三者面談4 | マイペースな日々

マイペースな日々

『中学生 いじめと学級崩壊』というタイトルを変更しました。
息子は2024年に大学生になりました。

あおいです。

さて。

いわゆる高校進学の方向性も何となく共有し、息子にとって深刻な話題へと移ります。
私は家から持ってきた教科書を担任の先生に見せました。
その裏表紙には夜露死苦の文字で息子の名前が書いてあり、それに続いて「肝」「四和胃」などという漢字がマジックで書かれています。
更には書いた犯人のアナグラムがカタカナで記名されていました。

「夏休み直前に書かれたみたいなんですけど」と差し出すと、先生は「あー…何でこんなこと…」と呟きました。

「肝」は「キモ(い)」、「四和胃」は「弱い」、そしてアナグラムで書かれたものはIくんの名前です。

「…でも、ですね、あの」
「はい?」
「キモい、は、今の子たちはちょっとポジティブな感じでも使います」

思わぬ発言に、思わず鼻で笑ってしまいます。

「へぇ、ポジティブ」
「そうです、英語でも、今、sickは若者たちの間では、元の意味で使われていないんですよね」
「へぇ、勉強になります。なりますが、漢字で肝って書いたなら気持ち悪いって意味じゃないですかね」
「ちょっと分かりません…」
「こんなものを油性マジックで書いた人間の気持ちなど、私にも分かりませんが、私たち家族の認識ではネガティブな印象です。
いいですか?
人の持ち物に油性マジックで何か書く行為が、アウトです。
この行為に悪意がないなどと思うのは、多分、学校の先生だけじゃないかな。
私なら、無理。私が息子なら、相手の子に対して必ず報復します。大問題にしてやります」

次に、定規、プリント類を机上に並べます。
そのすべてに「息子の名前」「肝」という字がマジックで書かれています。

「息子は、これをやらかした子に仕返しなどしません。
仕返しなどしたら、学校の先生に叱られると思っているから、仕返しすることが出来ないんです。
その情けない犠牲のおかげで、見せかけ上の平穏が保たれていることを、忘れないでいただきたいです。
当然、借りパク行為なんていうのは許されません。
万引きとか泥棒とかのカテゴリーですよ。
息子の口からIくんやKくんに伝えても、そうかもー、と言うばかりだったそうですよ。
夫は何も言わずに買ってやれ、という気持ちでいますので、シャーペンもシャーペンの芯も消しゴムも定規もノートも、普通なら使いきれない量を購入しています。
だからといって、盗られたり壊されたり分解されたり落書きされていいはずはありませんよね?
他の生徒と同じようにお気に入りのものを使いたい、という希望はとうに捨てています。
だからせめて、勝手に持ち物を触られたくない、という希望くらいは、かなえてあげて欲しいんです」

私の訴えに、先生は思わぬ提案をしてきました。

「…息子くん、筆箱、職員室に預けようか」