カンアオイの花粉媒介者たち


各地に分布しているカンアオイは、実にバラエティーに富んだ様々な顔()をしています。

個人的な見解ですので、以下に於いては間違いが有るかもしれないですが、カンアオイの花は、フタバアオイ・ウスバサイシン節の花の様に、開花と同時に葯(花粉)を付けた雄蕊の花糸が、上下運動をして自家受粉をするといった仕組みを持ち合わせていない為に、受粉を手伝ってくれる昆虫・節足動物たちの訪花を待っているのでしょう。その為にカンアオイの雌雄蕊柱の葯と柱頭の位置は比較的近い位置にあります。多くのカンアオイは、口を大きく開けて(開口部)訪花を待ち構えていますが、オナガカンアオイ・ホシザキカンアオイ・サカワサイシン・ミヤコアオイなどは、開口部が狭くて中々困難な形態をしています。その為に、此れらの多くは、顎片の表面ふちを黄色や白色、赤色に変えて覆輪状にしています。更に、オナガカンアオイなどに於いては、髭状に顎片の先端物を長く伸ばしています。此れらはきっと、人間には感じない油性分の香り・花粉の匂い・花の香りを発出すると同時に、この様な色の変化や髭状顎片によって、此方ですよって感じで誘導しているのではないでしょうか。一つの花には、子孫を残す為に、非常に沢山の花粉を持ち合わせ、花粉を食べる為に訪花した昆虫や節足動物たちが、少しくらい食べてしまっても、顎筒内を動き回って受粉をしてくれるのをじっと待っているのでしょう。


花の中を動き回るダンゴムシ



大きな目らしきものがありますが、不明種です。





トビムシとヤスデ



クモ🕷は、巣を張り巡らせることによって餌を捕らえる目的ですが、巣を張り巡らせる為に花粉飛散をする可能性がある