7回忌。 | 皐月の50%はコラーゲンで出来ています。

毎年、この時間が1番嫌いですが

こうしてブログに向かう事で何となくやっぱり振り返って

でも、最終的に落ち着くので書こう


あまり明るい話じゃないから、結構リアルなので

読むのはみなさんにお任せします


2:10位ですかね、7年前。私が27歳の時

母が永眠した


歌の仕事で宇都宮のHOTELへ

車内で後部座席、隣に柳君、前には天窓スタッフさん


父から電話が入った「五月か、帰れるか?お母さん今日難しいから」


頭が真っ白になって

手がずっと震えていたけど、ステージが2ステージ決まっていたから

柳君にも、スタッフさんにも伝えずに2ステージさせて頂いた


伝えても良かったけど、伝えたら事実になる気がして

嘘に決まってるって信じたかったんだな


不思議なんだけど、歌いながらお母さんと家の近所の

堤防まで5歳位の私が手を繋いで歩いてる懐かしい映像が

ずっとずっと頭の中で流れてて

そこに、柳君のピアノがBGMになって


怖いんだけど、凄く大きなモノの中にいるようだった


ステージを終えて、事実を伝えて

すでに迎えに来ていた兄の車に乗り込んで

衣装のまま、兄に「ありがとう」って言ったのを最後に

そのまま一言もお互い言葉はなかった


病院に着くまでの間、携帯の充電がなくなった

姉から「早く、五月、早く」

義姉からも「さっちゃんて、さっちゃんって呼んでるよ」


その時私の気持ちはひどいかもしれないけど

「ウルサイな」「これは、現実じゃない」「そんなひどいはずがない」だった


でも病院について、兄の背中を見ながら入った病室で

横たわってる母は私に「さっちゃん、おかえり」って言った


20歳の時から東京に行き来し始めて

月の半分、昼夜逆転してる私が夜中帰って来るのを台所で

居眠りしながら「おかえり」って待っていてくれた母そのものだった


それと同時に「別れが近いんだな」って思った


母は、廊下に集まってた親戚を病室に招いて

信じられないけど、むくりと体を少し起こして

全員と握手しながら「忙しいのに、ありがとうね」

「本当にお世話になりました」

って声をかけていた


茫然としながらも、母の人生みたいなモノがそこに詰まっているように思えた


母が亡くなる1週間前に、私は群馬にいた

母から「さっちゃん、タンスの引き出しに缶の箱があるから持ってきて」

と頼まれた

言われた通り持って来て「何が入ってるの?」って聞いたら

「貝殻で作ったキーホルダー」って着物の布で覆われた

キーホルダーがたくさん入っていて


「お世話になった看護婦さんと、同室の人にあげるんだ」と言った

その後

「さっちゃん、来年の籾山家は凄く幸せになるから。色んな不安がなくなって

皆それぞれの生活が充実するから、大丈夫だから」って言われた


母には、余命宣告を最期までしていなかったけど

まるでもうすぐ天国に行く事を知ってるみたいで

少しムカついて「大丈夫に決まってるじゃん、お母だって元気になるんだし」


そう、答えた私は今考えればとても残酷な事をしたと思う


段々、母の呼吸が激しくなる中で

1番冷静だった、姉と兄、そして父が慌て始めた

それまで、1年半ずっと慌てていた私が何だか1番冷静に

母を眺めていた


でも、気づいたら母の耳元で

「お母、産んでくれてありがとう」って言ったら

「さっちゃん、頑張って」と励まされた


14:10頃、母は家族に囲まれて天国へ行きました


父は、毎日病室へ行って本を読んでいた

母と何を話すわけでもなく


姉も、毎日病室へ足を運んで

私に報告してくれた


兄も、そんなに頻繁に病室に行くと母が勘付くから

と、頻繁には行かなかった


家族の、些細な夢もこの日この時間に終わった


父が泣きながら

「お母さん、お父さんと2人になった時に、幸せでした、全部知ってましたって言ってた」と

教えてくれた


夫婦って、凄いですね

何だか子供と親にはない絆を教えて貰いました


今でも、7回目でも

やっぱり寂しいです


昔の携帯に母のメッセージが残っていて

たまに寂しくなると聴いてます


でも、今年は1つ書き足したい


今現在、誰か大切な人が病と闘っていて

苦しい方々がいたら


大丈夫ですって言いたい

辛いけどね、とっても


でも、今私は笑えてます

ご飯を美味しいって食べられます

近くに母を感じています


ずっとじゃない、苦しみはずっとではないです


今は食べたモノの味も、世界もモノクロに見えるかもしれませんが

大切な人と向き合う時間は、凄まじい「愛」が詰まっています


そしてお母よ、娘はもう34歳になったぞ

けっこういい歳だぜ

でも、あなたがこの世に私を連れて来てくれたから


恋とか、愛とか、歌とか音楽

それに、仲間や寿司

家族や、寿司


そう、寿司の美味しさを知ることが出来た


あ、違うか(笑)

あなたのように、死ぬのが夢です


そして、家族よ

あれから7年ですね

ありがとう



五月