重い腰を上げて準備し、気乗りしない気持ちのまま出かけた。
待ち合わせ場所には、大きなカバンを携えた男性が立っていた。
写真通り同年代の中でなら爽やか系な感じはしたけど、急な仕事で身支度が間に合わなかったのか髪が乱れてボサボサだった。
初めましての挨拶はしたが、二転三転した待ち合わせ時間変更の詫びもなく、
「お昼食べてなくて・・この辺でどこかに昼飯食べられる所ありますかね?」
と突然聞かれ、今までお相手が調べてくれたり予約してくれたりのご対面しか経験してなかったので慌てた。
二人であっちへウロウロこっちへウロウロ・・・歩き疲れて適当にハワイアンな感じの食べ放題のお店に入った。
男性は食べ放題をチョイスしたけど、私はお腹が空いてなかったのでアイスクリームみたいなものを頼んだと思う。(記憶が曖昧)
食べ放題なので何度か男性が席を立って食べ物を取りに行く。
私は早々に食べ終わってしまいコーヒーを頼んだ。
お腹が満たされた男性は名誉挽回(?)とばかりに饒舌になった。
あまり興味はなかったけれど、大きなカバンのことを質問したら彼の商売道具で延々と仕事の話を聞かされた。
何か彼の言ったことで私が笑ったらしく(もはや笑ったことさえ覚えていない)、
「あー、やっと笑ってもらえた!」
と大喜びでその後も何度も何度も同じジョーク(?)を連発していた。
やっぱり今日はキャンセルすべきだったと思いながらひたすらコーヒーを飲み続けた。
ふと周りを見回すと、ランチタイムはとっくに終わり店内は私達のテーブルだけ。
男性もやっと気がついて、「そろそろ行きますか」と席を立つ。
「この後どうします?」と聞かれたけれど、男性の話はもうお腹いっぱいだったので、
「もう家に帰らないといけない時間なので」と言い訳して解散した。
その日の夜に「お綺麗な方でドキドキしてしまいました。またお会いしたいです!」
とメッセージが入っていたけど、やんわりお断りして終了。
長い1日が終わってつくづく思ったこと、ノープラン男には要注意
(了)