3月30日付朝日新聞「声」欄にたいへんもっともな意見が掲載されました。ぼくの考えとまったく同じです。全国紙や主要テレビ局はおしなべて増税賛成を推進しています。ぼくの購読紙である朝日新聞も同然。社説でたびたび増税の必要性を説き、与野党が協議して決めろと声高に訴えます。決められなければ、「何も決められない政治」とばかにします。しかし、増税の前提となる社会保障の見取り図はいまだに描かれず、行財政改革もポーズだけ。公務員の給与削減もわずか2年の時限立法。政治家といえば、歳費の削減を言い出してみたもののやはり2年の期限付き。消費税がアップされる頃には政治家も公務員も給料が元の高止まりにもどるわけです。政党交付金には指一本手をつけない。議員定数削減も手付かず。まして、特別会計などの行政の無駄遣いは法的裏づけもしないまま、うわべだけの「事業仕分け」をやってお茶を濁す。で、一生懸命努力したけど期待した無駄金は捻出できなかったと弁解する。だから、小沢氏は徹底した行財政改革、公務員改革をやって政官が自ら身を切れと檄を飛ばす。すると、小沢は政局で動くと難癖をつけ、野田政権に対して、小沢一派を切って、自民と「与野党協議」して増税を成立させろと発破をかける。まるで、やくざの論理です。小沢氏が復権すると、よほど都合の悪い事情でもあるのでしょう。とにかく、増税路線を推進するのは、財務省に洗脳された松下政経塾出身者を中心とする野田一派、今日の財政破綻を招いた張本人の自民党、財界、高級官僚、それに大マスコミです。彼らに共通しているのは消費税が10%になろうが17%になろうが、自分の財布は痛まない富裕層ということです。ギリシャとは財政構造が違うのに、「ギリシャの二の舞にしてはいけない」「将来の世代に借金を残してはいけない」などと美辞を弄して、政治家たちがつくりだした赤字国債の尻拭いを国民に押し付ける、あくどさ。日本の資産が600兆もあるのに、一切触れず、声高に1000兆の借金を叫ぶ大マスコミの二枚舌。我々は増税推進派の政治家たちやマスコミのウソを見破らなければいけません。



       なぜ一番に消費税増税なのか


                    神奈川県鎌倉市 石渡靖政


 「消費税法案 首相の決断で提出を」と24日の社説にあった。国民の多くが疑問視する消費税増税を推進しようとする、その姿勢が私には理解できない。


 財政の健全化のため、というが、どこまで消費税を上げれば健全化するのか、その道筋が政府の説明でも、あいまいなままだ。また、社会保障の安定のためというが、ここに来て政府は付け焼き刃のような策を繰り出してはいるものの結局、最初から消費増税ありきの社会保障改革だったことを浮かび上がらせているに過ぎないと思う。自公政権時代の「11年度までに必要な法制上の措置を講ずる」を踏まえた対応である、との指摘などは役人の便法としか思えぬ。


 新聞社はもっと国民の声を率直に聞くべきではないか。


 財政再建の必要性は多くの国民が認めている。だが、なぜ低所得層や中間層に厳しく、富裕層に優しい消費増税でなければいけないのかという点である。


 なぜ、累進税率の見直しによる所得の再配分など税制全般の見直しを先に主張しないのかという疑問である。執筆陣が富裕層だから、とは思いたくない。