今回は、昼の部。

中村萬寿、時蔵、梅枝の襲名披露公演。

千住博作の祝い幕は、赤い滝。

 第一部
上州土産百両首は、川村花菱の作。元ネタは、オー・ヘンリーの短編小説「二十年後」を下敷きにしている。獅童演じる板場の正太郎とドジな菊之助演じる牙次郎との友情が分かりやすく面白い。

第二部は、「義経千本桜」

第三部は、「妹背山婦女庭訓 三笠山御殿」
もともと飛鳥時代の大化の改新の蘇我の入鹿と藤原鎌足の因縁から物語は展開。七之助の橘姫と萬寿の求女。その二人に時蔵演じるお三輪は、純粋で可憐な女から、痛め付けられる女、嫉妬する女、犠牲となる女を演じる大役。その三人を繋ぐ紅白の糸の苧環(おだまき)。

nyasper いつも思うのだが、歌舞伎というのは時代考証はどうなっているのだろう。歌舞伎作者は、昔の話の良いとこ取りしながらも、飛鳥時代を江戸時代の感覚や装束で演じる。そして、江戸時代の情緒的な物語を現代のドライな感覚で鑑賞するnyasper 。こんな事が実は、異次元の世界に遊べる醍醐味なのかと、最近、思うけれど、ちょっと上手く説明が出来ない。少し前までは、思い焦がれる男の為に命を投げ出す女や、主君の為にに命を投げ出す家来よりも、それを裏切る悪人に惹かれていたが、最近は、よく歌舞伎にある無理な設定、Aさんは、実は仮の姿で、本当はBさんであるという。そういう時代錯誤とも言えるあり得ない感覚の世界や飛躍が、歌舞伎の面白さかもと思えている。