通過して
八ッ見ベンチを通過する頃には
脚には疲労感が充満して踏ん張る事も一苦労
ストックで何とかサポートしながら
残りの坂を下りきる
右手に扇沢の水音を聞けば
安堵感と共に無事に下山できた事を実感する
16:09
登山口駐車場へと到着です
今年三度目の北アルプス
自身の体力の検証の意味も込めて
トライしているのですが
嘗てのような日帰り山行は
体力的に厳しくなったと実感
いつまでこんな山行が続けられるのか?
もう歳も齢だけれど山は止められず
落ちる体力に抗いながら
細やかな抵抗は続きます