あおいです。
「他に困っていることとか、先生に言っておきたいことはないかな?」
担任の先生が息子に問いかけます。
息子は「僕のことに関してはないんですけど…」と前置きをして語りだしました。
「毎日、授業中、パリピな人たちが騒いでましたけど、まぁ、それは、いいんですけど、教室で最低一日一回、死ねって言葉が聞こえたのが、辛かったです」
「あー…」
先生が大きく頷きます。
「死ね、っていう言葉は、正直、やめて欲しいです」
「そうだよね、やめて欲しいよね」
先生が仰るには、授業中に騒ぎがちな男子生徒の間で、ユーチューバーの真似事が流行っているらしく。
どうやらそのユーチューバーさんが脊髄反射で何事にも「死ね」って言うらしく。
だから、男子生徒たちも「死ね」って言うらしい。
「いつも言っている子が休みだと、別の子が「死ね」って言うから、毎日毎日、授業中に「死ね」って聞こえるんだよね…」
げんなりする息子に対し、先生も頷いています。
いやいやいや、共感している場合じゃないでしょうに…
「その言葉に理由はないんだ?」
「理由はあるけど、言葉に意味はないと思う。なんか、思い通りにならないとすぐに言っている気がするけど、別に死ねっていう意味では言ってない、はず…でも、酷い言葉だから、僕は聞きたくない…」
「…先生、授業中に不規則発言でひっかき回すのは、自称「パリピ」とか「陽キャ」な人気者たちなんですよねぇ?
何だろう、ユーチューバーに感化されてマネするとか、随分とダサい子たちだって思いましたよー…?
言っちゃあ何ですが、折に触れて先生方がダサいダサいって言い続けたら、その他大勢の子たちもそう思うようになるだろうし、そうなったら自称「パリピ」たちもスクールカーストの一軍から転落しちゃうだろうし、良いこと尽くめじゃないですか?」
「…そうやって排除されたら、もっと大騒ぎをしでかす可能性もありますよ…」
「それでも、「死ね」って言葉は、許しちゃダメですよ。困ってないで怒ってくださいよ…」
「怒っています…通じていませんが…」
「…そうですよね、どうしたらいいんでしょうかね…」
とりあえず、先生が保護者に現状を伝えないことには、恐らく解決はしないのです。
該当する生徒の保護者のみならず、やはり全ての保護者に包み隠さず現状を伝えたほうがいいと希望しました。
生徒の問題行動で先生を責めるつもりはないし、先生が保護者の心を動かせなくても私はそれを理由に怒ったりはしません。
ただ、問題がそこに存在するのに放置しているように見えているから、色々と口を出してしまうのです。
「くどいくらい、学校内での出来事を保護者に伝え続けてください。
先生が思うよりずっと、子どもたちは私たち保護者に学校の出来事を話してくれません。
学校のことが分からないから、保護者も協力しづらいんです。
問題解決のスキルを持っている保護者もいるかもしれないし、心ある保護者なら少なくとも自分の子どもが迷惑をかけることがないように気を配るようになってくれます。
先生を頼りにしているけど、先生にすべてを押し付けたりはしませんから、どうぞよろしくお願いいたします」
時間を大幅にオーバーして、三者面談は終わりました。
とりあえず、言いたいことはソコソコ伝え、私がこれまでの出来事についてモヤモヤしていることも伝わったように思いました。
それからの夏休み。
オンラインゲームでは、やはりKくんと揉めていましたが、それでも私たちの気持ちは平穏でした。