その後もペースはゆっくりながらもやり取りは続いていていたけど、2回目のデートに誘われたのは更に3ヶ月後。

私にはあまり興味がないのだろうなと思っていたので正直驚いた。

 

前回同様彼の仕事帰りに待ち合わせ、気取らない雰囲気のイタリアンに連れて行ってもらった。

その夜は私の都合で少し早い時間に帰らなければならかったので、その分ゆっくり食事とお酒を楽しんだ。

飲み放題のスパークリングワインとは別にグラスワインも頼んで、「相変わらず顔に出ないね」とお互い顔を見合わせ笑い合う。

その日もお財布さえ出させてもらえなかった。

 

近々海外出張に行くと言っていたので、返事が来なくてもあまり気にしていなかった。

気がつけば全く返事がないまま数ヶ月経ち、やはり気になってサイトをチェックしてみたら、彼のプロフィールが忽然と消えていた。

ブロックされたのかと思い調べてみたら、どうやらブロックと退会の表示が微妙に違うらしく、彼は本当に退会していた。

 

彼に別の出会いがあったのか、ただ単に私に興味がなくなったのか、理由はわからない。

突然消えてしまったことに多少ショックは受けたけれども、仮に事前に何か言われたとしても私もなんて答えていいのかわからなかったと思う。

 

素敵なレストランにスマートにエスコートしてもらってデート気分を味合わせてくれた。

あの悪夢のご対面を上書きしてくれて、出会い系の楽しさを教えてくれた初めての人。

今も良き思い出。

 

 

(了)