「卵をたくさん食べましょう」とお勧めすると、

 

「生がいいですか?それとも?」とよく聞かれます。

 

本当のところどうなんでしょうか?

 栄養学的に考えてみたいと思います。

 

結論からいうと、

私は加熱することをお勧めします。

 

メリット・デメリットを踏まえ、その理由をいくつかあげてみたいと思います。

 

そもそも卵には

良質なたんぱく質のほかに

ビタミン類(ABE等)やミネラル(亜鉛・鉄、・マグネシウム等)など

さまざまな栄養素が含まれています。

 

これから生命が誕生するのですから当たり前と言えばそうですね。

 

生卵で食べるメリットはこのビタミン・ミネラルの吸収率、

特にビタミンB群の栄養を多く取ることができるところと考えられます。

 

なぜなら

ビタミン類は熱に弱く、加熱すると壊れてしまうからです。

 

デメリットとしては3つほどあります。

 

一つ目は卵黄と卵白が混ざることです。

 

卵黄にはビオチン(ビタミンHという栄養素があります。

 これは脂質の代謝に働くビタミンで、不足すると、口やまぶたに炎症が起きたり、ニキビができたりフケがでたりします。

 

一方、

卵白にはアビジンというタンパク質があります。

これはビオチンとくっついて水に溶けない物質に変えてしまう作用があります。

 

だから、生で摂取すると卵白と卵黄が混ざってしまうのでこの栄養素が吸収できなくなります。

(ちなみにビオチンは腸内細菌からもつくられており、生卵をたくさん食べるとその分も吸収できなくなる可能性があります。)

 

ただし、加熱するとアビジン(タンパク質)の形がかわる(変性)ので問題がなくなります。

 

二つ目は、

卵白には「オボムコイド」という糖タンパクがあります。

 

これはタンパク消化酵素の働きを邪魔してしまいます。

つまりせっかく食べても消化しにくくなるのでタンパク質の吸収が悪くなります。

 

もちろんオボムコイドも熱を加えるとその働きはなくなります。

 

3つ目は、

生で食べる場合、サルモネラ菌などによる食中毒の可能性があるので安全面でいっても過熱したほうがいいと思われます。

 

どちらにもメリット、デメリットはあります。それを理解して選択するのは良いと思います。

 

ただ私が卵をお勧めしている一番の理由は低糖高たんぱく食です。

 

卵にビタミンやミネラルの吸収は求めてないのです。

(それらが含まれているといっても極少量です)

 

タンパク質をいかに多く吸収するかが問題なのです。

 

もちろん生が大好き、とか生でしか食べれない

のであればそれはそれでいいと思います。

 

結局私が声を大きくして言いたいことは

「卵を毎日食べましょう。」ということです。