バリケード事件と息子の対応 | マイペースな日々

マイペースな日々

『中学生 いじめと学級崩壊』というタイトルを変更しました。
息子は2024年に大学生になりました。

あおいです。
 
特性のあるEくんは、前の席の椅子を蹴ったり、もしくは足を蹴ったりすることがクセになっています。
ある日、このEくんの行動に我慢ができなくなった生徒数人が、机でバリケードを作って、その中で彼に対し仕返しをしてしまいました。
 
この件について何も語らなかった息子と話をすることにしました。
「Cくんのお母さんから電話あったんだけど、先週からクラスが落ち着かない状態みたいじゃない」
「…あー…うん」
「…で、君は黙って見てたの? それとも先生に助けを求めたの?」
 
息子とEくんは二年生に進級するころには距離を置くようになりましたが、この事案が発生したときは仲良しの時代です。
相変わらず足を蹴られていても、息子の感覚では仲が良い。
 
「見ていられなくなって、その場から離れた。Eくんは仕返しされているだけだから、気の毒だけど助けられないよ」
「仕返しされているだけって、集団での暴力はイジメじゃないの」
「その集団全員に対して、Eくんは迷惑かけてるから、全員が関係者だし…それにEくんって相手を侮辱するようなことを言って傷つけてしまうから、恨まれてるっていうか…」
「侮辱?」
「俺とお前らでは頭の出来が違うとか、あとは、クズだとか生きてる価値がないとか…」
「すごいな…」
 
むしろ、どうして息子はEくんと友達だと言えるのか。
 
「仕返ししたくなる気持ちも分かるけど、それでも集団で暴力行為はイジメだよ。先生をすぐにでも呼ばなきゃならなかったと思うよ」
「Eくんが悪いのに?」
「個別に、それぞれが、仕返しすれば良かっただけだもんね。集団になると責任の所在が分からなくなるから、ヒートアップしやすくなるんだよ。机でバリケードって何なのよ、自分たちの行動に酔いしれていたんじゃない? Eくんへの仕返しがエンタメになって楽しくなっちゃてたんじゃないの?」
「だから、そういうの、僕に言われても…」
 
こうなると、もう、私と息子は分かり合えなくなってしまいます。
 
「お母さん、不安にさせてごめんね。でも、僕はちゃんと自分で判断して、先生に言っても仕方ないなって思ったんだよ」
「なんでよ」
「いつもEくんだって悪いって先生は思ってるから、呼んだところでEくんが更に怒られてしまうだろうし、そういうのは可哀そうだと僕は思う。仕返しされただけなら、イヤなことされたねって慰めることができるんだよ」
「いや、Eくんが悪いんでしょ?」
「Eくんが悪いけど、仕返しされたら慰めてあげたいよ。口が悪いのも足が出ちゃうのも、どうしようもないってEくんは言ってるんだよ、困ってるんだよ」
 
私や担任の先生の言いたいことは、おそらく同じです。
 
Cくんが仕返しをしたくなるのは分かる。
もしもCくんが仕返しできなければ、加害者は間違いなくEくんだ。
Cくんが一対一で仕返しをしたらケンカと呼ばれただろう。
だけど今回Eくんがされたことはイジメだと思う。
もちろんEくんも悪いので、そこは改善しないといけない。
それでもEくんが短期間に改善できるとは思えないので、Cくんは相性が悪いと思って距離を置いたほうがいいと思う。
 
私の中では筋が通っているけれど、息子の中ではそうではないのです。
 
Eくんが悪いのだから仕返しされて当然。
でもEくんは改善できないから寄り添って慰めるほかない。
ちなみに僕はEくんからちょっかいを受けたら「やめて」と言っている。
Eくんがちょっかいを出すのをやめたいという気持ちに嘘はないと思うので、話も合うから友達として付き合いたい。
 
…まるで理解が出来ないし、DV被害者の発言のようにも感じてしまいます。
ただ、息子はその発言内容ほどには、他人に対して興味はないことも知っています。
実際に、Eくんと話す内容が合わなくなったら、今までのことが嘘みたいに距離を置くようになったのですから。