噂の件で学校へ | マイペースな日々

マイペースな日々

『中学生 いじめと学級崩壊』というタイトルを変更しました。
息子は2024年に大学生になりました。

あおいです。
 
「Lくんの不登校の原因は、息子が脅迫行為をしたから」という噂を流した件で、私は学校へ向かいました。
 
学校では、ハツラツと部活に取り組んでいる生徒たちがたくさんいます。
彼ら、彼女らを眩しく思いながら、私は教室へ行きました。
 
緊張した面持ちの担任の先生が目に入ります。
他の先生はいらっしゃいませんでした。
 
噂の話を出すと、驚きの感嘆符で先生が相槌を打ちます。
もう少し神妙にすることは出来ないの? と私はイライラしましたが、とにかく先生を味方につけないことには息子を守ることができません。
 
「…詳しくは聞きませんが、Lくんの不登校の原因が息子ではない、というのは間違いないですよね?」

「もちろんです」

「これまでも息子は様々な言いがかりやからかいを受けていいますが、今回の噂は今までと比べ物にならないくらい悪質だと思っています。
はっきり言えば、許し難い」

「そうですよね…」
 
ようやく先生にも神妙な感じが出てきました。
 
「息子が最後に見たのは、隣のクラスのMくんに何事かを話すIくんとKくんの姿だったそうですよ。
私はMくんが噂を更に広めたりはしないと思っていますが、それを小耳に挟んだ周りの生徒がうっかり噂を広めることは十分にあり得ると危惧しています。
もしも、ほかの学年に広まってしまったら、正直、これを打ち消すことは不可能でしょう。
まったくの事実無根であっても、もはや息子にそれを否定してまわるだけの気力はないし、噂をスルー出来るほどメンタルが強いわけでもありません。
先生、今、息子はとても絶望しているんです、分かりますか?」
 
思わず涙が流れます。
 
「シャーペンの件にせよ、落書きの件にせよ、息子がどう思っているかは別にして、私たち家族も本当に苦しい思いをしているんです。
息子が、出来るだけ自分で解決したい、と思っている以上、私も親として見守ろうと頑張っていますが、見守った結果、Iくんたちが調子に乗ってしまったわけですよ。
これは学校に行きたくないと言われても不思議じゃないほどの事案ではないですか?」
 
先生は口をつぐんだまま頷きました。
何とも言い難い沈黙が流れ、泣いている場合じゃないんだなぁ、とぼんやりと認識しました。
 
「噂がどの程度広まってしまったのか、まずは調べて貰えませんか?
広まってしまっているのなら、個別指導で終わらないで欲しいんです。
息子の名前を伏せて、不正確な情報で噂を流すことは許されないことを、ハッキリと言っていただきたいです」

「分かりました。では、まずはMくんに事情をききます」

「いえ、Mくんは問題ないと思いますから、まずはIくんKくんGくんJくん、に話をきいてください」

「あの…お母さん、その四人には、それこそ週に二回ほどは指導を入れています…それなのに、こういう結果になってしまって…申し訳ありませんでした…」
 
今度は私が黙り込む番です。
私は、この時まで、先生はシャーペン事件などについてはスルーをしていると思い込んでいました。