三者三様のお詫び | マイペースな日々

マイペースな日々

『中学生 いじめと学級崩壊』というタイトルを変更しました。
息子は2024年に大学生になりました。

あおいです。
 
夫は来室してすぐに、息子の着衣の様子をチェックし始めました。
「背中に足跡がついてるな」
「痛くはないよ、それより顔にツバつけられたのが気持ち悪くて」
 
先生方は深々と夫にも頭を下げ、お詫びの言葉をかけました。
夫は軽く頷いて、私の隣に座りました。
彼に、今回の三人組が知らない子ではないことを説明しましたが、特に聞いてはいないようでした。
相手の人となりを聞いても意味がないのだと、夫は判断したのです。
 
しばらくして息子が担任の先生たちと室外に出ました。
ようやく三人組それぞれの三者面談も終わり、息子に謝罪することに決めたようです。
のらりくらり言い訳をしても意味がないのだとわかってもらえただけでも、ありがたいとすら思えます。
 
いつものように息子はそれをアッサリ受け入れたようでした。
とにかく身体的接触はやめて欲しい、それが息子の今回の願いだったようです。
 
「本当に息子さんは穏やかで優しくて、こんな子はなかなかいないと思いますよ」
生徒指導の先生がおっしゃいます。
「土手に座って何をしていたのか聞いたら、景色をぼんやりと眺めて、その日にあったイヤなこととかストレスを手放しているんだって言っていました」
「…そうですか…」
「本当にすごいお子さんです」
その褒め言葉に私は救われた気持ちになりました。
が、夫は後で「大袈裟に褒めているだけだから、本気にしてはいけないよ」と私に釘をさしてきました。
 
帰り際、FくんとGくんが親御さんを伴って私たちにも謝ってくれました。
 
Fくん。
やんちゃですぐに調子に乗るけれど、いつだって素直なものだから悪事がすぐにバレちゃう子。
きっと今回も楽しくなってきちゃって、やらかしちゃったのかな。
底意地の悪さはいつだってないんだけど、やられた方はつらいんだけどな。
 
Gくん。
Gくんのお母さんは謝ってくれたけれど、彼本人はこちらを見ようともしなかった。
でも言葉だけでもボソボソと私たちに謝ってくれたので、これも受け入れないといけないんだろうな。
G母は彼の態度を叱ったけれど、あまり効果はなさそうだったな。
 
Aくん。
Aくんのお母さんは、別に親として謝る理由がないということで、私たちが帰るまで部屋からは出ないということでした。
そもそもこのくらいのことで呼び出してくれるな、という態度だったそうです。
会って不愉快になりたくはないし、お互いのためにもそういう選択があってもいいのかな。
 
さて。
小学校時代と違い、中学校はすぐに指導を入れてくれる。
それだけのことで、私は大きな安心をしていたように思います。
 
この安心が良いことだったのか、そうではなかったのか。
 
そして、正確には、一年生の時の担任が熱心に指導されていただけで、学校としてはそうでもなかったようなのです。
そのことに気が付いたのは、最近のことです。
学校という集団が、現場の先生の心を消費して体面を保っているように私には見えます。
人として尊重されない現場の先生がいじめを解決することができるのでしょうか。