松本雅隆さん
 

 

 

 NHKラジオに朝4時からの「明日へのことば」という番組があります。 

 それを若い人の目に留まるかと思い、書き起こしされているブログ

『明日へのことば』、そのブログをもとに編集しました。

2020年11月17日火曜日

松本雅隆(音楽家)        

          ・個性ある"楽器"で音楽を楽しんで!

 

 松本さんは福岡県生まれ、67歳.。音楽大学入学後、学内にあった図書館や博物館で、中世ルネッサンスの楽譜や楽器と出会いその音色に魅せられました。1973年、音楽仲間と共に中世ルネサンス音楽を演奏する「カテリーナ古楽合奏団」を結成、ライブ活動の中で、多くの子供たちの反応の良さに感動した松本さんは、1982年に「ロバの音楽座」を結成、古楽器や空想創作器などを使い、劇場や学校で音楽を楽しんでもらっています。また東京立川市の郊外に、ロバハウスと名付けた稽古場兼内部空間を設け、ここを拠点に「カテリーナ古楽合奏団」と並行して全国で演奏活動を続けています。「ロバの音楽座」の長年の活動に対して、児童福祉文化賞や、キッズデザイン賞の金賞を贈られています。また、ETVの「おかあさんといっしょ」でも音楽を担当しました。 古楽器との出会いや魅力、子供たちと音楽についての夢を語ってもらいます。

 

紹介の後、お話が続きます。

 

 大学に入って1年のころ、図書館にある楽器博物館などに毎日入り浸っていました。 いろんな音楽を、毎日聞いていました。 兄がバロック時代のチェンバロを作り始めていて、手伝っていました。ある日素朴な木の笛に出会い、手にした瞬間にこれを探していたんだというおもいがありました。ルネサンス時代のクルムホルンだという事を知りました。だんだん西洋と東洋が混ざり合ったような楽器や音楽のとりこになってしまいました。

 

*「ショーム吹きの踊り」  

 

 クルムホルンは、ステッキの持つところのような形をしていて、ホルンは笛という意味で、クルムというのは曲がったという意味で曲がった笛です。東方のほうから渡ってきた楽器が、だんだん西洋的に変わってゆくという流れがあります。

 

*「森の音」 

 

 中世ルネサンス時代、中世は平安時代から鎌倉室町時代、ルネサンスは戦国時代から江戸前期のころです。中世の古楽器はルネサンスで少なくなっていって、バロックで消えてゆくわけで、謎の多い楽器です。20世紀初頭から、古楽器の復興運動がヨーロッパで起きて、作る人とか演奏家も出てきました。50年古楽器をいじっていますが、よくよく考えると5年ぐらいのキャリアしかないんじゃないかと思うように寄り道をしながら、だんだん分かってきました。

 

 海外にも行って、いろんな人に出会って作り方とかを教わったり、毎年やっています。トルコとか東方のほうでは、民族楽器としてそういった楽器が残っています。 ウードという楽器も民族楽器として残っています。5人ぐらいのメンバーで中世のバンド「カテリーナ」を作りました。

 

*CDの「ドウクチア」から「エスタンピー」  演奏:カテリーナ古楽合奏団

 

 「エスタンピー」はイギリスのほうですが、ヨーロッパ中にこういう音楽はあります。ライブ活動の中で、多くの子供たちの反応の良さに感動し1982年「ロバの音楽座」を結成。古楽器の演奏を子供たちに届けたいと思いました。

 

*「ブビビ」のアルバムから「らくがきブビビ」  演奏:ロバの音楽座

 

 これはオリジナルです。

 音楽会は、ライブ感のあるおしゃべりを入れながら、その時演奏したい曲を演奏するというスタイルで、ロバの音楽座「森のオト」は中世・ルネサンス時代の古楽器やオリジナル空想楽器により、子ども達のために心温まる「音と遊びの世界」を創造しているグループで活動しています。

 

 車座になって接近してやったりますが、現在はそういうわけにはいきません。拠点を作りたいと思って、東京立川市の郊外に、ロバハウスと名付けた稽古場兼内部空間を設け、ここを拠点にカテリーナ古楽合奏団と並行して全国で演奏活動を続けています。メンバーは一番新人でも30年ぐらいになります。演奏だけでなく、踊りもやったり、歌も歌ったりもします。いろんな楽器も演奏します。

 

 活動全体に対しての総合的なデザインとして、キッズデザイン賞の金賞をいただきました。コロナの関係で危機的な状況です。

子ども劇場の主催で、工夫しながらコロナ禍での公演を3週間行うことができました。

 

 80,90歳まで続けようとバンドメンバーで話し合っています。